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ほとんどの企業は 本当に重要な数字について知ろうとしてはいない |
『明日を支配するもの』より |
「人口構造の変化と同じように重要でありながら、経営戦略上ほとんど 関心を払われていないものとして、支出配分が重要な意味をもつ」 (『明日を支配するもの』) かつては、生活水準の高さを示す数字として、エンゲル係数なるものが 使われた。消費支出に占める飲食費の割合のことだった。 ドラッカーは、経営環境の変化を知るには、 このエンゲル係数に相当するものを見つけよと言う。 多くの企業が売上への増減を気にする。あるいは市場シェアに気をつかう。 こうして、あらゆる企業の自らの成長の度合いを数字で把握しようとする。 それなのに、ほとんどの企業が、本当に重要な数字については 知らない。すなわち、顧客の全支出のうちで、自社が提供するカテゴリー の製品とサービスに向けられているぶんの割合である。 ドラッカーは、支出配分の変化こそ、企業にとってあらゆる情報の 基本だという。しかも、必要な情報のなかでは、むしろ手に入れやすい ものである。支出配分は、一度落ち着けば、そのまま続く。それはトレンド である。 たとえば、携帯電話に取られてしまったぶんを、出版業その他既存の 産業が取り返すのは容易なことではない。ところが、この変化を重視する 企業やエコノミストがいない。そもそも、そのような問題があることを 知らない。 「支出配分の変化こそ、企業にとってあらゆる情報の基本である」 (『明日を支配するもの』) |
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