西アフリカのシエラレオネ[1]で難民キャンプの設営をUNHCR(国連高等弁務官事務所)と共同で2001年に行った。難民キャンプの計画は、用地探しから始まる。現地政府が用意する候補地に対し、技術的な見地からキャンプ地に適するかを判断する。緊急性が高く、計画から3カ月後には3000人規模の村落が出来上がるケースもある。キャンプは隣国の戦況により1年未満の場合もあれば10年を超え長期化する場合もある。そのためキャンプ内には学校、保健所等の施設も必要である。またキャンプでは、一人当たり15リッター/日[2]が必要であり、水の確保は最優先される。井戸、トイレの配置等の衛生条件を熟慮し、また森林伐採等の環境問題を考慮しなければならない。難民キャンプという一時避難所という仮の場と一般的に捉えられるが、状況によっては初期計画(ファスト)から長期化(スロー)を見据えた計画が必要である。

[1] シエラレオネ内戦は、ダイヤモンド鉱山の支配権をめぐって、反政府勢力と政府軍の交戦。大規模な内戦に発展し7万5000人以上の死者を出した。2002年に停戦。
[2] 人道支援の最低基準であるスフィアスタンダードより、1988年策定、http://www.sphereproject.org/handbook/

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