ものつくり大学 ヴィエトナム・フエ王宮隆徳殿 修復プロジェクト

 研究代表者である白井裕泰は、1996年度から2004年度まで、早稲田大学ヴィエトナム・フエ王宮遺跡調査(文科省研究費補助、研究代表者 中川武教授)に研究分担者として参加した。この研究は、ユネスコ世界遺産に登録されている皇城と帝廟を中心とした「フエの建造物群」の全体像を把握することを目的としている。またその成果を踏まえて、現在、早稲田大学ユネスコ世界遺産研究所(所長中川武教授)が中心になって、フエ王宮勤政殿の復原プロジェクトを推進している。

 2005年度から、ものつくり大学の海外学術調査(基盤A)として研究課題「阮朝・太廟・隆徳殿の修復計画-ヴィエトナムの文化遺産(建造物)の保存に関する技術移転の確立と国際協力」を実施している。

 本研究は、隆徳殿修復の実践を通して、修復工事に関する学術情報をヴィエトナム側に提供することを目的とし、早稲田大学ユネスコ世界遺産研究所およびフエ遺跡保存センターと連携して行うものである。

(文科省科研費補助 2005年-2008年)

■2005年度研究メンバー

研究代表者 白井裕泰(ものつくり大学教授)
研究分担者 田中文男(創造学園特任教授)
  那須武秀(ものつくり大学講師)
  小野 泰(ものつくり大学講師)
  坂本 功(東京大学大学院教授)
  藤田香織(首都大学東京准教授)
研究協力者 横山晋一(ものつくり大学講師)
  六反田千恵(共栄学園短大講師)
  山口亜由美(東京大学大学院)
  出水文二(東京大学大学院)
  椎名 聰(ものつくり大学学生)
  土賀清円(ものつくり大学学生)
  久富雄治(ものつくり大学学生)
隆徳殿 南正面外観 隆徳殿 西側面外観
隆徳殿 南正面外観 隆徳殿 西側面外観
隆徳殿 内観 隆徳殿 天井見上げ
隆徳殿 内観 隆徳殿 天井見上げ
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2005年度活動報告

1.調査の期間および組織

第1次調査
期間/8月16日-31日
組織/主任調査員:白井裕泰
調査員:小野泰、六反田千恵、山口亜由美、出水文二、土賀清円、久富雄二、椎名聡

第2次調査
期間/3月9日-16日
組織/主任調査員:白井裕泰
調査員:横山晋一

2.調査の内容

 今年度は、隆徳殿の修復を前提として以下の実験および調査が行われた。東京大学坂本研究室によって隆徳殿の1/4模型を使って載荷実験、1/1の接合部模型を使って強度実験が行われた。また隆徳殿の現状の構造的耐力を明らかにするために、(1)水平力を加えて柱の変位を測定する(2)鉛直荷重を加えて柱の変位を測定する(3)補強材を除いた状態で常時微動を測定するなどの構造調査を行った。さらに建築技法および細部意匠の関連調査として、(4)肇廟の平面および柱内転びに関する実測調査(5)肇廟の細部意匠に関する調査などを行った。

3.調査の成果

 調査の結果および考察を、『ヴィエトナム・フエ王宮・隆徳殿の修復計画について-2005年度活動報告-』(2006年6月)としてまとめた。その目次は以下のようである。

第1章 隆徳殿の修復計画について-2005年度調査およびその成果-(白井裕泰)

1-1 はじめに
1-2 隆徳殿修復の目的と方法
1-3 従来の研究
1-4 2005年度の研究組織
1-5 2005年度の調査
1-6 2005年度の成果概要
1-7 おわりに

第2章 構造調査報告

2-1 接合部実験(山口亜由美)
2-2 実物大構造実験(小野泰、山口亜由美)

第3章 寸法調査報告(2003年度~2004年度)(白井裕泰)

3-1 礎石レベル(2003年度)
3-2 平面寸法実測(2003年度)
3-3 断面寸法実測(2003年度)
3-4 軒反り寸法実測(2003年度)
3-5 内転び寸法実測(2004年度)

第4章 細部意匠調査報告(六反田千恵)

