教養教育センターの始動 2022年1月7日の「知・技の創造」に「新しい教養教育の取組み」として、同年4月から始動する「ものつくり大学」の新しい教養教育の記事を掲載しました。今回は、教養教育センターが取り組んできた活動について紹介します。前回紹介したものづくり系科目群、ひとづくり系科目群、リベラルアーツ系科目群の教養教育科目は順調に展開しています。 教養教育センターWEBページ 教養教育センターからの発信 第1回教養教育センター特別講演会の様子 2022年11月24日に、第1回教養教育センター特別講演を本学で行いました。スペシャルゲストとして、東京工業大学リベラルアーツ研究教育院教授の柳瀬博一氏をお招きし、「テクノロジストのための教養教育」についてお話を頂き、その後に教養教育センター教員によるパネルディスカッションを行いました。教養教育に関する熱い思いを学生にぶつけ、教養教育のキーワードとして土居浩教授は「磨き続ける」、井坂康志教授は「無知を認める」、町田由徳准教授は「視野を広げる」、土井香乙里講師は「とことん学ぶ」を挙げていました。ちなみに私は「本物を知る」です。 2023年11月9日には、第2回教養教育センター特別講演を渋谷で行いました。会場は渋谷スクランブルスクエア15階の「SHIBUYA QWS」で、日立アカデミーとの共催、ドラッカー学会の協賛で行いました。特別講演は、日立製作所名誉フェロー、脳科学研究で著名な小泉英明氏に、「脳の基本構造を知り、学びたいという気持ち、意欲やパッションの根源を知る」についてお話を頂きました。鼎談「脳科学、言葉、ものづくり、使える教養はどう育つか」では、キャスター・ジャーナリストの山本ミッシェール氏をお招きし、パネルディスカッションでは本学教養教育センター教員も参加して活発な討論が行われました。 第2回教養教育センター特別講演会の様子 教養教育センターでは、ものつくり研究情報センターと協力して、「半径5mの経営学 ドラッカー流 強みの見方・育て方」、「上田惇生 記念講座 ドラッカー経営学の真髄」、「ものづくりのためのデザイン思考講座」の社会人育成講座を行いました。 大学ホームページからは、埼玉の歴史や文化をものつくり大学独自で研究している「埼玉学」を発信しています。是非、ホームページをご覧ください。埼玉学の記事一覧はこちら 2024年度からの始動 2024年度からは、前述の「SHIBUYA QWS」のコーポレートメンバーに入会する予定で、会員になると月に1回広い会場スペースを利用することができます。特別講演をはじめ、様々な行事を行えるようになりますので、新たな展開に期待してください。 授業では、「ICT基礎実習」、今年度新設した「データリテラシー・AI基礎」を軸に、文部科学省の「数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度」に申請し、情報の分野を強化します。また、来年度は留学生のための「日本語」を新設して、「留学生就職促進教育プログラム認定制度」に申請し、留学生の日本語教育と就職支援を行います。 おわりに 教養教育センターは、向上心を持って日々新しいことに挑戦しています。来年度は第3回教養教育センター特別講演をはじめ、様々な取り組みを発信します。これからの教養教育センターの活動にご期待ください。 埼玉新聞「知・技の創造」(2024年1月5日号)掲載 profile 澤本 武博(さわもと たけひろ)建設学科教授 東京理科大学卒業、同大学院博士後期課程修了、博士(工学)。若築建設株式会社、東京理科大学助手を経て、2005年着任、2019年より学長補佐、2022年より教養教育センター長。 関連リンク ・コンクリート研究室(澤本研究室)WEBサイト・建設学科WEBページ・教養教育センターWEBページ
