【知・技の創造】地域連携と高大連携

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2つのフラワーデザインアート

ものつくり大学の最寄り駅である高崎線吹上駅の改札を出ると、コスモスなどの美しい花々でデザインされた柱が視線に入ります。北口案内には元荒川の桜並木、南口案内には水管橋、窓にはコウノトリや花などのデザインが描かれています。これらは、「地域連携」および「高大連携」の取り組みの一環として制作されたものです。

ものつくり大学では、学生プロジェクト団体として「ものつくりデザイナーズプロジェクト」(以下、MDP)が登録されています。作品制作や学外展示、ヒーローショーを行うプロジェクトとしてデザイン活動をしています。2021年度に鴻巣市、観光協会からの依頼により「鴻巣駅自由通路フラワーデザインアートプロジェクト」として、鴻巣駅自由通路に作品を展示し、次に、2022年度「吹上駅自由通路フラワーデザインアートプロジェクト」を実施しました。2022年度のプロジェクトでは、鴻巣高等学校、鴻巣女子高等学校、吹上秋桜高等学校美術部の生徒さんが四季を通じた花やコウノトリ、桜、水管橋などを手書きおよびコンピューターグラフィックスにより作品を制作しました。それらの作品群を、本学のMDPメンバーがレイアウト構成をし、大きさや濃淡の調整を行いながら全体を完成させました。

吹上駅改札付近のフラワーデザインアートとMDPの内田颯さん(写真左)、松本拓樹さん(写真右)

高校の生徒さんには、授業やテスト、学校行事の忙しい合間を縫いながら、素敵な作品を制作してもらいました。生徒さんの提案で、窓をスライドし、2枚の窓を重ね合わせることで、デザインの見え方が変化するなどの工夫も凝らしています。さらに、朝と夜間では外光の差し込み方や照明灯の反射により、作品の輪郭が白く浮かび上がるなど、時間帯によっても窓のデザインについて異なる見え方が楽しむことができます。窓越しから視線をさらに運ぶと、青空や大きな雲が広がり、それらが窓に溶け込むことで、さながら窓自体が額縁のようにも感じられます。

「地域連携」と「高大連携」の成果

「駅の通路」という多くの方々が日常的に利用する空間に、これらの作品が末永く展示されることを嬉しく思います。MDPメンバーにとっても、やりがいのあるプロジェクトでした。プロジェクトを通じて、名所、史跡や地域を知ること、高校との協力による作品制作など、「地域連携」と「高大連携」の成果が正に統合されたものと感じています。

吹上駅および鴻巣駅の近郊では、多くの名所、史跡および観光スポットがございます。散歩および観光の「出発点」として、吹上駅および鴻巣駅へお立ち寄りの際に、これらの作品についてもご覧いただき、楽しんでいただければ幸いです。


埼玉新聞「知・技の創造」(2023年8月4日)掲載

Profile

松本 宏行(まつもと・ひろゆき) 情報メカトロニクス学科教授

工学院大学大学院工学研究科博士後期課程修了。博士(工学)。
専門は機械力学、設計工学。

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ものつくり大学

大学概要、学科紹介、入試情報など、 詳しくは大学ホームページをご覧ください。
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