4-1 はじめに
4-2 隆徳殿の木部絵様彫刻部位
4-3 隆徳殿ケオ木鼻絵様
4-4 隆徳殿ケオ本体絵様
4-5 「両渦紋型」ケオ木鼻絵様のある遺構の分布

第5章 関連調査報告

5-1 はじめに(白井裕泰/蟹井千織)
5-2 肇廟の平面計画分析(白井裕泰/蟹井千織)
5-3 肇廟の柱間計画の仮説(白井裕泰/蟹井千織)
5-4 肇廟の平面計画(仮説)手順(白井裕泰/蟹井千織)
5-5 肇廟の柱内転びについて(白井裕泰/土賀清円)
5-6 肇廟の細部意匠調査(六反田千恵)
5-7 白井家住宅構造調査報告(小野泰)

第6章 隆徳殿の仮設計画(横山晋一)

6-1 仮設計画特記仕様書
6-2 仮設設計
6-3 仮設予算

第7章 資料

7-1 図面
7-2 拓本
7-3 写真
7-4 発表業績

4.発表業績

  1. 白井裕泰・中川武他4名「隆徳殿における反りについて-ヴィエトナム・フエ阮朝王宮の復原的研究(その94)」(2004年8月)日本建築学会学術講演梗概集
  2. 白井裕泰・中川武他2名「隆徳殿における柱内転びについて-ヴィエトナム・フエ阮朝王宮の復原的研究(その108)」(2005年9月)日本建築学会学術講演梗概集
  3. 白井裕泰「隆徳殿の柱間計画について-阮朝・太廟・隆徳殿の修復計画(その1)」(2006年9月)日本建築学会学術講演梗概集
  4. 六反田千恵「隆徳殿ドウィ・ケオ彫刻絵様構成について-阮朝・太廟・隆徳殿の修復計画(その2)(2006年9月)日本建築学会学術講演梗概集
  5. 小野泰「ヴィエトナム・フエ阮朝宮殿建築の構造特性-隆徳殿の水平加力実験-阮朝・太廟・隆徳殿の修復計画(その3)(2006年9月)日本建築学会学術講演梗概集
  6. 山口亜由美他3名「ヴィエトナム・フエ阮朝宮殿建築の構造特性-接合部の静的加力実験-阮朝・太廟・隆徳殿の修復計画(その4)(2006年9月)日本建築学会学術講演梗概集

実物大実験(反力としてダンプトラックを使用)
実物大実験(反力としてダンプトラックを使用)

実物大実験(2本の身舎柱を同時に引っ張る)
実物大実験(2本の身舎柱を同時に引っ張る)

 

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■2006年度研究メンバー

研究代表者 白井裕泰(ものつくり大学教授)
研究分担者 田中文男(創造学園特任教授)
  小野 泰(ものつくり大学助教授)
  横山晋一(ものつくり大学助教授)
  那須武秀(ものつくり大学講師)
  藤田香織(首都大学東京准教授)
  六反田千恵(共栄学園短大講師)
研究協力者 山口亜由美(東京大学アジア生物資源環境研究センター研究員)
  佐々木昌孝(ものつくり大学助手)
研究補助者 角陸順香(首都大学東京大学院 COE研究員)
  慎 鏞宣(ものつくり大学大学院生)
  久富雄治(ものつくり大学学生)
  宮下恵介(ものつくり大学学生)
  高橋定信(大工棟梁)

 

2006年度活動報告

1.調査の期間および組織

第3次調査
期間/8月17日―9月1日
組織/主任調査員:白井裕泰
調査員:六反田千恵、山口亜由美、慎鏞宣、久富雄治
佐々木昌孝、角陸順香、高橋定信
第4次調査
期間/2007年2月26日―3月26日
組織/主任調査員:白井裕泰
調査員:小野泰、横山晋一、佐々木昌孝、慎鏞宣、高橋定信、高橋直

2.調査の内容

第3次調査においては、

  1. 8月17日から9月1日まで隆徳殿の素屋根および西側部材保存小屋を建設した。
  2. 8月21・22日に隆徳殿の北西角から北に6m、西に0.3mの位置で地下17.2mまでボーリングし、地質調査を行った。

