執筆コラム 3分間でわかるドラッカー [239]
−「経営学の巨人」の名言・至言(週刊ダイヤモンド)

市場はあくまで非常である
トップマネジメントは
社外で働くことを学べ
『未来企業』より



「一切のものが変化のさなかにあるとき、部屋で報告を待っていては手遅れになる」
(『未来企業』)より

 市場にとっては、いかなる製品、いかなる企業とはいえども、さして重要な存在ではない。最も価値があり、最も望まれている製品でさえ、多様な製品、サービス、満足の一つにすぎない。

 ドラッカーは、市場はいかなる企業も、いかなる産業も気にかけないという。市場は非常であり、最も忠実な者すら解雇手当なしにクビを切る。

 企業の倒産は、社員、取引先、銀行、労働組合、地域、国にとって大事件である。だが、市場には小波さえたたない。

 誰でも自らが行なうことを作るものは重要である。当然、企業の人間も、自らの企業とその製品をあらゆるものの中心に置いて考える。だが、顧客は、通常それらのものを見てもいない。

 トップマネジメントが行なうべきことは、休暇を取ったセールスマンに代わって外にでることである。ドラッカーは、いかに多くを学べるかには驚くべきものがあるという。

 いかなる事業にあろうとも、トップマネジメントたる者は、多くの時間を社外で過ごさなければならない。それが、組織が生き残る唯一の道である。

 「最初になすべきは、事業の結果が出る外に出かけることを学ぶことである。外の世界を知るための唯一の方法は、そこで働くことであって、たんに訪れることではない。バルセロナの子会社を訪ねるほどの無駄はない」

(『未来企業』)




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