Introduction 高校時代、水族館で働く夢から建築の道に方向転換した緑川真結花さん(建設学科3年)。現在は学生生活で培った建築の専門性とコミュニケーション能力を高めつつ、オープンキャンパスの学生スタッフとして活動しています。進路に迷う高校生に向け、緑川さんに大学進学の決め手や大学生活のリアルと魅力についてインタビューをしました。「建築に興味はあるけれど、女子学生が少ないのではないかと不安」「専門知識がなくて授業についていけるか心配」など一歩を踏み出せずにいる高校生の背中をそっと押してくれるはずです。 水族館の構造美から建築の道に。女子学生の本音が響いたオープンキャンパス 私は福島県郡山市の普通科高校出身です。自然科学部で身近な研究の発表や生徒会で学校案内などに力を入れました。水族館でイルカの調教師として働く夢が現実的に難しいと分かり、建築が目にとまりました。地元いわき市の環境水族館「アクアマリンふくしま」には、世界初といわれる「潮目の海」水槽を突き抜ける三角形のアクリルトンネルがあります。三角プリズムのように親潮と黒潮を左右に分ける構造が印象的で「人を引きつける建物をつくりたい」と思い、高校2年生の時に建築の道へ転向し、大学で設計を学ぶことに決めました。 「建築」が学べる大学をリサーチする中で、偶然目にとまったのが平仮名交じりの「ものつくり大学」という名称でした。「どんな大学なんだろう」と調べると、設計だけではなく建物の土台となる「構造」まで実践的に学べる点に強く魅力を感じました。「気になるなら行ってみたら」と母の後押しもありオープンキャンパスへの参加を決めました。 オープンキャンパスには、高校3年生の春と夏に3回参加しました。一番心が動いたのは、キャンパスを案内してくださった女子学生スタッフとの対話です。大学の良い面だけではなく、「課題の大変さ」や「バイトとの両立の厳しさ」など、リアルな現実を本音で伝えてくれたので、入学後の生活を具体的に想像できました。何より、大変さを伝えた上で「それでもこの大学なら大丈夫」というフォローもあり、「こんな先輩がいる大学なら間違いない」と入学の大きな決め手になりました。木材の耐久実験を行った模擬授業も印象的で、「設計しながら実寸大で物をつくって構造を理解できる」という実習が豊富な環境は、他大学と明確に違い、「社会に出る前に実際に手を動かして学びたい」と入学を決意しました。 テキパキ、サバサバ!工科系女子のリアルと「先を見据える」スタンス 「工科系の大学の女子学生はどんな雰囲気だろう」という不安もありましたが、実際は良い意味でイメージを裏切るものでした。女子同士は過度に群れず孤立もしない「ほどよい距離感」で、テキパキとサバサバした人が多いです。授業やサークル活動で交流もしやすく、実習で重い荷物がある時も、「1人で無理なら、2人で持とう」と迷わずさっと行動に移せます。授業でも、女子が実質的なリーダーとして男子を引っ張る場面もあり、作業をスムーズに進める力になっています。3年生の今では、1人1人が「仕上げ」や「施工管理」など明確な目的意識や専門性を持ち、お互いに良い刺激を与え合っています。 学業では「先を見据えて今を頑張る」スタンスを大切にし、授業の課題は特に力を入れています。未来の自分が心に余裕を持てるよう、日々の課題や実習レポートは「どうすれば最高評価を取れるか」を常に意識して取り組んでいます。1年次の製図の課題は未経験で進みが遅れたものの、放課後に残り、期限を守るよう努めました。「分からないことがあれば、すぐに先輩や周囲に聞いて解決する」といったスピード感も大切にしています。一方で金曜の放課後は、所属する軽音楽部とバドミントンサークルで思いきりリフレッシュしています。軽音楽部ではバンドのボーカルを担当しており、今年も文化祭である碧蓮祭のステージで歌う予定です。 学生スタッフとして積極的な声がけと分かりやすさを意識 1年次からオープンキャンパスの学生スタッフとして、キャンパスツアーや学生寮の案内、学校説明のプレゼンなどを担当しています。高校時代に参加したオープンキャンパスの感動や生徒会で学校案内を行った経験があり、自然にスタッフに。活動のなかで特に大切にしているのは、会場で戸惑っている来場者への積極的な声かけです。私自身、高校時代に「分からないことが多く、質問内容も分からない」という経験をしたからこそ、自分から「何かお困りですか」と声をかけ、不安を解消するサポートをしたいと考えています。 知識や興味が異なる多様な方々と接する中、「この大学の魅力を、目の前の相手にどうすれば一番響くか」を考えています。