第4次調査においては、

  1. 2007年2月26日から3月26日まで素屋根の南側に部材保存小屋、その南側に工作小屋、さらにその南側に工員休憩所を建設した。また工員休憩所の南西側に工事監理事務所を建設した。
  2. 3月19日から3月24日まで部材調査を行った。部材調査は基壇上で行い、調査内容は部材寸法の実測、部材の新旧・刻書・補修必要の有無の確認、含水率の測定などであった。この部材調査によって隆徳殿修復工事における取替材・補修材の材積を求めることができる。
  3. 隆徳殿の現状瓦の強度試験を奈良県窯業試験場で行い、瓦強度の強化について検討を行った。
  4. フエ王宮建築の常時微動測定を行い、剛性評価の比較検討を行った。
  5. 関連調査として、肇祖廟の実測調査を行い、平面・断面・立面図を作成した。
  6. 隆徳殿の1/4復元模型を作製した。

3.調査の成果

調査の結果および考察を、『ヴィエトナム・フエ王宮・隆徳殿の修復計画について-2006年度活動報告-』(2008年3月)としてまとめた。その目次は以下のようである。

第1章 2006年度調査およびその成果(白井裕泰)

1-1 はじめに
1-2 2006年度の研究組織
1-3 2006年度の調査
1-4 2006年度の成果概要
1-5 おわりに

第2章 仮設建設報告(白井裕泰)

2-1 はじめに
2-2 準備
2-3 仮設建設の経過
2-4 おわりに 

第3章 地質調査(小野泰)

第4章 実測調査報告(佐々木昌孝・慎鏞宣)

4-1 はじめに

4-2 従来の肇廟調査

4-3 2006年度の肇廟調査

4-4 肇廟の実測図および写真

第5章 細部意匠調査(六反田千恵)

5-1 はじめに

5-2 王宮内のケオ木鼻の先端絵様

5-3 紹治帝稜・表徳殿のケオ木鼻絵様

第6章 ヴィエトナム瓦の各種実験(横山晋一)

6-1 はじめに

6-2 実験方法

6-3 実験結果

6-4 まとめ

第7章 隆徳殿の解体および調査(白井裕泰)

7-1 はじめに

7-2 解体の過程

7-3 調査の内容

7-4 おわりに

第8章 ヴィエトナム・フエ王宮・隆徳殿修復計画書

第9章 2005年度発表実績

 

4.発表業績

日本建築学会学術講演梗概集(2007年8月)

  1. 白井裕泰他1名「隆徳殿の断面計画について-阮朝・太廟・隆徳殿の修復計画(その5)
  2. 佐々木昌孝他2名「隆徳殿の部材番付について-阮朝・太廟・隆徳殿の修復計画(その6)
  3. 横山晋一他2名「隆徳殿修復に関する瓦の考察-阮朝・太廟・隆徳殿の修復計画(その7)
  4. 六反田千恵他2名「両渦紋型ドゥイ・ケオ彫刻の先端渦紋の分類について-阮朝・太廟・隆徳殿の修復計画(その8)
  5. 小野泰他2名「隆徳殿の劣化状況調査-外壁・柱の劣化状況-阮朝・太廟・隆徳殿の修復計画(その9)
  6. 山口亜由美他5名「ヴィエトナム・フエ阮朝宮殿建築の構造性能-隆徳殿1/4構造模型および載荷実験-阮朝・太廟・隆徳殿の修復計画(その10)
  7. シン・ヨンセン他2名「肇祖廟の柱内転びについて-阮朝・太廟・隆徳殿の修復計画(その11)

隆徳殿の素屋根
隆徳殿の素屋根

隆徳殿の解体
隆徳殿の解体

隆徳殿の部材調査
隆徳殿の部材調査

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■2007年度研究メンバー

研究代表者 白井裕泰(ものつくり大学教授)
研究分担者 田中文男(創造学園特任教授)
  小野 泰(ものつくり大学助教授)
  横山晋一(ものつくり大学助教授)
  那須武秀(ものつくり大学講師)
  藤田香織(首都大学東京准教授)
  六反田千恵(共栄学園短大講師)
研究協力者 赤松明(ものつくり大学教授)
  佐々木昌孝(ものつくり大学助手)
研究補助者 慎 鏞宣(ものつくり大学大学院生)
  栗子岳大(ものつくり大学大学院生)
  佐山拓也(ものつくり大学学生)
  外山紗江(ものつくり大学学生)
  高橋定信(大工棟梁)
  高橋和弘(大工)
  高橋直弘(大工)

