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個の強みが全体の強みの源泉になる組織 |
『現代の経営』より |
「働くものは仕事を通じて位置づけと役割を求める。現代社会の基盤としての約束すなわち機会の平等という正義の実現を求める。さらには仕事の意義と真摯さを求める」(『現代の経営』) 経済的な報酬は、産業社会においては動機づけの主たる要因ではない。最高の報酬さえ、責任や仕事の適切な組織化に代わることはできない。逆に、いかに優れた非経済的な動機づけといえども、経済的な報酬についての不満を癒すことはできない。 われわれは、熟練度を必要としない反復的な仕事や、機械のペースに従う仕事など、最も低いレベルの仕事においてさえ、働く人たちの姿勢、態度、能力、技能が成果を左右することを知っている。 ドラッカーは、人は精神的心理的に働くことが必要だから働くだけではないという。人はなにか、しかもかなり多くの何かを成し遂げたがる。自らの得意なことにおいて、なにかを成し遂げたがる。能力が進んで働く意欲の基礎となる。 人の仕事ぶりや成果は、単に働きたいという意欲ではなく、よりよい仕事をしたいという意欲に左右される。 「一人ひとりの人間は個でありつづける。ということは、個人の強み、主体性、責任、卓越性が、集団全体の強みと仕事ぶりの源泉になるよう、仕事を組織する必要があることを意味する。これが、組織にかかわる第一の原則である。事実上、これが組織の目的である」(『現代の経営』) |
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