F3RC大会で強豪校を下して優勝した3人の1年生。その快挙の本質に迫る!

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皆さんはロボットに興味はありますか。

鉄腕アトムや鉄人28号、ガンダムなど、当時は夢物語で、子供の心を掴んで離さない存在でした。しかし現代は目覚しい技術の発展により、ロボットの存在は夢物語ではなくなっています。ロボットは多様な技術が結集したシステム。ものつくり大学にもロボット製作に熱く取組んでいる学生たちがいます。ロボコン界の新人戦ともいえるF3RC(エフキューブロボットコンテスト)で優勝した学生たちにロボットの魅力と今後の目標についてインタビューしました。

NHK学生ロボコンプロジェクト

■チーム名/SRG MOF

■チームメンバー
藤野 楓土さん(情報メカトロニクス学科1年)
茂木 柊斗さん(情報メカトロニクス学科1年)
大出 将太さん(情報メカトロニクス学科1年)

■F3RC(エフキューブロボットコンテスト)
開催日:2022年9月24日(土)~25日(日)
会場:東京大学本郷キャンパス
参加大学:東京大学・慶應義塾大学・早稲田大学・明治大学・東京工科大学・工学院大学・千葉工業大学・ものつくり大学

優勝おめでとうございます。新人戦とも言えるロボット大会で優勝できた要因は?

【藤野】
予選勝ち抜けのじゃんけんかなぁ(笑)。今回、予選で1位が3組出ましたが、TOPで勝ち抜いて、その後の準決勝、決勝とパーフェクトの試技でした。大会前に起きていたトラブルが全くなかったことが大きな要因です。

【茂木】
足回りに特殊なプログラムを用いました。当日の現地では短時間でのパラメーターの調整に苦労しましたが、競技では問題なく動いてくれました。
個人的には優勝したことよりも他大学の遊びゴコロあるロボットへの仕掛けが見られて良かったです。

【藤野】
他大学の学生に「おめでとう」と声掛けされましたし、大会後の交流会では名刺交換もしました。今でもやり取りをしていまして、ものつくり大学へ見学に来たいと言われてもいます。本学では、加工も一からマシンを使える環境にあり、だいぶ羨ましがられています。

3人のチームワークも大きな勝因だったのでは?

【大出】
お互いに楽しく、やりたいことをやっていました。話し合いながら、どういうところを改善したらよいか、前向きに取り組むことができました。目標があったから、お互いを理解し合うことで一つにまとまったのかなぁ。偶然にできたチームですが、まとまったのは必然ですかね。

【藤野】
大出くんが設計と加工、茂木くんが加工、自分は制御と設計を担当しました。設計を2人で進めていて、設計が終わったら、加工にかかりました。加工作業は1日で済ませてくれましたが、組立ての時間や制御に時間をかける中、ルールの理解を深めるなど、それぞれが自分のペースで行いました。ロボットが動き出してからは、茂木くんも毎日参加してくれて、コート整備など雑用も進んでやってくれました。チームですが、相方って感じです。

強豪校ばかりのライバル校については

【藤野】
緊張したぁ。

【大出】
大会に臨む段階でやるだけはやってきたので、あとは操縦者の2人の緊張をほぐすようにと思っていました。対戦相手の様子やタイムを気にかけながら、2人に声掛けしていました。

【茂木】
意外と2人は緊張していましたね。私は他大学をみても特に緊張はしなかったです。それよりも自分の操作がうまくいくよう全力を出すように心がけていました。

【藤野】
他校のロボットには面白さを求めたことでの形状や動き方の違いを見ることができました。またサッカーがテーマだったので、蹴ることを重視したアイデアなど作業していたら楽しいだろなと思いました。いまはもっと自分たちの世界に没入しても良かった気もしています。

ロボットづくりに興味をもったのは、いつから?