●2007年度活動報告

1.調査の期間および組織

第5次調査
期間/8月16日-9月13日
組織/主任調査員:白井裕泰
調査員:六反田千恵、赤松明、佐々木昌孝、慎鏞宣、栗子岳大
佐山拓也、外山紗江、高橋定信、高橋和弘、高橋直弘

第6次調査
期間/2008年2月25日-3月24日
組織/主任調査員:白井裕泰
調査員:慎鏞宣、栗子岳大、高橋定信、高橋直弘

2.調査の内容

  1. 2007年5月~7月に隆徳殿の復原設計を検討し、7月15日~17日にフエ遺跡保存センターと事前の打合せを行った。
  2. 第5次調査が、2007年8月16日から9月13日まで行われ、隆徳殿の基壇調査、原寸図の作成、人工木材を使用した柱の修理、ケオ・トェン木鼻の拓本採取、番付および仕口の補充調査を行った。また関連調査として、肇祖廟の補充調査、昭敬殿の基壇調査、王宮内の家具調査を行った。原寸図の作成によって、今後の復原修理の基準を設定することができた。また人工木材を使用した部材修理によって、これまで取り替えざるを得なかった部材を再用することが可能になった。この試みはヴィエトナムの文化財建造物修理において、歴史に残る画期的な出来事であった。
  3. 2008年1月4日から12日まで、臨時調査として、人工木材によるケオの修理を行い、フエ遺跡保存センターと第6次調査の事前打合せを行った。
  4. 第6次調査が、2008年2月25日から3月25日まで行われ、隆徳殿の基壇修理、柱・ケオ・頭貫の修理が行われ、ほぼ修理を完了した。また王宮内にある瓦の焼き窯内部の温度を計測した結果、窯内部の最高温度は960度であることがわかった。今回の基壇修理において、内側礎石の下に、新たに80㎝×80㎝×75㎝の煉瓦積み独立基礎を設置した。これは修理前の礎石が80㎝厚の基壇砂地盤に置かれていた構造的弱点を改良したものである。
    以上、今年度の修理および調査実績によって、2008年度の隆徳殿の復原組立が可能になった。

3.調査の成果

調査の結果および考察を、『ヴィエトナム・フエ王宮・隆徳殿の修復計画について-2007年度活動報告-』(2009年3月)としてまとめた。その目次は以下のようである。

第1章 2007年度調査およびその成果(白井裕泰)

1-1 はじめに

1-2 2007年度の研究組織

1-3 2007年度の調査

1-4 2007年度の成果概要

1-5 おわりに

第2章  部材調査(佐々木昌孝・小野泰)

2-1 部材寸法(佐々木昌孝)

2-2 劣化状況調査(小野泰)

第3章 番付調査(佐々木昌孝)

第4章 仕口調査(佐々木昌孝・慎鏞宣・栗子岳大)

第5章 原寸図作成(白井裕泰)

5-1 はじめに

5-2 原寸図作成の目的

5-3 原寸図作成の過程

5-4 原寸図作成の手順

5-5 おわりに

第6章 部材修理(白井裕泰)

6-1 はじめに

6-2 部材修理の方法

6-3 部材修理の実例

6-4 人工木材について

6-5 おわりに

第7章 基壇修理(白井裕泰・慎鏞宣)

7-1 基壇の現状

7-2 基壇修理の方針

7-3 基壇修理の過程

第8章 家具調査(赤松明・外山沙江)

8-1 肇祖廟の家具の配置調査と実測調査

8-2 机の実測と復元

8-3 ヴィエトナムの家具工房

8-4 まとめ

8-5 おわりに


第9章 昭敬殿の基壇調査(白井裕泰・栗子岳大)

