九十九里の家

敷地:千葉県山武郡九十九里町
用途:専用住宅
構造:木造、1階建
敷地面積:261.93㎡
建築面積:65.93㎡
延床面積:64.74㎡

構造設計:force dimension
施工:秋葉建設

社)愛知建築士会 名古屋北支部設立20周年記念建築コンクール 入賞

 

九十九里平野に建つ住宅の計画。
住宅や林が点在するなだらかな平地の、のどかな里に建つ、仕事をリタイアした後の人生を趣味をもちながら過ごす個人のための住宅。簡素でローコストな家を望まれたため、最小限の操作、材料で最大限の効果をあげることを考えました。敷地境界の塀から中心の個室の間仕切りまで、連続する壁が徐々に高さを変えていきながら、らせんを描いていき、畑や駐車場、作業場や居室、寝室を連続的に仕切っていく。その各スペースを移動する動線の長さの体験、何重にも囲われた壁が奥行きとプライバシーの序列を生みだしています。また、外壁の吹付け材やモルタルに埋込んだライムストーンなど、壁や床などの仕上げ材は室内外を横断するように使い分けられ、半屋外的な室内、屋内的にも使える屋外をつくり出すなど、より自由で多様な使い方と印象を与えています。
延べ床20坪程度の小さな住宅でありながら、どこまでもつづくような広がりと奥行き、幾重にも囲われることによる安心感とゆるやかな環境の変化を感じられるような住宅をめざしています。

photo: Toshiyuki Yano

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