執筆コラム 3分間でわかるドラッカー [153]
−「経営学の巨人」の名言・至言(週刊ダイヤモンド)

成果を上げる人は最も重要なことから始めしかも一つに集中する
『プロフェッショナルの条件』より



 「成果をあげる秘訣を一つだけあげるならば、それは集中である。成果をあげる人は最も重要なことから始め、しかも一度に一つのことしかしない」(『プロフェッショナルの条件』)
 行なうべき貢献を分析すれば、当惑するほど多くの重要な仕事が出てくる。時間を分析すれば、真の貢献をもたらす仕事に割ける時間は、あまりに少ないことがわかる。いかに時間を管理しようとも、時間の半分以上は依然として自分の時間ではない。
 時間の収支は常に赤字である。真に生産的な半日あるいは二週間を手に入れるには、厳しい自己管理とノーというだけの不動の決意を必要とする。
 人には驚くほど多様な能力がある。人はよろず屋である。だがその多様性を生産的に使うには、それらの多様な能力を一つの仕事に集中することが不可欠である。あらゆる能力を一つの成果に向けるには集中するしかない。
 時間と、労力と、資源を集中するほど、実際にやれる仕事の数と種類が多くなる。これこそ、困難な仕事をいくつも行う人の秘訣である。ドラッカーは、成果を上げられない人のほうが長く働いていると言う。
 「成果をあげる人は、多くのことをなさなければならないこと、しかも成果をあげなければならないことを知っている。したがって自らの時間とエネルギー、組織の時間とエネルギーを一つのことに集中する。最も重要なことを最初に行うべく集中する」(『プロフェッショナルの条件』)




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