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複数の解決案を作成することを不変の原則にする |
『現代の経営』より |
「あらゆる問題について、複数の解決案を作成することを不変の原則としなければならない。さもなければ間違った二者択一の罠にはまる」(『現代の経営』) 赤か緑しかないと言えば、誰もがおかしく思う。しかし、あまりに多くの人が毎日のように、これとさして変わらない考えのもとに行動しているとドラッカーは言う。 そこには、あらゆるものは赤か緑であるという考えと、あらゆるものは赤か非赤であるという考えとの混同がある。 われわれは白か黒かというとき、両極端について言っただけにもかかわらず、あらゆる色について言ったつもりになる。もちろんあらゆるものが、白か黒であるわけではない。 現状のままでいくか、改善案を採用するかだけでは、複数の解決案を用意したことにはならない。 複数の解決案を考えることが、当然視されている前提に光を当て、調べ直すことを余儀なくさせる。 複数の解決案を作成するだけで賢明になり、正しい決定を行えるようになるわけではない。だがそれは、もし問題を徹底的に検討していたなら気づいたであろう誤りを防ぐ。 しかもそれは、想像力を動員し、創造力を刺激する唯一の方法である。これが科学的方法なるものの真髄である。 「いかに馴れ親しんだ現象についても、つねに別の説明を考えようとすることが、一流の科学者の証明である」(『現代の経営』) |
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