オフィスの木質インフィル空間

3月卒業式前に,2018年度卒業生の卒業設計のオフィスの木質インフィル空間が施工完了。卒業設計を単なる絵空事に終わらせず,できる限り実際の空間としてつくり上げることを目標にしてきたので,時間はかかりましたが大きな価値になりました。施主さん、学生メンバーの底力のおかげです。
比較的,間口の狭い空間に対してスギの木質フレームを連続させ,空間に奥行きや広がりを与えました。

賃貸のため既存の仕上げを傷つけることなく組立・解体が容易な接合部としており仮設的でありながら常設させることが,一つのコンセプト。
各座席の後方を広くしたのは,デザイン事務所のため所長がスタッフの画面を見やすくコミュニケーションを取り行き来しやすいこと,早朝一人でゴルフの打放し練習スペースの確保でもあるのです。

出入り口手前には連子格子によるパーテーションをおき,視界を閉じたり開いたり,菱形の断面形状の格子が動いて調整してくれます。

スギの柱と梁の接合部を金具で締めると,両側の壁面に対してテンション(突っ張り)となり強固にフレームが自立。フレームは狭小空間に奥行きを増すことに加えて構造の特徴でもあります。(施工の様子は下記動画)

竣工約2週間後には木質化されたデザイン事務所で,使われ方を観察調査しました。
フレームは緩やかに仕切り,コミュニケーションも保って仕事もはかどる様子。物理的なテンション構造ですが,気持ちのテンションも高まったのかもしれませんね。