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コントロールできない市場と情報チャンネル |
『創造する経営者』より |
「事業が製品に対して支払いを受けることは、あまりに明らかであって忘れられることはない。しかし、製品には市場がなければならないことは、明らかでありながら、しばしば忘れられる。製品を市場に届けるには、流通チャンネルがなければならないことも忘れられる」(『創造する経営者』) 製品は市場にあって、流通チャンネルを通じて、最終用途のために購入されて製品となる。しかし市場と流通チャンネルのほうは、製品から独立して存在する。 市場と流通チャンネルは、コントロールできない。製品の変更は命令できても、市場と流通チャンネルの変更は命令できない。 ドラッカーは流通チャンネルの重要性を訴える。特有の事情があるともいう。流通チャンネル自身が、流通の経路であると同時に顧客であるからだ。 流通チャンネルは、製品に適合すると同時に、市場、顧客、最終用途に適合しなければならない。そしてなおかつ流通チャンネルのほうが、製品と適合していなければならない。流通チャンネルが製品と市場に合っていなければ、製品は市場に到達しないし、到達しても消費されないからだ。 しかも現代の経済においては、流通チャンネルは技術よりも速く変化する。さらに顧客のニーズや価値観よりも速く変化するという。 「流通チャンネルについての決定のうち、五年たっても陳腐化せず、新しい考え方や根本的な変化が必要にならないものはない」(『創造する経営者』) |
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