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意思決定には勇気が必要 だが、確信がないままで実行を急いではならない |
『経営者の条件』より |
「いよいよ意思決定の準備は整った。満たすべき条件は検討し、選択肢はすべて俎上に載せ、得るべきものとのリスクは天秤にかけた。しかし、まさに決定の多くが行方不明になるのが、このときである」 (ドラッカー名著集@『経営者の条件』) ドラッカーは、「そのとき、行なうべき意思決定がけっして愉快なものではなく、容易なものでもないことが急に明らかになる」という。とうとうここで、決定には判断と同じくらい勇気が必要であることが明らかになる。 薬は苦くなければならないという必然性ははに。しかし、一般的に良薬は苦いものである。 ドラッカーは、ここで絶対にしてはならないことがあるという。すなわち、もう一度調べようという誘惑に負けてはならない。それは、臆病者の手である。ドラッカーは、臆病者は勇者が一度死ぬところを1000回死ぬという。 とはいえ、意思決定の意味について、完全に理解しているという確信なしに実行を急いではならない、ともいう。 10回のうち9回は、不安に感じていたことが杞憂だったことが明らかになる。しかし、10回に1回は、重要な事実を見落としていたり、初歩的な間違いを犯したり、まったく違った判断をしたりしていたことに気づく。 「10回に1回は突然夜中に目が覚め、シャーロック・ホームズのように、重要なことはバスカヴィル家の犬がほえなかったことだと気づく」 (『経営者の条件』) |
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