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仕事の能力が仕事の質だけでなく人間を変える |
『プロフェッショナルの条件』より |
「そもそも仕事の能力がなくては、優れた仕事はありえず、自信もありえず、人としての成長もありえない」(『プロフェッショナルの条件』) ドラッカーは言う。「あなたは、何によって憶えられたいか」。 これは以前、かかりつけの腕のいい歯科医に聞いたことだという。歯科医の答えは「解剖医がこの人は一流の歯医者にかかっていたと言ってくれることだ」だった。これが、プロフェッショナルの条件というものであろう。 組織で働く者の場合、自らの成長は、組織の使命とも深いかかわりがある。仕事に意義ありとする信念や献身とかかわりがある。 自らの成長に責任を持つ者は、自分である。上司ではない。したがって、組織と自らを成長させるためには、何に集中すべきかを自ら問わなければならない。 ドラッカーはこうも言う。ペーパーワークと医師の要求に追われている病棟の看護婦は、大勢の患者を見ながらも、自らこう問わなければならない。 「彼らが私の仕事だ。他のことは邪魔でしかない。この本来の仕事に集中するにはどうしたらよいか。仕事のやり方に問題があるかもしれない。もっとよい看護ができるよう、みんなで仕事のやり方を変えられないか」と。 「自らの成長のためにもっとも優先すべきは、卓越性の追求である。そこから充実と自信が生まれる。能力は仕事の質を変えるだけでなく、人間そのものを変えるがゆえに、重大な意味を持つ」(『プロフェッショナルの条件』) |
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