9-1 はじめに

9-2 基壇平面

9-3 基壇レベル

9-4 おわりに

第10章 資料

4.発表業績

  1. 日本建築学会学術講演梗概集(2008年度)
    ①隆徳殿の原寸図について 阮朝・太廟・隆徳殿の修復計画(その12)
    ②隆徳殿の部材番付について(頭貫・飛貫) 阮朝・太廟・隆徳殿の修復計画(その13)
    ③隆徳殿ドゥイ・ケオ彫刻絵様構成について 2  阮朝・太廟・隆徳殿の修復計画(その14)
    ④隆徳殿の基壇修復について 阮朝・太廟・隆徳殿の修復計画(その15)
    ⑤昭敬殿の現状基壇について 阮朝・太廟・隆徳殿の修復計画(その16)
    ⑥隆徳殿の劣化状況調査-登梁(ケオ)の劣化状況- 阮朝・太廟・隆徳殿の修復計画(その17)
  2. 日本デザイン学会
    ⑦ベトナムのグエン朝王宮における家具
  3. 木材工業(学術雑誌)
    ⑧ヴィエトナム・フエ王宮内に現存する家具の実測調査・復元

隆徳殿の原寸図
隆徳殿の原寸図

隆徳殿の柱修理
隆徳殿の柱修理

隆徳殿のケオ修理
隆徳殿のケオ修理

隆徳殿の貫修理
隆徳殿の貫修理

隆徳殿の基壇修理
隆徳殿の基壇修理

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■2008年度研究メンバー

研究代表者 白井裕泰(ものつくり大学教授)
研究分担者 田中文男(創造学園特任教授)
  小野 泰(ものつくり大学助教授)
  横山晋一(ものつくり大学助教授)
  那須武秀(ものつくり大学講師)
  藤田香織(首都大学東京准教授)
  六反田千恵(共栄学園短大講師)
研究協力者 赤松明(ものつくり大学教授)
  佐々木昌孝(ものつくり大学助手)
研究補助者 慎 鏞宣(ものつくり大学大学院生)
  栗子岳大(ものつくり大学大学院生)
  青木啓太(ものつくり大学学生)
  橋本 俊(ものつくり大学学生)
  高橋定信(大工棟梁)
  高橋和弘(大工)
  高橋直弘(大工)

●2008年度活動報告

1.調査の期間および組織

第7次調査
期間/8月17日-9月14日
組織/主任調査員:白井裕泰
調査員:六反田千恵、赤松明、佐々木昌孝、慎鏞宣、栗子岳大、
青木啓太、橋本 俊、高橋定信、高橋和弘、高橋直弘

第8次調査
期間/2009年2月24日-3月24日
組織/主任調査員:白井裕泰
調査員:慎鏞宣、栗子岳大、高橋定信、高橋直弘

2.調査の内容

2008年度は、7月17日(木)から23日(水)まで臨時調査を行い、柱・ケオ・頭貫・飛貫の修理の最終確認を行った。第7次調査は8月17日(日)から9月14日(日)まで行われ、調査の内容は①柱・ケオ・頭貫・飛貫による軸部の組立、②母屋桁・母屋受けの修理、③部材の修理箇所の確認、④土公祠の実測調査、⑤ケオの柱元部の調査、⑥肇祖廟の家具調査などであった。
1月4日(日)から10日(土)まで第2次臨時調査を行い、垂木の修理を行った。第8次調査は2月24日(火)から3月24日(火)まで行われ、その内容は母屋桁・垂木の取付および造作(欄間・建具)の取付であった。

3.調査の成果

調査の結果および考察を、『ヴィエトナム・フエ王宮・隆徳殿の修復計画について-2007年度活動報告-』(2009年3月)としてまとめた。その目次は以下のようである。

第1章  隆徳殿の修復計画について―2008年度調査およびその成果―(白井裕泰)

1-1  はじめに

1-2  隆徳殿の修復の目的と方法

1-3  従来の研究

1-4  2008年度の研究組織

1-5  2008年度の調査

1-6  2008年度の成果概要

1-7  おわりに

第2章  部材調査(佐々木昌孝・小野泰)

2-1 柱の当初材

2-2 ケオの当初材

2-3 飛貫・頭貫・大梁の当初材

2-4 母屋桁の当初材

2-5 垂木の当初材

2-6 おわりに

第3章 隆徳殿の部材取替・修理調査(白井裕泰)

3-1 柱の取替・修理

3-2 ケオの取替・修理

3-3 飛貫・頭貫の取替・修理

3-4 母屋桁の取替・修理

3-5 垂木の取替・修理

3-6 おわりに

第4章 木材明細書(佐々木昌孝)

4-1  部材寸法(2008年度)

第5章 隆徳殿の修復(白井裕泰)

