富山の橋

黒部・宇奈月(2023.7調査)

愛本橋(あいもとばし)は黒部市宇奈月町下立と同市宇奈月町中ノ口に跨る黒部川中流に架かる橋です.1998年に日本百名橋に選定されています.かつては全長62.4mに及ぶ刎橋で山口県岩国市の錦川に架かる錦帯橋,山梨県大月市の桂川に架かる猿橋とともに日本三奇橋の1つといわれていました.川幅が約70mの狭窄部で両岸は岩が露出し断崖となっているため普通の橋の架設が出来ませんでした.現在の橋は1969年,以前の橋が流失したために架替えられた12代目で,橋長130.0m,幅員8.6 m.流失した橋の約65 m下流に橋脚を置かずスパンを飛ばすためバスケットハンドル型ニールセンローゼ橋が採用されました.1972年竣工で川田工業の施工です.

愛本橋
愛本橋
愛本橋

旧山彦橋は1924年竣工の国内初の2ヒンジスパンドレルブレーストバランストアーチ橋です.1986年の宇奈月ダム建設に伴い上流に新山彦橋ができるまでは黒部峡谷鉄道の列車が渡っていました。現在はやまびこ遊歩道として活用されています.

旧山彦橋
旧山彦橋
旧山彦橋
旧山彦橋

新山彦橋は黒部峡谷鉄道の電車が宇奈月駅を出発してすぐの黒部川を渡る橋です.旧山彦橋の代替として1986年に完成したアーチ橋で橋長166m,中央支間100m.橋名は列車の音がやまびことなって温泉街に響くことから因んだそうです.三菱重工業の施工です.

新山彦橋
新山彦橋
新山彦橋
近くには県道アーチ橋も架かっています
近くに吊橋もあります

富山・滑川・立山(2023.7調査)

景雲橋(けいうんばし)は富山市本丸の富山城址公園内にある太鼓橋です.1988年3月竣工で名残の池に架かっています.

景雲橋
景雲橋
景雲橋

七十二峰橋(しちじゅうにほうばし)は富山県庁の南側にあり,橋を渡ると富山城址公園です.1992年3月の竣工で,松川周辺環境整備事業の一環として架替えられました.最初に橋が架けられた頃は七十二の峰で連なるといわれている立山連峰をここから一望できたことから,当時の市長・富川保太郎氏によって名付けられました.高欄には花の絵が掲げられています

七十二峰橋

七十二峰橋

 

七十二峰橋

桜橋は富山市本町の松川に架かる鋼2ヒンジアーチ橋です.橋長15.5m,幅員21.9mで長さより幅の方が広く川に対して斜めに架けられています.1935年の竣工で人や車だけでなく路面電車も通っています.1999年に橋梁としては県内初の国の登録有形文化財に登録されました.

桜橋
桜橋
桜橋

笹津橋(ささづばし)は富山市笹津の神通川に架かるメラン式鉄筋コンクリート橋です.現在の橋は1941年に完成した4代目で,5代目となる国道41号の新笹津橋が開通したことにより,車道橋の役目を新橋に譲り歩行者・自転車専用橋として残されました.橋長85.0m,幅員6.5m,支間長65.0mの現存する戦前の橋としては全国2番目のアーチスパンを誇ります.土木構造物としての技術価値に加え飛騨・中京地方を結ぶ橋として産業や交流に寄与したことが評価され,2000年に富山県の橋梁としては桜橋に次ぎ国の登録有形文化財に登録されました.

笹津橋
笹津橋
笹津橋
笹津橋
笹津橋
隣りには高山本線笹津橋

4代目笹津橋に代わり1981年に完成した新笹津橋は,国道41号の車道片側1車線(歩道なし)の鋼ソリッドリブアーチ橋です.笹津橋は飛騨,猪谷側から富山市街地方面へ車で走行すると,橋直前に急カーブを描き橋に進入することとなり,曲がりきれずに神通川に転落する大事故が幾度か起こっていました.新笹津橋は安全性を考慮し橋自体にカーブを設けるなどの対策を取っており,そのため橋長は125.0mと笹津橋より長くなっています.三菱重工業の施工です.