高校生ロボコンと学生ロボコン 全国高等学校ロボット競技大会をご存じでしょうか? 主に工業高校の生徒が、毎年違うお題に対してロボットを開発する競技大会です。さまざまな対象を運んだり置いたりが課題となる「キャリアロボット」というジャンルの競技です。 11月末に福井県で全国大会が開催され、埼玉県大会で1位・2位に入賞した進修館高校が埼玉県の代表校に選出されました。 一方で、ものつくり大学「ろぼこんプロジェクト」は、NHK学生ロボコン2023に出場を果たし、出場回数は14回を誇ります。 NHK学生ロボコン大会会場にて NHK学生ロボコンは全国の大学・高専が対象のロボット競技大会で、優勝するとABUロボコン(アジア地域のロボコン大会)の出場権を得られます。全て英語のルール発表が10月初旬。これを深く理解し、ロボットを設計・開発・実装します。2月末、4月末の2回の厳正なビデオ審査を経て、出場チーム数は20チーム前後に絞られます。大会は6月初旬に開催されます。 従って大会に出場を果たすだけでもかなり大変で、メンバーの学生たちは、ほぼ1年中ロボットの開発にいそしんでいます。実はメンバーの中には前述の全国高等学校ロボット競技大会に出場経験のある学生もいます。 高大連携でロボコン無双 これらの背景から、本学と進修館高校で高大連携事業の一環として、去年12月よりロボコン講習会を始めました。本学学生が高校生に自分の経験や知識を教えます。内容は表のとおり、メカ設計・加工・制御回路と、ロボコンに必要な機械・電子・情報の内容を網羅してあります。7回目まで実施済みで、今年度末までに残りの講習を行います。今年12月からこの連携に児玉高校も仲間入りします。 埼玉県内の高校ロボコンチームの参加を募集中です。この活動を通じて、埼玉県から出場の高校生チームが全国高等学校ロボット競技大会で無双することを夢見ています。 回数内容1設計とは?(機構学とモノの捉え方)23DCADを用いた設計33Dプリンタを用いた実習4~7全国高等学校ロボット競技大会出場マシンのお悩み相談会8マイコンを用いた制御回路(センサ・アクチュエータ・LED)9マイコンを用いたシリアル通信10マイコンを用いた無線通信11板金工作の設計12板金工作と実装講習の内容 埼玉新聞「知・技の創造」(2023年12月8日号)掲載 Profile 三井 実(みつい みのる)情報メカトロニクス学科教授 北陸先端科学技術大学院大学博士後期課程修了。博士(情報科学)。専門はシステム開発、音響工学、電気電子工学。 関連リンク ・ヒューマンメディアラボ(三井研究室)WEBサイト・情報メカトロニクス学科WEBページ・ロボコンはスポ根だ!優勝目指してひた走れ!① ~リーダー&操作担当者編~・ロボコンはスポ根だ!優勝目指してひた走れ!② ~ピットクルー&大学院生編~
教養教育センターの始動 2022年1月7日の「知・技の創造」に「新しい教養教育の取組み」として、同年4月から始動する「ものつくり大学」の新しい教養教育の記事を掲載しました。今回は、教養教育センターが取り組んできた活動について紹介します。前回紹介したものづくり系科目群、ひとづくり系科目群、リベラルアーツ系科目群の教養教育科目は順調に展開しています。 教養教育センターWEBページ 教養教育センターからの発信 第1回教養教育センター特別講演会の様子 2022年11月24日に、第1回教養教育センター特別講演を本学で行いました。スペシャルゲストとして、東京工業大学リベラルアーツ研究教育院教授の柳瀬博一氏をお招きし、「テクノロジストのための教養教育」についてお話を頂き、その後に教養教育センター教員によるパネルディスカッションを行いました。教養教育に関する熱い思いを学生にぶつけ、教養教育のキーワードとして土居浩教授は「磨き続ける」、井坂康志教授は「無知を認める」、町田由徳准教授は「視野を広げる」、土井香乙里講師は「とことん学ぶ」を挙げていました。ちなみに私は「本物を知る」です。 2023年11月9日には、第2回教養教育センター特別講演を渋谷で行いました。会場は渋谷スクランブルスクエア15階の「SHIBUYA QWS」で、日立アカデミーとの共催、ドラッカー学会の協賛で行いました。特別講演は、日立製作所名誉フェロー、脳科学研究で著名な小泉英明氏に、「脳の基本構造を知り、学びたいという気持ち、意欲やパッションの根源を知る」についてお話を頂きました。鼎談「脳科学、言葉、ものづくり、使える教養はどう育つか」では、キャスター・ジャーナリストの山本ミッシェール氏をお招きし、パネルディスカッションでは本学教養教育センター教員も参加して活発な討論が行われました。 第2回教養教育センター特別講演会の様子 教養教育センターでは、ものつくり研究情報センターと協力して、「半径5mの経営学 ドラッカー流 強みの見方・育て方」、「上田惇生 記念講座 ドラッカー経営学の真髄」、「ものづくりのためのデザイン思考講座」の社会人育成講座を行いました。 大学ホームページからは、埼玉の歴史や文化をものつくり大学独自で研究している「埼玉学」を発信しています。