ル・コルビュジエは、20世紀の建築に大きな影響を与えたフランス人建築家です。ものつくり大学ではこれまでに、ル・コルビュジエが設計した海辺の別荘「カップ・マルタンの休暇小屋」と、それに付随する、これは彼の設計ではありませんが、「アトリエ」を原寸で再現しました。これを受けて私の卒業研究では休暇小屋からは離れていますが、地中海のパノラマを一望できるお墓を原寸で再現しようと考えました。これも彼自身の設計によるもので、シンプルだけど独創的で、完璧なバランスの美しいお墓です。
まず、ル・コルビュジエ財団の、フランス語で書かれた設計図を翻訳し、プラスチックダンボールを使って5分の1の模型を制作。全体像をつかむと、キャンパス内の休暇小屋近くに場所を確保し、コンクリート型枠を組みました。細部までとても細やかに計算されているので、造りながらずっとワクワクしっぱなし。コンクリートの打設を終えたときには、じわじわ~とうれしさがこみ上げてきました。
完成したのは、卒業を間近に控えた1月下旬。大講義室で、すべての先生方および保護者や関係企業の方々を前に完成を発表させていただきました。作品はもちろん、制作過程も発表会も、一生忘れることのできない大きな宝ものになります。