5-1 はじめに

5-2 部材修理および組立について

5-3 おわりに

第6章 柱の隅伸びと内転び調査(白井裕泰)

6-1 柱の隅伸びと内転び調査

6-2 柱の内転び

6-3 おわりに

第7章 隆徳殿の垂木について(白井裕泰)

7-1 はじめに

7-2 垂木の新旧について

7-3 垂木の配置について

7-4 垂木の1枝寸法について

7-5 おわりに

第8章 土公祠の実測調査(白井裕泰・青木啓太)

8-1 はじめに

8-2 建造物概要

8-3 調査概要

8-4 現状写真

8-5 現状図面

8-6 おわりに

第9章 細部意匠調査(六反田)

9-1 調査概要について

9-2 隆徳殿裳階部ケオの拓本採取状況について

9-3 隆徳殿大梁・飛貫木鼻拓本

9-4 まとめ

第10章 家具調査(赤松明・橋本俊)

10-1 背景と目的

10-2 肇祖廟の家具の種類と配置

10-3 調査結果

10-4 考察

10-5 玉座の装飾

10-6 まとめ

第11章 資料

11-1 隆徳殿竣工図面(栗子岳大)

11-2 隆徳殿仕口図(慎 鏞宣)

11-3 土公祠現状図面(青木啓太)

11-4 拓本

11-5 隆徳殿部材調査表(佐々木)

 

4.発表業績

  1. 日本建築学会計画系論文集
    ①阮朝フエ王宮における隆徳殿の寸法計画について(№643 2009.9)
    ②阮朝フエ王宮における隆徳殿の建築技法について(№649 2010.3)

  2. 日本建築学会学術講演梗概集(2009年度)
    ①隆徳殿の垂木について 阮朝・太廟・隆徳殿の修復計画(その18)
    ②隆徳殿の部材番付について(その他の部材) 阮朝・太廟・隆徳殿の修復計画(その19)
    ③隆徳殿裳階部ケオの彫刻絵様構成について 阮朝・太廟・隆徳殿の修復計画(その20)

  3. 日本デザイン学会(2009年度)
    ヴェトナムのグエン朝王宮における家具配置 肇祖廟と皇帝陵廟及び世廟の家具配置比較

  4. フエ遺跡保存センタ-研究紀要 
    人工木材による隆徳殿の修復について

  5. International Symposium on the Study of Hue Monument Conservation and Reconstruction Project  of Can Chanh Dien Main Palace(2009.8)


隆徳殿の原寸図
隆徳殿の軸部組立1

隆徳殿の柱修理
隆徳殿の糸巻き形平面

隆徳殿のケオ修理
隆徳殿の軸部組立2

隆徳殿の貫修理
隆徳殿の母屋取付1

隆徳殿の原寸図
隆徳殿の軸部組立3

隆徳殿の柱修理
隆徳殿の母屋取付2

隆徳殿のケオ修理
隆徳殿の軸部組立4

隆徳殿の貫修理
隆徳殿の垂木取付

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ものつくり大学 ヴィエトナム・フエ王宮隆徳殿 修復プロジェクト

本プロジェクトは、現在、早稲田大学ユネスコ世界遺産研究所(所長中川武教授)が推進しているフエ王宮勤政殿復原プロジェクトと連携して、また現地のフエ遺跡保存センターと協力して行うものである。

昭敬殿
昭敬殿の現状基壇

■2010年度研究メンバー

研究代表者 白井裕泰(ものつくり大学教授)
研究連携者 赤松 明(ものつくり大学教授)
  小野 泰(ものつくり大学准教授)
  佐々木昌孝(ものつくり大学講師)
  林 英昭(ものつくり大学講師)
  藤田香織(東京大学大学院准教授)
研究協力者 高橋定信(大工棟梁)
研究補助者 奥山智也(ものつくり大学学生)
  大西裕也(ものつくり大学学生)
  栗子岳大(清水建設)
  齋藤嘉一(東京大学大学院生)
  朝光拓也(東京大学学生)
  高橋和弘(大工)
  高橋直弘(大工)

 

(文科省科研費補助 2010年-2014年)