是非、ホームページをご覧ください。埼玉学の記事一覧はこちら 2024年度からの始動 2024年度からは、前述の「SHIBUYA QWS」のコーポレートメンバーに入会する予定で、会員になると月に1回広い会場スペースを利用することができます。特別講演をはじめ、様々な行事を行えるようになりますので、新たな展開に期待してください。 授業では、「ICT基礎実習」、今年度新設した「データリテラシー・AI基礎」を軸に、文部科学省の「数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度」に申請し、情報の分野を強化します。また、来年度は留学生のための「日本語」を新設して、「留学生就職促進教育プログラム認定制度」に申請し、留学生の日本語教育と就職支援を行います。 おわりに 教養教育センターは、向上心を持って日々新しいことに挑戦しています。来年度は第3回教養教育センター特別講演をはじめ、様々な取り組みを発信します。これからの教養教育センターの活動にご期待ください。 埼玉新聞「知・技の創造」(2024年1月5日号)掲載 profile 澤本 武博(さわもと たけひろ)建設学科教授 東京理科大学卒業、同大学院博士後期課程修了、博士(工学)。若築建設株式会社、東京理科大学助手を経て、2005年着任、2019年より学長補佐、2022年より教養教育センター長。 関連リンク ・コンクリート研究室(澤本研究室)WEBサイト・建設学科WEBページ・教養教育センターWEBページ
高校生ロボコンと学生ロボコン 全国高等学校ロボット競技大会をご存じでしょうか? 主に工業高校の生徒が、毎年違うお題に対してロボットを開発する競技大会です。さまざまな対象を運んだり置いたりが課題となる「キャリアロボット」というジャンルの競技です。 11月末に福井県で全国大会が開催され、埼玉県大会で1位・2位に入賞した進修館高校が埼玉県の代表校に選出されました。 一方で、ものつくり大学「ろぼこんプロジェクト」は、NHK学生ロボコン2023に出場を果たし、出場回数は14回を誇ります。 NHK学生ロボコン大会会場にて NHK学生ロボコンは全国の大学・高専が対象のロボット競技大会で、優勝するとABUロボコン(アジア地域のロボコン大会)の出場権を得られます。全て英語のルール発表が10月初旬。これを深く理解し、ロボットを設計・開発・実装します。2月末、4月末の2回の厳正なビデオ審査を経て、出場チーム数は20チーム前後に絞られます。大会は6月初旬に開催されます。 従って大会に出場を果たすだけでもかなり大変で、メンバーの学生たちは、ほぼ1年中ロボットの開発にいそしんでいます。実はメンバーの中には前述の全国高等学校ロボット競技大会に出場経験のある学生もいます。 高大連携でロボコン無双 これらの背景から、本学と進修館高校で高大連携事業の一環として、去年12月よりロボコン講習会を始めました。本学学生が高校生に自分の経験や知識を教えます。内容は表のとおり、メカ設計・加工・制御回路と、ロボコンに必要な機械・電子・情報の内容を網羅してあります。7回目まで実施済みで、今年度末までに残りの講習を行います。今年12月からこの連携に児玉高校も仲間入りします。 埼玉県内の高校ロボコンチームの参加を募集中です。この活動を通じて、埼玉県から出場の高校生チームが全国高等学校ロボット競技大会で無双することを夢見ています。 回数内容1設計とは?(機構学とモノの捉え方)23DCADを用いた設計33Dプリンタを用いた実習4~7全国高等学校ロボット競技大会出場マシンのお悩み相談会8マイコンを用いた制御回路(センサ・アクチュエータ・LED)9マイコンを用いたシリアル通信10マイコンを用いた無線通信11板金工作の設計12板金工作と実装講習の内容 埼玉新聞「知・技の創造」(2023年12月8日号)掲載 Profile 三井 実(みつい みのる)情報メカトロニクス学科教授 北陸先端科学技術大学院大学博士後期課程修了。博士(情報科学)。専門はシステム開発、音響工学、電気電子工学。 関連リンク ・ヒューマンメディアラボ(三井研究室)WEBサイト・情報メカトロニクス学科WEBページ・ロボコンはスポ根だ!優勝目指してひた走れ!① ~リーダー&操作担当者編~・ロボコンはスポ根だ!優勝目指してひた走れ!② ~ピットクルー&大学院生編~