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自らの陳腐化が競争相手による陳腐化を防ぐ |
『未来企業』より |
「研究開発の拒否の鍵は、研究開発にかかわる一〇の原理を知ることにある」(『未来企業』) 第一に、製品、サービス、プロセスはすべて、損益分岐点に達した日から陳腐化を始めるものと覚悟する。 第二に、自らの製品、サービス、プロセスを陳腐化させることが競争相手による陳腐化を防ぐ唯一の手立てであると知る。 第三に、研究開発を純粋と応用に分けるという一九世紀の区分は忘れる。 第四に、物理、化学、生物、数学、経済学はそれ自体が研究対象とすべき体系ではないことを知る。いずれも手段である。 第五に、研究開発は三つの活動からなることを知る。カイゼン、展開、イノベーションである。 第六に、狙いを高くする。 第七に、長期と短期の成果が必要であることを知る。短期の成果だけでは満足できない。だが短期の成果こそ、あとに続く長期のプロセスの第一歩でもある。 第八に、研究開発は独立した作業ではあるが、独立した機能ではないことを知る。 第九に、既存の製品、サービス、プロセスのみならず、研究プロジェクトそのものまで体系的に廃棄していく。 第一〇に、研究開発もまた、他のあらゆる活動と同じように量的に評価する。 「研究開発の成否の鍵は、知識でもなければ知力でもない。激しく働くことでもない。いわんや幸運でもない。一〇の原理を知ることにある」(『未来企業』) |
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