特に高校生に対し、疑問を残さないように内容をかみくだいた説明を意識しています。プレゼンは写真を中心に文字を最小限にとどめ、大切な部分は自分の言葉で伝えることを心がけています。以前プレゼンを担当した際、「とても分かりやすかったです」と声をかけてもらえ、励みになりました。オープンキャンパスでは、ぜひ多彩な「模擬授業」を体験してほしいです。木材加工や製図、日本建築の歴史など毎回内容が異なり、何度来ても新しい発見がある点は、ものつくり大学ならではのメリットです。 プロの技に触れる授業と専門的でユニークな先生方との「距離の近さ」 建設学科の授業の最大の特徴は、実際に自分の手で触れ、体感しながら学べる点です。プロの技術を実感しながらモノづくりの喜びを味わえる面白さがあります。特に大変ながらも面白かったのが、1・2年次の「左官」の実習です。コテを使い、まっすぐ平らに塗る難しさを体験する一方で、非常勤講師として来てくださるプロの職人さんが、さらっとやり遂げる無駄のない動きに触れ、「これが本物の職人の技なんだ」と肌で感じました。実習を重ねる過程で、不格好ながらも平らに塗れるようになったことで手応えも得られました。 「実習」や「インターンシップ」での実践的な経験は、自分の成長や将来に直結すると実感しています。そもそも座学と実習が密接に連動している大学だからこそ、知識を体感的に理解できるんです。将来に直結するインターンシップは、先を見据える上で重要な経験になります。私自身、2年次に施工管理の仕事をインターンシップで経験し、大変さを肌身で感じることができました。 ものつくり大学の一番の強みは、先生方との「距離の近さ」です。いつでも学生に寄り添い支えてくださる先生の存在こそが、この大学最大の魅力です。専門性が高く、ユニークな先生が多いです。最初は話しかけづらく見えても、実習や授業での関わりで、1人1人をしっかり覚え、親身になってくださいます。オープンキャンパスの学生スタッフをすることで距離も縮まり、どんな質問にもフランクに答えていただけます。3年次になり、研究や就職活動について相談していますが、具体的なアドバイスを惜しみなく注いでくださいます。 コミュニケーション能力を生かせる建築の道に。今、高校生に届けたいメッセージ 入学当初は「設計」に、その後は「施工管理」に興味をもち、現在は人との対話が重視される建設系の「コンサルタント」や「営業」に魅力を感じています。理由の1つにオープンキャンパスの学生スタッフとしての経験があります。「自分が分かっていても相手が分かっているとは限らない」ことを意識し、高校生や保護者に分かりやすく伝える工夫をしてきました。相手の反応を見ながら臨機応変に対応するコミュニケーション能力も自然と身につきました。将来に向け、先生や先輩方との繋がりを大切に就活や仕事のリアルな話を聞き、選択肢を集めています。じっくり思考を巡らせ、自分らしく社会で働く道を見出したいです。 オープンキャンパスに参加希望の高校生には、まずは気負わず、フラットに1回来てみてほしいです。近ければ本人だけで、遠方なら保護者の方と相談して、とにかく一度足を運んでみてください。実際に来れば大学の雰囲気が肌で分かり、自分に合うかどうかも見えてくるはずです。オープンキャンパスでは、ぜひ、いろいろな人と関わり、何でも気軽に聞いてみてください。苦手意識から距離を置くのはもったいないので、肩の力を抜いて人と接してほしいと思います。大学生活で気になる疑問があれば、教職員や学生スタッフに、遠慮なく声をかけてみてください。自ら進んで聞いてみることで、きっと世界が広がります。
Introduction 2026年5月27日、建設学科のFゼミにおいて、外部講師をお招きした特別講義が開催されました。本学客員教授・奥山龍一先生のコーディネートのもと、「大人になるってどんなこと?」を主題とし、学生が自己の未来や社会との関わり方を見つめ直す機会となりました。 登壇者には、群馬県前橋市に本社を構える株式会社エスティビー(https://s-t-b.jp)の代表取締役である杉﨑由里氏をお招きしました。同社は1998年の創業以来、地域社会を支え続け、今年で27年目を迎える企業です。 循環型物流による社会課題へのアプローチ 導入として、エスティビーが展開する事業の社会的意義について説明がなされました。同社は「限りある資源を次世代へ」という理念の下、産業廃棄物をリサイクル工場へと運ぶ「静脈物流機能」と、リサイクル済みの二次製品を運ぶ「動脈物流機能」を担っています。 