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組織で成果を上げる能力は |
『経営者の条件』より |
「私は、成果をあげる人のタイプなどというものは存在しないことに
かなり前に気づいた。私が知っている成果をあげる人は、気質と能力、
行動と方法、性格と知識と関心など、あらゆることにおいて千差万別だった。
共通点は、なすべきことをなす能力だけだった。」
(ドラッカー名著集@『経営者の条件』) ドラッカーは、成果を上げる能力は、生まれつきのものか、後天的に習得するものかと問い、 ”習得するもの”だと断言する。 かつて社会のパワーセンターは、国王をはじめとする少数の支配者だった。 今日では、組織とともに働く一人ひとりの人間である。 全員が成果を上げる能力を習得し、 トップのように働かなければ、組織の成功、社会の繁栄はない。 そこで、ドラッカーは、プラトンからマキャベリに至る賢人たちが 時の支配者とその後継者たる王子たちに教えたように、 現代社会の担い手たるわれわれ普通の者に教える。 こうして、万人のための帝王学として、 今日でも版を重ねている名著が本書である。 わずか二〇〇ページ少々の本である。 ドラッカーが習得できるし習得せよとする能力、 つまりなすべきことをなす能力は、五つある。 第一が、時間を管理すること、つまり、何に時間をとられているかを知り、 残されたわずかな時間を体系的に使うことである。 第二が世の中への貢献に焦点を合わせることである。 すなわち、成果に精力を向けることである。 第三が自らの強みに基準を据えることである。 上司、同僚、部下についても、強みを中心に据えることである。 第四が、力を集中することである。優先順位を決め、 それを守ることである。 そして、第五が、成果をもたらすよう意思決定を行うことである。 ドラッカーは、組織は人だという。 いかに資金を持ち、設備を擁していようとも、 人を得なければなにもできない。 「組織としての活躍ぶりはいまだ未熟である。 膨大な資源が企業、政府機関、病院、大学に集められている。 だが成果はあまりに散漫である。あまりに多くの資源が昨日の ために費やされ、意思決定と行動を避けるために費やされている」 (『経営者の条件』」) |
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