執筆コラム 3分間でわかるドラッカー [135]
−「経営学の巨人」の名言・至言(週刊ダイヤモンド)

あえて変化の先頭に立ちその生み手となる
『ドラッカー 365の金言』より



 「変化はコントロールできない。できるのは変化の先頭に立つことだけである」(『ドラッカー 365の金言』)
 今日のような乱気流の時代、二〇〇年に一度という大転換期においては、変化が常態だとドラッカーは言う。変化はリスクに満ち、楽ではない。
 しかし、この変化の時代を乗り越える唯一の方法が、あえて変化の先頭に立ち、変化の生み手になることだという。
 恐怖は、後方の席に深々と腰を落ち着かせたとき、高まる。変化は、最前列で腰を浮かせハンドルを握るとき、初めてコントロールできる。
 いわんや今日の乱気流化の悪路にレールはない。自らハンドルを握ることなく、転覆を避けることはできない。急激な構造変化の時代を生き残るのは、チェンジ・リーダーとなる者だけである。
 そして、そのチェンジ・リーダーとなるための方法が、変化を脅威でなく、チャンスとしてとらえることだという。進んで変化を探し、本物の変化を見分け、それら本物の変化を利用することである。
 おそらくはこれこそが、ポストモダンにおける生き方、考え方、事業の仕方の王道、常識となるべきものである。
 この方法が成功を保証してくれるわけではない。しかし、この方法なくして成功することはない。
 「みずから未来をつくることにはリスクがともなう。しかし、みずから未来をつくろうとしないことのほうがリスクは大きい」(『ドラッカー 365の金言』)




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