杉﨑氏はこの物流の仕組みを、人が生きる上で欠かせない「血流」にたとえ、社会全体の持続可能性に寄与し、環境破壊や資源枯渇の抑制に貢献している実態を解説されました。 キャリアの本質と基礎的・汎用的能力 続いて「キャリアとは何か」というテーマに移りました。キャリアとは職歴や経歴を指すのみではなく、人が生きていく中で担う様々な役割や足跡であると定義づけられました。社会に出ていない学生たちも、すでに置かれた立場において役割を果たしており、キャリア発達の最中にあることが強調されました。 また、キャリア教育を通じて身につけるべき「基礎的・汎用的能力」として、以下の4点が提示されました。 ・人間関係形成・社会形成能力 ・自己理解・自己管理能力 ・課題対応能力 ・キャリアプランニング能力 講義内では、これらの能力に関するセルフチェックや学生同士の活発な意見交換が行われ、参加者自身が現状の自己認識を深める実践的なワークが実施されました。 失敗からの学習と社会とのつながり 「大人になること」の現実的なプロセスとして、杉﨑氏ご自身の過去の失敗談が語られました。準備不足による挫折や、時間管理の怠りから生じた信頼の喪失といった実体験をもとに、「何をするにも準備が大切」「信頼なき所に金も人も集まらない」という厳粛な教訓が共有されました。 さらに、学校での学びが社会でどのように生きるかについても言及されました。仕事には教科ごとの区分はなく、学びを横断的に活用すること、そして情報は「行動(検証)」を伴うことで初めて知識として定着するという原則が示されました。 未来に向けた永続条件の構築 結びとして、大人になるためには「守られる側から、守る側への自律・自立」が必要不可欠であると提起されました。最後に、経営学者ピーター・ドラッカーの「経営とは永続条件の構築である」という言葉が紹介されました。 「誰もが人生の経営者である」という視座から、学生一人ひとりが自分自身の人生の永続条件をどのように構築していくのか、深く思考し計画を立てて行動することの大切さが説かれました。 特別講義は、学生たちが労働の尊さや自己成長の意義を再確認し、自らの意思で未来を設計するための強力な動機付けとなる有意義な時間となりました。
Introduction 高校時代、水族館で働く夢から建築の道に方向転換した緑川真結花さん(建設学科3年)。現在は学生生活で培った建築の専門性とコミュニケーション能力を高めつつ、オープンキャンパスの学生スタッフとして活動しています。進路に迷う高校生に向け、緑川さんに大学進学の決め手や大学生活のリアルと魅力についてインタビューをしました。「建築に興味はあるけれど、女子学生が少ないのではないかと不安」「専門知識がなくて授業についていけるか心配」など一歩を踏み出せずにいる高校生の背中をそっと押してくれるはずです。 水族館の構造美から建築の道に。女子学生の本音が響いたオープンキャンパス 私は福島県郡山市の普通科高校出身です。自然科学部で身近な研究の発表や生徒会で学校案内などに力を入れました。水族館でイルカの調教師として働く夢が現実的に難しいと分かり、建築が目にとまりました。地元いわき市の環境水族館「アクアマリンふくしま」には、世界初といわれる「潮目の海」水槽を突き抜ける三角形のアクリルトンネルがあります。三角プリズムのように親潮と黒潮を左右に分ける構造が印象的で「人を引きつける建物をつくりたい」と思い、高校2年生の時に建築の道へ転向し、大学で設計を学ぶことに決めました。 「建築」が学べる大学をリサーチする中で、偶然目にとまったのが平仮名交じりの「ものつくり大学」という名称でした。「どんな大学なんだろう」と調べると、設計だけではなく建物の土台となる「構造」まで実践的に学べる点に強く魅力を感じました。「気になるなら行ってみたら」と母の後押しもありオープンキャンパスへの参加を決めました。 オープンキャンパスには、高校3年生の春と夏に3回参加しました。一番心が動いたのは、キャンパスを案内してくださった女子学生スタッフとの対話です。大学の良い面だけではなく、「課題の大変さ」や「バイトとの両立の厳しさ」など、リアルな現実を本音で伝えてくれたので、入学後の生活を具体的に想像できました。何より、大変さを伝えた上で「それでもこの大学なら大丈夫」というフォローもあり、「こんな先輩がいる大学なら間違いない」と入学の大きな決め手になりました。