執筆コラム 3分間でわかるドラッカー [244]
−「経営学の巨人」の名言・至言(週刊ダイヤモンド)

リーダーシップとは
組織の使命を考え抜き
それを明確に確立すること
『プロフェッショナルの条件』より



「真のリーダーは、妥協を受け入れる前に、何が正しく、望ましいかを考え抜く。リーダーの仕事は、明確な音を出すトランペットになることである」
(『プロフェッショナルの条件』)

 ドラッカーは、リーダーシップとは、人を引きつける個性のことではないという。そのようなものは煽動的資質にすぎない。

 また、仲間をつくり、人に影響を与えることでもないという。そのようなものは、セールスマンシップにすぎない。

 カリスマ性でも資質でもないとすると、リーダーシップとは何か。ドラッカーは、リーダーたることの第一の要件は、リーダーシップを仕事と見ることだという。

 信頼がない限り、従う者はいない。そもそも、リーダーに関する唯一の定義が、つき従う者がいることである。

 信頼するということは、必ずしも好きになることではない。常に同意できるということでもない。リーダーの言うことが真意である。と確信を持てるということである。それは、真摯さというまことに古くさいものに対する確信である。

 リーダーが公言する信念とその行動は、一致しなければならない。リーダーシップは、賢さに支えられるものではない。一貫性に支えられるものである。

「リーダーシップとは、組織の使命を考え抜き、それを目に見える形で明確に確立することである。リーダーとは、目標を定め、優先順位を決め、基準を定め、それを維持する者である」
(『プロフェッショナルの条件』)




↑ コラムリストへ戻る ← 前へ | 次へ →