執筆コラム 3分間でわかるドラッカー [97]
−「経営学の巨人」の名言・至言(週刊ダイヤモンド)

自ら貢献し部下を助けるのが経営管理者の責任
『現代の経営』より



 「経営管理者の仕事は、組織の目標によって規定される。しかも実態がなければならない。組織の成功に対し、目に見える貢献を行わなければならない。」(『現代の経営』)
 経営管理者の仕事は、極力大きなものにしなければならないとドラッカーは言う。明示的に制約されない限り、あらゆることについて権限を持つものとしなければならない。
 彼らの仕事は上司ではなく、仕事の目標によって方向づけされる。それは組織が遂行すべき課題のゆえに存在する。ほかに理由はない。事業全体の成果を指し示し、ここのところは私が貢献したと言えなければならない。情報の中継点にとどまってはならない。
 これに加えて、基本的な活動が五つある。すなわち、目標を設定することである。組織することである。動機づけを行い、コミュニケーションを行うことである。評価測定することである。部下を育成することである。
 つまるところ、あらゆる経営管理者が、三種類の責任を持つ。第一に、直接の上司が率いる部門全体の目標に対する責任である。第二に、組織全体に対する責任である。第三に、部下に対する責任である。この下への関係を一言で表すならば、補助が最も近い。
  「部下の仕事は客観的な必要性による。仕事ぶりや成果は部下のものである。責任も部下のものである。そして彼らを助けることが、上司たるものの責任である。」(『現代の経営』)




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