■プロジェクトの目的

研究代表者である白井裕泰は、2005年度から2008年度まで、文部科学省科学研究補助金基盤研究(A)(海外学術調査)「阮朝・太廟・隆徳殿の修復計画-ヴィエトナムの文化遺産(建造物)の保存に関する技術移転の確立と国際協力」を実施した。その結果、2010年8月に隆徳殿の修復を完了することができた。

隆徳殿完成
隆徳殿 完成写真(2010年8月)

隆徳殿修復プロジェクトに引き続き、2010年度から2014年度まで、文部科学省科学研究費補助金基盤研究(A)(海外学術調査)「阮朝・太廟・昭敬殿復原計画-ヴィエトナムの文化遺産に関する国際協力」を実施することになった。

昭敬殿復原プロジェクトの目的は、隆徳殿の修復で得られた研究成果をさらに発展させる目的で行うものである。昭敬殿は、現在基壇のみが残されているが、基壇および礎石の大きさと位置を実測したところ、隆徳殿とほぼ一致していることが明らかになった。基壇上部の建造物は、隆徳殿と同一の規模および構造形式であると推定された。したがって隆徳殿の修復プロジェクトで得られた当初の設計寸法および技法を用いて昭敬殿を再生することは、今後の王宮建築の修復および復原に大いなる指針を提供することになるといえよう。

2010年度活動報告

1.調査の期間および組織

第1次調査
期間/2010年8月15日-27日
組織/主任調査員:白井裕泰
     調査員:林英昭、大西裕也、藤田香織、高橋定信、高橋和弘

第2次調査
期間/2011年2月26日-3月8日
組織/主任調査員:白井裕泰
     調査員:小野泰、奥山智也、大西裕也、高橋定信、高橋直弘

2.調査の内容

 第1次調査において、①工事監理事務所を西方向に7m移動した。②昭敬殿の素屋根および南側・西側部材格納小屋を建設した。
第2次調査において、①隆徳殿の実物大構造実験を行った。②隆徳殿の正面建具を建て込んだ。③素屋根の南側・西側部材格納小屋の屋根を連結した。

3.調査の成果

 調査の結果および考察を、『阮朝・太廟・昭敬殿の復原計画 ヴィエトナムの文化遺産に関する国際協力 -2010年度活動報告-』(2011年3月)としてまとめた。

4.発表業績

  1. 日本建築学会学術講演梗概集(2010年度9月)
    ①白井裕泰他1名「隆徳殿の当初材について-阮朝・太廟・隆徳殿の修復計画(その21)」
    ②栗子岳大他2名「隆徳殿の仕口について-阮朝・太廟・隆徳殿の修復計画(その22)」

昭敬殿の素屋根 隆徳殿の実物大構造実験
昭敬殿の素屋根 隆徳殿の実物大構造実験
隆徳殿の建具立て込み  
隆徳殿の建具立て込み  
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■2011年度研究メンバー

研究代表者 白井裕泰(ものつくり大学教授)
研究連携者 林 英昭(ものつくり大学講師)
研究協力者 高橋定信(大工棟梁)
研究補助者 奥山智也(ものつくり大学学生)
  大西裕也(ものつくり大学学生)
  高橋和弘(大工)
  高橋直弘(大工)

●2011年度活動報告

1.調査の期間および組織

第3次調査
期間/2011年8月15日-24日
組織/主任調査員:白井裕泰
     調査員:林英昭、奥山智也、大西裕也、高橋定信、高橋和弘

第4次調査
期間/2012年2月26日-3月26日
     主任調査員:白井裕泰
     調査員:林英昭、奥山智也、大西裕也、高橋定信、高橋直弘

2.調査の内容

 第3次調査において、①原寸場を昭敬殿基壇上に設置した。②昭敬殿の原寸を描いた。
 第4次調査において①原寸型板を作成した。②基壇の修復を行った。

3.調査の成果

 調査の結果および考察を、『阮朝・太廟・昭敬殿の復原計画 ヴィエトナムの文化遺産に関する国際協力 -2011年度活動報告-』(2012年3月)としてまとめた。

4.発表業績

 4.1 日本建築学会学術講演梗概集(2011年度8月)
  ①白井裕泰他2名「昭敬殿の復原計画について-阮朝・太廟・昭敬殿の復原計画(その1)」
  ②奥山智也他3名「昭敬殿の仮設工事について-阮朝・太廟・昭敬殿の復原計画(その2)」
 5.2 日本建築学会計画系論文集(2012年1月)
  ①白井裕泰他1名「阮朝フエ王宮における隆徳殿の当初材について」(Vol.77,No.671,pp149- 155)