木材の耐久実験を行った模擬授業も印象的で、「設計しながら実寸大で物をつくって構造を理解できる」という実習が豊富な環境は、他大学と明確に違い、「社会に出る前に実際に手を動かして学びたい」と入学を決意しました。 テキパキ、サバサバ!工科系女子のリアルと「先を見据える」スタンス 「工科系の大学の女子学生はどんな雰囲気だろう」という不安もありましたが、実際は良い意味でイメージを裏切るものでした。女子同士は過度に群れず孤立もしない「ほどよい距離感」で、テキパキとサバサバした人が多いです。授業やサークル活動で交流もしやすく、実習で重い荷物がある時も、「1人で無理なら、2人で持とう」と迷わずさっと行動に移せます。授業でも、女子が実質的なリーダーとして男子を引っ張る場面もあり、作業をスムーズに進める力になっています。3年生の今では、1人1人が「仕上げ」や「施工管理」など明確な目的意識や専門性を持ち、お互いに良い刺激を与え合っています。 学業では「先を見据えて今を頑張る」スタンスを大切にし、授業の課題は特に力を入れています。未来の自分が心に余裕を持てるよう、日々の課題や実習レポートは「どうすれば最高評価を取れるか」を常に意識して取り組んでいます。1年次の製図の課題は未経験で進みが遅れたものの、放課後に残り、期限を守るよう努めました。「分からないことがあれば、すぐに先輩や周囲に聞いて解決する」といったスピード感も大切にしています。一方で金曜の放課後は、所属する軽音楽部とバドミントンサークルで思いきりリフレッシュしています。軽音楽部ではバンドのボーカルを担当しており、今年も文化祭である碧蓮祭のステージで歌う予定です。 学生スタッフとして積極的な声がけと分かりやすさを意識 1年次からオープンキャンパスの学生スタッフとして、キャンパスツアーや学生寮の案内、学校説明のプレゼンなどを担当しています。高校時代に参加したオープンキャンパスの感動や生徒会で学校案内を行った経験があり、自然にスタッフに。活動のなかで特に大切にしているのは、会場で戸惑っている来場者への積極的な声かけです。私自身、高校時代に「分からないことが多く、質問内容も分からない」という経験をしたからこそ、自分から「何かお困りですか」と声をかけ、不安を解消するサポートをしたいと考えています。 知識や興味が異なる多様な方々と接する中、「この大学の魅力を、目の前の相手にどうすれば一番響くか」を考えています。特に高校生に対し、疑問を残さないように内容をかみくだいた説明を意識しています。プレゼンは写真を中心に文字を最小限にとどめ、大切な部分は自分の言葉で伝えることを心がけています。以前プレゼンを担当した際、「とても分かりやすかったです」と声をかけてもらえ、励みになりました。オープンキャンパスでは、ぜひ多彩な「模擬授業」を体験してほしいです。木材加工や製図、日本建築の歴史など毎回内容が異なり、何度来ても新しい発見がある点は、ものつくり大学ならではのメリットです。 プロの技に触れる授業と専門的でユニークな先生方との「距離の近さ」 建設学科の授業の最大の特徴は、実際に自分の手で触れ、体感しながら学べる点です。プロの技術を実感しながらモノづくりの喜びを味わえる面白さがあります。特に大変ながらも面白かったのが、1・2年次の「左官」の実習です。コテを使い、まっすぐ平らに塗る難しさを体験する一方で、非常勤講師として来てくださるプロの職人さんが、さらっとやり遂げる無駄のない動きに触れ、「これが本物の職人の技なんだ」と肌で感じました。実習を重ねる過程で、不格好ながらも平らに塗れるようになったことで手応えも得られました。 「実習」や「インターンシップ」での実践的な経験は、自分の成長や将来に直結すると実感しています。そもそも座学と実習が密接に連動している大学だからこそ、知識を体感的に理解できるんです。将来に直結するインターンシップは、先を見据える上で重要な経験になります。私自身、2年次に施工管理の仕事をインターンシップで経験し、大変さを肌身で感じることができました。 ものつくり大学の一番の強みは、先生方との「距離の近さ」です。いつでも学生に寄り添い支えてくださる先生の存在こそが、この大学最大の魅力です。専門性が高く、ユニークな先生が多いです。最初は話しかけづらく見えても、実習や授業での関わりで、1人1人をしっかり覚え、親身になってくださいます。オープンキャンパスの学生スタッフをすることで距離も縮まり、どんな質問にもフランクに答えていただけます。3年次になり、研究や就職活動について相談していますが、具体的なアドバイスを惜しみなく注いでくださいます。 コミュニケーション能力を生かせる建築の道に。