アーキテクトビルダーとしてのデザインビルド的な木造建築教育の試み 戸田研究室5年間の実践
と題して,埼玉建築士会さいたま南支部だより,2021年7月,VOL.22,建築士の目 に寄稿しました。これまでの研究室活動を振り返る機会となり,卒業生はじめ学生たちとの思い出のエピソードがつまっています。



アーキテクトビルダーとしてのデザインビルド的な木造建築教育の試み 戸田研究室5年間の実践
と題して,埼玉建築士会さいたま南支部だより,2021年7月,VOL.22,建築士の目 に寄稿しました。これまでの研究室活動を振り返る機会となり,卒業生はじめ学生たちとの思い出のエピソードがつまっています。



現場での検討内容も多く、大工さんらの知恵や技術を目の当たりに学生らもよい経験になっている様子。


小屋裏は,なんとか寝転べるくらいで,太陽光発電の機材などの物置として使用予定。

壁面はスギの無垢板を横張り。フローリングは工務店の既製品の突板余材を活用。本来は床も無垢板を張りたいが,余材を活用するという意味では施主の予算や工務店の材料ストックなどの状況に配慮した。

内装は設備関係も入り、小屋裏の壁張りが進行。 外部は増築部分の筋交い補強や積雪対策の囲いを渡すための十手金物が付いた。現場担当学生からの日報と写真が毎晩届く。

小屋組の火打梁は細かに板張りして上下の凹凸を納めた感じに。合板と無垢板の木目のコントラストも面白い。
内装はほぼ完了。
学内の作業を終え,戸田市内の現場です。基礎工事はプロに任せ,他は概ね監督と作業を学生らが担い,8月半ばから11月下旬まで軸組の建て方と下地・外壁・屋根仕上げ迄が当研究室学生の施工範囲です。
基礎配筋が完了し,右側手前が離れ家、左手奥が母屋(昨年度の卒業設計学生案:蔵改修の基本計画)です。いずれもベタ基礎です。 離れ家は平屋で4坪の水回りと土間や縁側スペースで,ここに実習の木造軸組を移設・改築します。
炎天下のなか,学生らによる基礎配筋確認の学習です。 2年生インターン生が習ったことを、4年生ゼミ生に説明する予定がいつの間にか逆転しました。
下の写真の手前側,土間の長方形の型枠は飛び石を埋めるスペースです。立ち上りは縦筋と横筋を溶接したユニット鉄筋のためフックはありません(下の写真:基礎配筋詳細)。 やがて見えなくなる所を学ぶ貴重な機会でした。
長野斑尾高原での木造山荘増改築工事が5月末に着工しました。研究室としては2年越しのプロジェクトです。
規模は2.5坪位で小さくとも、プロ(工務店)と本学当研究室で協働する意義は大きいでしょう。 雪国での建築は私も初めてで,もちろん学生も初めてでわからないことだらけですが、共に学ぶ、 On-the-Job Training!としての実践です。



4年生11名,大学院生1名,教員1名の合計13名で1Qゼミは毎週火曜日に進行中!

今年度は住宅改修など現場の施工が始まるプロジェクトが多く,忙しいですがそれぞれの担当学生を中心にメンバーが協力して進めていくことを望みます!
主なプロジェクト
・埼玉県戸田市空き家改築プロジェクト(設計・施工):現在,実施設計中,6月~7月初旬着工,年内竣工予定
・長野県飯山市木造山荘増改築プロジェクト(設計・施工):現在,現場進行中,5月着工,8月半ば竣工予定
・千葉県佐倉市古民家改修プロジェクト(設計・施工,他大学・本学他研究室協働):現在契約調整中,6月頃着工,年度内竣工予定
・埼玉県加須市古民家改修プロジェクト(設計・施工):現在,実測等調査中,夏頃設計開始,次年度以降施工予定
・研究室木質化プロジェクト(設計・施工):学生自らの居場所を日々,少しずつ木質化などで改修中。靴箱,防音壁,棚,デスクなど今年度制作予定
・・・その他
2021年5月7日(金)埼玉新聞朝刊に「空き家×木質空間」と題して,教員の執筆記事が掲載されました。
ご笑覧下さい。

今年度も研究室ごとに卒業証書を授与とのことで,木造実習場の半屋外空間で行いました。


大変な年でしたが皆さんそれぞれが励み、卒業となりました。戸田研究室4期生9名おめでとう!と労いたいですが語り合う会食も自粛で寂しいものです。



研究室の引越も重なりましたが,卒業見送り準備を3年生主体で設えてくれました。寄せ書きとして大分県日田杉の木製パズルにレーザーカッターで思いを刻んだものを頂き感謝です。私のいない土日に制作したとかなんともありがたい。振り返る間もなくとにかく新天地でのそれぞれのスタートです。
母屋も蔵も解体された敷地には植栽と畑を残して,いよいよ蔵の改修とハナレの移設・・・の前に仮塀として本学実習の廃材を活用して境界に木柵を学生たちが構築しました。







木柵は畑の雰囲気と馴染んでいます。 春の着工に向け少しずつ。
広大な敷地の母屋も解体を進め(2021年2月6日),ついに蔵の改築にむけて小屋組みのみ保存し,蔵自体の解体も進めました(2021年2月17日,18日)。


母屋解体が始動して,見学から実測調査、卒業設計での提案、研究論文などを経て足掛け4年目で感慨深い。もう前進あるのみです。


小屋組の古材に白蟻らしき被害がありましたが,できる限り継いで活用の方向としました。 解体は豪快な作業のようで構造材は丁寧に見極められています。 解体はせつなくも歴史や技術の深みを新たな物語へとつなぐプロセスでしょう。まさに時間が巻き戻される解体なのです。 母屋と蔵の跡地が開けて,いよいよ庭とともに周囲の風景も新鮮に。
2021年1月26日~28日の3日間,2020年度の建設学科卒研発表会でした。戸田研究室は9名の4年生(設計3名,制作3名,論文3名)が無事に発表・質疑応答を終え,一段落です。

今年度は対面とオンライン配信併用で準備から大変でしたが,限られた時間でよくまとめあげたと思います。
制作ではコロナ禍で大学での作業以外にも,クラウド型プレカットシステム(エマーフ:EMARF)で木材加工を行うなど新たな試みもありました。

設計の2次審査講評会では専任教員が対面,非常勤教員がオンラインからコメントなどリアルとバーチャルを結んで,模型た図面パネルを説明し,3年生が配信動画を撮影するなどの苦労もありました。





発表後は恒例の卒業アルバム用集合写真。みんな安心した表情が見受けられます。大変おつかれさんでした!