昭敬殿の原寸場 昭敬殿の原寸完成
昭敬殿の原寸場 昭敬殿の原寸完成
昭敬殿の基壇修理  
昭敬殿の基壇修理  
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■2012年度研究メンバー

研究代表者 白井裕泰(ものつくり大学教授)
研究連携者 林 英昭(ものつくり大学講師)
研究協力者 高橋定信(大工棟梁)
研究補助者 奥山智也(ものつくり大学院生)
  大西裕也(ものつくり大学学生)
  大関卓史(ものつくり大学学生)

●2012年度活動報告

1.調査の期間および組織

第5次調査
期間/2012年8月16日-9月12日
組織/主任調査員:白井裕泰
     調査員:奥山智也、大西裕也、大関卓史

第6次調査
期間/2013年2月26日-3月24日
組織/主任調査員:白井裕泰
     調査員:奥山智也、榎本将紀

2.調査の内容

 第5次調査において①昭敬殿部材調達②太祖廟の実測調査を行った。
 第6次調査において①昭敬殿部材調達②世祖廟の実測調査を行った。

3.調査の成果

 調査の結果および考察を、『阮朝・太廟・昭敬殿の復原計画 ヴィエトナムの文化遺産に関する国際協力 -2012年度活動報告-』(2013年3月)としてまとめた。

4.発表業績

4.1 日本建築学会学術講演梗概集(2012年度 9月)
 ①白井裕泰他2名「昭敬殿の基壇発掘について -阮朝・太廟・昭敬殿の復原計画(その5)」
 ②奥山智也他3名「昭敬殿の原寸図について -阮朝・太廟・昭敬殿の復原計画(その6)」
 ③大西裕也他3名「穆思殿の現状基壇について -阮朝・太廟・昭敬殿の復原計画(その7)」

柱の加工 ケオの加工
柱の加工 ケオの加工
ケオの彫刻  
ケオの彫刻  
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■2013年度研究メンバー

研究代表者 白井裕泰(ものつくり大学教授)
研究連携者 林 英昭(ものつくり大学講師)
研究協力者 高橋定信(大工棟梁)
研究補助者 榎本将紀(ものつくり大学学生)
  佐々木雄也(ものつくり大学学生)

●2013年度活動報告

1.調査の期間および組織

第7次調査
期間/2013年8月16日-9月14日
主任調査員:白井裕泰
調査員:高橋定信、榎本将紀、佐々木雄也

第8次調査
期間/2014年2月24日-3月4日
組織/主任調査員:白井裕泰

2.調査の内容

 第7次調査において①昭敬殿軸部組立、②世祖廟の実測調査などをおこなった。
 第8次調査において①世祖廟の実測補充調査を行った。

3.調査の成果

 調査の結果および考察を、『阮朝・太廟・昭敬殿の復原計画 ヴィエトナムの文化遺産に関する国際協力 -2013年度活動報告-』(2014年3月)としてまとめた。

4.発表業績

4.1 日本建築学会学術講演梗概集(2013年9月)
 ①白井裕泰他2名「昭敬殿基壇の修理について-阮朝・太廟・昭敬殿の復原計画(その8)」
 ②奥山智也他3名「現状太祖廟の寸法計画について-阮朝・太廟・昭敬殿の復原計画(その9)」
 ③榎本将紀他3名「太祖廟の創建基壇について-阮朝・太廟・昭敬殿の復原計画(その10)」
4.2 日本建築学会計画系論文集(2014年2月)
 ①白井裕泰、中川武「阮朝フエ王宮における隆徳殿の番付について 隆徳殿の建築技法その2」№696、pp517-524

昭敬殿の軸部組立 昭敬殿の上棟式
昭敬殿の軸部組立 昭敬殿の上棟式
昭敬殿の軸部完成 昭敬殿の軒反り
昭敬殿の軸部完成 昭敬殿の軒反り
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フエ建造物群位置図
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フエ王宮配置図
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隆徳殿(平面図/規矩図/立面図/断面図)
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