執筆コラム 3分間でわかるドラッカー [232]
−「経営学の巨人」の名言・至言(週刊ダイヤモンド)

これからの20年、30年
仕事を心躍るものにするには目線を上げて自らを駆り立てよ
『非営利組織の経営』より



「自ら刺激を与えるには、仕事を変えることが必要である。この必要性は、人がますます長生きをするようになり、ますます長く活動できるようになるにつれて大きくなる。仕事を変えるといっても、かけ離れたところに移る必要はない」
(ドラッカー名著集C『非営利組織の経営』)

 ドラッカーは、「非日常化した毎日が心地よくなったときこそ、違ったことを行なうよう、自らを駆り立てよ」という。しかし、たいていの人が、余裕で仕事をこなせるようになったことをよしとし、自己満足に陥る。その結果、ある日突然、燃え尽きる。

 しかも、気づかないちに、燃え尽きてしまう。たいていの場合、この「燃え尽きる」とは、仕事に飽きただけのことである。たいしたことでもないもののために、毎朝出勤しなければならないことほど、疲れを覚えることはない。

 喜びは、仕事とその成果の中になければならない。ドラッカーは、「石臼に向かいながらも、丘の上を見なければならない」という。目線を上げる必要がある。

 活躍すべき年月は、じつはまだ20年残っている。いや、30年かもしれない。問題は、その20年、30年をどうしたいかである。それを決めるのは、自分自身である。

 「自らの得るべきところを知るのは、自らである。自らに高い要求を課すのも、自らである。飽きることを自らに許されないよう予防策を講ずるのも、自らである。仕事を心躍るのもにするのも、自らである。」
(『非営利組織の経営』)




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