SRモータのセンサレス制御

研究開発レポート No.1


PWM周期の比率に着目したSRモータの位置センサーレス制御

SRモータ(Switched Reluctance Motor)は、ロータとステータとの突極の構造によるリラクタンス(磁気抵抗)の変化を利用してトルクを発生させるので、永久磁石を必要としない極めて単純な構造で、安価かつ堅牢という特徴を有するモータである。一方、SRモータを駆動する際、リラクタンスの変化がロータの回転角度に依存していることから、ステータの各コイルの励磁はロータの回転角度に応じたタイミングで切り替えする必要がある。つまり、ロータの回転角度の情報が駆動に不可欠である。これまで、ロータの回転角度の情報を取得する方法には、回転角度センサを用いるものと用いないものがあった。信頼性の観点から、後者の回転角度センサを用いない、すなわちセンサレス駆動が望ましい。

本研究では、PWM周期の比率に着目したSRモータのセンサレス駆動方式を提案する。ここで、ヒステリシス電流制御におけるヒステリシス幅にジグザグする電流波形の周期をPWM周期と言う。本提案方式では、二つのコイルを同時に励磁しながら、コイル同士のPWM周期の比率がインダクタンスプロファイルに基づく基準比率と一致した時点で、励磁コイルの切り替えを行う。なお、実験を行った結果から、PWM周期の比率のみでSRモータのセンサレス駆動が可能であることを確認した。

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