カナダの橋

 

バンクーバー(2014.8調査)

バンクーバーのアレックスフレーザー橋(旧名アナシス橋)は合成桁斜張橋です.プレキャスト床版合成桁斜張橋の初期の構造で,長井先生からいろいろ教わった橋です.設計したピーターティラーから図面をもらって,会社で風洞実験をしていました.

アレックスフレーザー橋
アレックスフレーザー橋

 

バンクーバーでは最近,アレックスフレーザー橋だけではなく,合成桁斜張橋が数多く建設されています.コンクリートの主塔に鋼鈑桁を剛結し,プレキャスト床版を合成した2主桁橋(Golden Ears Bridge)や,3主桁橋の斜張橋(Pitt River Bridge)を建設しています.これらの橋は,路面の上にケーブルを配置しておらず,冬場の氷雪落下事故(車のフロントグラス割る)を防ぐ構造に結果としてなっているとのことです.また支間長も150m以下なので,独立塔で充分なようです.

Golden Ears Bridge
Golden Ears Bridge
Pitt River Bridge
Pitt River Bridge

 

Pitt River Bridge

 

1938年に建設された,ライオンズ・ゲート・ブリッジはスレンダーな吊橋です.バンクーバーのダウンタウンからバスでスタンレーパークに行き,半島の先までしばらく歩くと,ファーストファロースを跨ぐライオンズ・ゲート橋があります.吊橋区間は1,517mで中央径間は473mです.航路高さも建設当時から61mを確保していることには驚きです.北側のトレッスル区間も興味深いです.当時の大英帝国の力を感じる,歴史的構造物です.3車線の道路橋で通勤時間帯の通行状況に応じで,中央の車線の方向は変更されています.

ライオンズ・ゲート・ブリッジ
ライオンズ・ゲート・ブリッジ
ライオンズ・ゲート・ブリッジ
ライオンズ・ゲート・ブリッジ

 

大型のトラス橋

アイアンワーカーズメモリアル・セカンドナローズクロッシング (Ironworkers Memorial Second Narrows Crossing)はバラードの入り江に架かる大型トラス橋で,橋長は約1292メートル,同入り江のセカンドナローズ(Second Narrows)と呼ばれる狭窄部を跨いでおり,トランスカナダハイウェイ1号線の一部でもある.1960年に開通しているが,工事中の1958年に人為的な設計ミスにより橋が崩壊し,79人の作業員が30mの高さから海上に落水し27人が死亡した.その内の18人は落水した際に腰ベルトに取り付けていた重い工具類によって水中に沈み溺死した.そのことに因んで橋の名称が変更された.1

アイアンワーカーズメモリアル・セカンドナローズクロッシング
アイアンワーカーズメモリアル・セカンドナローズクロッシング

 

その他,バンクーバー市内にはユニークな橋や建造物,歴史的な橋,架道橋などがあります.

バンクーバー市内のタンク
バンクーバー市内スペーストラス
バンクーバー市内スペーストラス
バンクーバー市内スペーストラス
バンクーバー市内スペーストラス

 

バンクーバー市内の橋
バンクーバー市内の橋

 

バンクーバー周辺にはユニークな橋があります.PC斜張橋であるスカイトレイン橋(Vancouvers skytrain rapid transit Bridge )は鉄道専用橋でスレンダーな印象でした.

スカイトレイン橋
スカイトレイン橋

 

何処にでもあるブレースドリブアーチ橋ですが,側径間をそのままトラスにしており,構造的な安定感があります.

ブレースドリブアーチ橋
ブレースドリブアーチ橋

 

バンクーバー郊外のポートマン橋(Port Mann Bridge)は中央径間470mの斜張橋です.2012年に完成しており,横の旧橋を解体中でした.

ポートマン橋
ポートマン橋

 

鉄道トラス橋も旋回式架道橋になっていました.

鉄道トラス旋回式架道橋

 

ノースバンクーバーの最大の見所、キャピラノ橋は歩行者専用としては世界で一番長い吊り床版橋(全長137m,高さ70m)です.揺れる橋を渡りますが,素晴らしい景色でした.また橋の先には森の中をゆっくりと散策できるように木の道ができています.園内には大きな木や岩を使って空中散歩できる歩道橋が架けられており,見所十分でした.港のカナダプレイスから,シーバスに乗ってノースバンクーバーへ.そこからバス(No. 236) で約20分.バスの終点はグラウス山です.

キャピラノ橋
キャピラノ橋
キャピラノ渓谷のユニークな曲線吊橋
キャピラノ渓谷のユニークな曲線吊橋
キャピラノ渓谷のユニークな曲線吊橋
キャピラノ渓谷のユニークな曲線吊橋

 

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