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ポストの空席を自動的に埋めてはならない |
『実践する経営者』より |
「未来の組織は、現実のものになりつつある。それは、情報が地軸となり構造体となる組織、つまり情報型組織である」(『実践する経営者』) 情報型組織は平らである。マネジメントの階層が従来の組織に比べ圧倒的に少ない。ドラッカーによれば、ある大手の多国籍メーカーは、一二の階層のうち七つを廃止したという。 それらの階層は、権限の階層でも、意思決定の階層でも、管理の階層でもなかった。情報の中継器にすぎなかった。情報を集結し、増幅し、組み替え、発信するだけのものだった。 マネジメントの階層が増えるごとに、組織は硬直性を増していく。階層の一つひとつが意思決定を遅らせる。情報量は情報の中継点、つまり階層の数が一つ増えるごとに半減し、雑音は倍になる。 今こそミドルの減量を開始するときである。一つの方法は不補充である。あるポストが定年退職、死亡、辞職によって空席になっても、自動的に埋めてはならない。検討すらしてはならない。六ヵ月から八ヵ月、空席にして静観すべきである。補充への強い要求がなければそのままポストを廃止するべきだという。 若手のミドル、あるいはその下のもっと若い人たちに達成感と満足感を与えるには、仕事を大きくし、挑戦的かつ厳しいものとし、裁量を持たせればよい。 「ミドルの増加の多く、おそらくそのほとんどは、まったくの水ぶくれである」(『実践する経営者』) |
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