執筆コラム 3分間でわかるドラッカー [193]
−「経営学の巨人」の名言・至言(週刊ダイヤモンド)

知識を身につけ
何百年かに一度の
転換期を生き抜け
『P.F.ドラッカー経営論』より



「何百年かに一度、際立った転換が行われる。社会は歴史の境界を越える。次の新しい時代のために身繕いをする」
(『P.F.ドラッカー経営論』)

こうして社会は、世界観を変え、価値観を変え、政治と社会と経済の構造を変える。そして五〇年後あるいは六〇年後には、新しい社会へと生まれ変わる。
一九六〇年代の半ば、ドラッカーは、政治、経済などあらゆるものがいっせいに変わり始めたことを察知し、「数百年に一度の転換期が始まった」と確信した。
そしてこの転換期を、地底の奥深くのプレートが動き、群発地震が起きるさまにたとえて、「断絶」と名づけ紹介した。
ドラッカーによると、今度の転換期が六五年頃に始まり、二〇一五年あるいは二五年頃まで続くという。

 今日その転換期が残り二〇年を切り、いよいよクライマックスを迎えている。
その後に訪れるものは何か。
 知識社会である。
したがって、何百年かに一度の転換に遭遇した者がなすべきことは、知識を身につけることである。なぜならこの転換そのものが、知識によって起こされているものだからである。
 転換後の社会は、知識のある者のみが生き残り、縦横に活躍する社会となる。ドラッカーは、それを今から教えてくれている。
「新しい社会では、個人にとっても、経済全体にとっても、知識が中心的な資源となる」(『P.F.ドラッカー経営論』)





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