執筆コラム 3分間でわかるドラッカー [227]
−「経営学の巨人」の名言・至言(週刊ダイヤモンド)

最先端のNPOにおける”働き方”の変化は
企業にとって教訓になる
『チェンジ・リーダーの条件』より



「かつてNPOは、ボランティアは無給だから指示できないと言っていた。ところが今日では、ますます多くのNPOが、ボランティアは無給だからこそ、大きな貢献をしてもらい、仕事に満足してもらわなければならないとしている」
(『チェンジ・リーダーの条件』)

 ドラッカーは、今日のボランティアは、善意のアマチュアというよりも、
無給のスタッフと見るべきだという。しかもこの変化が、NPOだけでなく、
企業にとって大きな意味を持つという。
 ボランティア活動のすべてを支えるものが責任である。
彼ら無給のスタッフとしての知識労働者は、自分たちの成果が
目標に照らして評価されることを求める。
しかも彼らは、成果を上げていない者は、能力に見合った別の任務に移すことを求める。

 この変化が、企業にとって明快な教訓となる。なぜならば、知識労働者の
生産性の向上が、企業のマネジメントにとって今日最大の課題だからである。
NPOがそれをどのように行なうかを教える。

 今日、最先端のNPOは、彼ら,無給のスタッフに対し,使命を明らかにして
目標管理によるマネジメントを行う。
継続学習を奨励し、要求水準を高くする。
責任を見合うものにし,自らの仕事ぶりと成果に責任を持たせる。

 かつてはNPOが企業に学んだ。
今度は企業がNPOから学ぶ。
「今日NPOに見られる善意のボランティアから無給のスタッフへの変化こそ、
アメリカ社会におけるもっとも重要な変化である」
(『チェンジ・リーダーの条件』)




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