今、高校生に届けたいメッセージ 入学当初は「設計」に、その後は「施工管理」に興味をもち、現在は人との対話が重視される建設系の「コンサルタント」や「営業」に魅力を感じています。理由の1つにオープンキャンパスの学生スタッフとしての経験があります。「自分が分かっていても相手が分かっているとは限らない」ことを意識し、高校生や保護者に分かりやすく伝える工夫をしてきました。相手の反応を見ながら臨機応変に対応するコミュニケーション能力も自然と身につきました。将来に向け、先生や先輩方との繋がりを大切に就活や仕事のリアルな話を聞き、選択肢を集めています。じっくり思考を巡らせ、自分らしく社会で働く道を見出したいです。 オープンキャンパスに参加希望の高校生には、まずは気負わず、フラットに1回来てみてほしいです。近ければ本人だけで、遠方なら保護者の方と相談して、とにかく一度足を運んでみてください。実際に来れば大学の雰囲気が肌で分かり、自分に合うかどうかも見えてくるはずです。オープンキャンパスでは、ぜひ、いろいろな人と関わり、何でも気軽に聞いてみてください。苦手意識から距離を置くのはもったいないので、肩の力を抜いて人と接してほしいと思います。大学生活で気になる疑問があれば、教職員や学生スタッフに、遠慮なく声をかけてみてください。自ら進んで聞いてみることで、きっと世界が広がります。
Introduction 2026年5月27日、建設学科のFゼミにおいて、外部講師をお招きした特別講義が開催されました。本学客員教授・奥山龍一先生のコーディネートのもと、「大人になるってどんなこと?」を主題とし、学生が自己の未来や社会との関わり方を見つめ直す機会となりました。 登壇者には、群馬県前橋市に本社を構える株式会社エスティビー(https://s-t-b.jp)の代表取締役である杉﨑由里氏をお招きしました。同社は1998年の創業以来、地域社会を支え続け、今年で27年目を迎える企業です。 循環型物流による社会課題へのアプローチ 導入として、エスティビーが展開する事業の社会的意義について説明がなされました。同社は「限りある資源を次世代へ」という理念の下、産業廃棄物をリサイクル工場へと運ぶ「静脈物流機能」と、リサイクル済みの二次製品を運ぶ「動脈物流機能」を担っています。 杉﨑氏はこの物流の仕組みを、人が生きる上で欠かせない「血流」にたとえ、社会全体の持続可能性に寄与し、環境破壊や資源枯渇の抑制に貢献している実態を解説されました。 キャリアの本質と基礎的・汎用的能力 続いて「キャリアとは何か」というテーマに移りました。キャリアとは職歴や経歴を指すのみではなく、人が生きていく中で担う様々な役割や足跡であると定義づけられました。社会に出ていない学生たちも、すでに置かれた立場において役割を果たしており、キャリア発達の最中にあることが強調されました。 また、キャリア教育を通じて身につけるべき「基礎的・汎用的能力」として、以下の4点が提示されました。 ・人間関係形成・社会形成能力 ・自己理解・自己管理能力 ・課題対応能力 ・キャリアプランニング能力 講義内では、これらの能力に関するセルフチェックや学生同士の活発な意見交換が行われ、参加者自身が現状の自己認識を深める実践的なワークが実施されました。 失敗からの学習と社会とのつながり 「大人になること」の現実的なプロセスとして、杉﨑氏ご自身の過去の失敗談が語られました。準備不足による挫折や、時間管理の怠りから生じた信頼の喪失といった実体験をもとに、「何をするにも準備が大切」「信頼なき所に金も人も集まらない」という厳粛な教訓が共有されました。 さらに、学校での学びが社会でどのように生きるかについても言及されました。仕事には教科ごとの区分はなく、学びを横断的に活用すること、そして情報は「行動(検証)」を伴うことで初めて知識として定着するという原則が示されました。 未来に向けた永続条件の構築 結びとして、大人になるためには「守られる側から、守る側への自律・自立」が必要不可欠であると提起されました。最後に、経営学者ピーター・ドラッカーの「経営とは永続条件の構築である」という言葉が紹介されました。 「誰もが人生の経営者である」という視座から、学生一人ひとりが自分自身の人生の永続条件をどのように構築していくのか、深く思考し計画を立てて行動することの大切さが説かれました。 特別講義は、学生たちが労働の尊さや自己成長の意義を再確認し、自らの意思で未来を設計するための強力な動機付けとなる有意義な時間となりました。