【大出】
高校は普通科なので、ロボットに触れるのも、まして大会へ出るなど入学時には考えられませんでした。NHKロボコンプロジェクトを知り、先輩方から色々と説明を聞いて、設計に関われたらと思いました。

【茂木】
高校で設計と加工を学んできたので、当然大学でも関わりたいと思っていました。このチームでは加工分野を担当しましたが、先輩たちが講習会を開いて、丁寧に教えてくれましたので、いまでは一人で作業ができるようになりました。

 【藤野】
ロボコンに関わりたい、大会に出たいという強い気持ちで入学しました。高校から制御設計の経験もあって、今回は制御・設計担当でしたが、いまは先輩たちを目指して頑張っています。

今回のロボットですが、技術的に難しかったところは

【藤野】
上部の手の部分やエアシリンダーを使った発射機構が難しかった。最初は大きすぎてロボットのサイズに合いませんでした。
足回りパーツの組み合わせを調整するときに、耐久性が下がらないように、切削するのが難しかったですね。結局、課題は軽量化と耐久性のバランスを考慮することでした。

【茂木】
本体はすべて加工しています。3DCADでは設計者が作ったデータを変換してプリンターへ送るだけなので、結構複雑な形状も可能でした。加工担当の負担も少なかったです。あとは組立ててから自走させて調整しました。

【藤野】
強度をメインにした構造。4回の競技に耐えてくれました。1日10回の事前テストでも、ほとんどの部品は壊れなかったです。
学生プロジェクトでは、毎年のデータをバックアップしてあるので、それを共有できるのが強みですね。後輩たちに残してくれています。プロジェクトの大きな特長は、こうして先輩たちが残してくれたプログラムをベースにして製作しているので、ロボットの足回りの作り方が似ていることですね。その上でプログラムを理解して、自分たちなりにゼロから製作していきます。

ところでロボットの魅力とは

【藤野】
ロボットを作る方の多くが、人の役に立つものを作れるということに魅力ややりがいを感じているものです。機械や電気、プログラミングなど様々な専門的な知識やスキルを身に付けることで、自分にとって大きな強みとなるところも魅力です。

【茂木】
そうですね。ものを作れるというのが楽しい。ものとものが合体して動いているのが面白いし、何が起きるかわからないからドキドキします。想定外の動きがうまくいったり、改良を要したりなど、答えがなくてやり続けてしまうところですかね。

【大出】
ロボットは、多様な技術や専門分野が複合的に組み合わさったシステムです。そして、その研究開発は間違いなく面白いと言えます。そのためには専門知識が必要になりますし、それを習得するには基礎学力が欠かせません。プロジェクトでは、それらを身に付けられると思いますので、向上心を持って、能動的に学んでいきたいです。

物怖じしない3人ですが、今後の目標は

【全員】
NHK学生ロボコンに出場し、優勝したい。

【藤野】
これは最終目標ですが、先輩たちと一緒に、そしてアイデア出しから参画できるようレベルを上げていきたいです。ロボットが作りたくて入学したので、今回の優勝は自信になりました。最近だとカメラを使ったセンサー方式になっていて、他大学では多数搭載しています。これらは技術的なコントロールが難しいのですが、プロジェクトを通してやり遂げたいです。

【茂木】
入学して、論理的な思考を持てるようになりました。物事の一つひとつに対して、すごく考えるようになりました。尊敬する高校の先輩のように材料の知識が豊富で、材料の特性を理解していることで瞬時に最適解を出せるようになりたいです。深く学び続けることで得られる言動を見習いたいと思います。また、今大会ではロボットは動かないことが大前提の中で、動いた瞬間の喜びは何事にも代えられません。

【大出】
普通科出身なので、入学して生活そのものが変わりました。今回の大会で設計担当になり、知識や技術が身に付いた実感があります。やればやるだけ身に付くと思っているので、今日よりは明日を目指して、自分自身を磨いていくしかないと思います。1人ではなく、仲間も一緒なので面白さは倍増すると思いますね。


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