戸田邸

敷地:広島県広島市
用途:専用住宅(店舗増築予定)
構造:鉄骨造、3階建
敷地面積:189.85㎡
建築面積:90.21㎡
延床面積:114.26㎡

構造設計:ストラクチャード・エンヴァイロンメント
設備設計:システムデザイン研究所 /施工:(有) アルフ

AR House 2012 | Highly commended
モダンリビング大賞 2012 | 準大賞
住まいの環境デザイン・アワード2013 | 住空間デザイン優秀賞
アイカ施工例コンテスト2012 | 最優秀賞

敷地は広島市にあるひな壇状に造成された住宅地で、とおく瀬戸内海や宮島を望む、ゆるやかな高台の上にある。
南側に一段さがって建つ家の屋根をこえて、瀬戸内海へとぬける眺望を確保すること。住宅地の端に位置するため、人気が少ないので防犯性に配慮すること。将来ちいさな店をひらくことができるよう、増築の余地を残すことなどが望まれました。それらをふまえて、建築全体を地面から離して配置しました。樹のうえにつくられた巣のように、建築が本来もつ安心感を生みだすこと。開放的でありながら、外敵や環境から守られる場所をつくることを考えています。
床および屋根は連続する1枚の板(スラブ)で構成され、上下を貫通する階段により周回できるワンルームでありながら多様で複雑な関係性を生みだすとともに、屋上庭園やスラブの延長、地上レベルへの新築などさまざまな増築可能性の担保、道路側のレベルをさげることによる威圧感の低減を解決しています。また、腰壁は場所に応じてさまざまに高さを変え、上下のスラブ間隔、スラブ幅の変化、海と山に囲まれた豊かな周辺環境の変化と共に、室内からの眺望と前面道路や隣地からの視線、リビングと子供部屋など向かい合う住宅内同士の視線を調整しながら連続的に異なる環境をつくりだしています。
高台を吹き抜ける風を取り込む開口部と、らせん構成の始点と終点に設けられた開口のレベル差を利用した温度差換気により、建物全体に風が吹き抜けるよう考慮しています。高さのあるピロティと細長い建物の構成により、室内同様に風通しと採光条件のよい地上は植栽の生育に適すると共に道路に対して境界をもたず、近隣に対して公園のように開放的で明るい庭の景観を提供しています。

Photo : Toshiyuki Yano

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