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最高の力を発揮してもらい、最大の貢献をしてもらうための手立てを講じているか |
『P.F.ドラッカー−理想企業を求めて』より |
「組織の優劣は、平凡な人間をして非凡なことをなさしめるか否かにある」 (エリザベス・H・イーダスハイム著『P.F.ドラッカー−理想企業を求めて』) ドラッカー本人の求めによって、最晩年の一年半を独占インタビューし、 世界各地にいる彼の教え子たちに取材したエリザベス・H・イーダスハイム 博士は、ドラッカーとそのクライアントたちが求めたものは、つまるところ、 人が主役の理想企業だったという。 彼女が、ドラッカーの教え子の一人だったアルミ最大手アルコアの元CEO、 ポール・オニールに見せてもらった黄色に変色した紙には、三つの問いが 書いてあった。それは五〇年近く前に、オニールがドラッカーから教わって 書き写したものだった。 企業がどれほどのものかは、それら三つの問いに社員のどれだけが、 なんのためらいもなく、即座にイエスと答えられるかによって知ることが できるというのだった。 「あなたは敬意をもって遇されているか」「あなたは貢献するうえで必要な 教育訓練と支援を受けているか」「あなたが貢献していることを会社は 知っているか」 ドラッカーは、企業とは人であるとくどいほど説き続けた。ビジネスモデル にしても、組織構造にしても、人のエネルギーがあってこそのものである。 だが、そのためには最高の力を発揮してもらい、最大の貢献をしてもらう ための手立てを講じなければならない。 「組織の目的は、均衡と調和ではなく、人のエネルギーの解放と動員 にある」(『P.F.ドラッカー』) |
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