新笹津橋

神通川第三ダム(別称:神三ダムじんさんダム)は富山市須原の神通川に建設された堤高15.5mの重力式コンクリートダムで,北陸電力の発電用ダムになります.天端通路を歩き対岸へ渡ることが出来ます.1945年の竣工です.

神通川第三ダム
神通川第三ダム

千寿橋は富山市本宮と立山町の常願寺川に架かり,称名川の水を小見発電所へ送るための中路ブレーストリブタイドアーチ橋です.現在は水管上が管理用道路になっていますが,設計時は専用軌道となっていました.1931年竣工で増田淳の設計です.

千寿橋
千寿橋
千寿橋

富山市湊入船町の富岩運河環水公園(ふがんうんが かんすいこうえん)は富山湾と市内を結ぶ富岩運河の船だまりに整備された公園です.富岩運河は神通川を直線化する「馳越線(はせこしせん)工事」によって誕生した運河でしたが,戦後その役目を終え,1988年「とやま都市MIRAI計画」事業がスタート,1997年に環水公園として生まれ変わりました.

船だまり跡のカナルレイクに架かる天門橋は橋長58m,両側の鋼トラス橋(サイドブリッジ)が中央部の鋼単純非合成箱桁橋(センターブリッジ)にヒンジ結合で支えられる構造になっています.両端のエレベーターを備えた展望塔からは環水公園全体が一望でき,晴れた日は立山連峰を眺めることが出来ます.

天門橋
天門橋
天門橋

立山大橋は富山市本宮と中新川郡立山町を結ぶ常願寺川に架かる橋長401.0mの道路橋です.RC固定式アーチ橋(橋長245.0 m)および連続PC中空床版橋(橋長156.0 m)で構成されています.1999年竣工で,完成当時アーチ支間188mは国内第5位でした.メラン材の架設を新工法となるメラン直吊り一括架設工法で採用するなどアーチ橋技術をさらに進歩させたことが評価され,1999年度プレストレストコンクリート工学会賞の技術賞を受賞しています.

立山大橋
立山大橋

高岡・氷見(2023.7調査)

新湊大橋は射水市新湊地区の富山港と伏木港とを結ぶ全長3,600m(東西アプローチ部分を含む)の5径間連続複合斜張橋です.海上に架かる主橋梁部は600m,主塔の高さは127m,海面から橋桁までの高さは47mあり,日本海側最大級の2層構造斜張橋です.上層の車道は2012年開通,下層の自転車・歩行者道「あいの風プロムナード」は2013年に開通しました.2本の主塔から72本のケーブルで橋桁を支えています.隣接する海王丸パークには初代海王丸が恒久係留されており,夜はライトアップも行われています.2012年度の土木学会田中賞(作品部門)を富山県内の橋梁としては初めて受賞しています.

新湊大橋
新湊大橋と海王丸
新湊大橋
新湊大橋

比美乃江大橋(ひみのえおおはし)は氷見市の上庄川河口に架かる斜張橋です.2000年の完成で橋長112.0m,幅員21.0m,主塔の高さは51.0mで斜めに傾いた主塔は地引網を引き上げる漁師をイメージしています.春と秋は白色,夏は薄青色,冬は淡黄色季節と季節によりライトアップが変化します.

 

比美乃江大橋
比美乃江大橋
比美乃江大橋

 

栃波・五箇山(2023.7調査)

利賀大橋(とがおおはし)は南砺(なんと)市の庄川に架かる国道471号利賀バイパスの鋼上路式アーチ橋です.利賀ダムの工事用道路ならびに狭隘区間が続く国道のバイパス道路の一部として建設されました.利賀バイパスは現在,国道156号から分岐し本橋を渡った先の長崎温泉まで開通しており,将来的には山を超え旧利賀村中心部へのアクセス道路となる予定です. 橋長368.0mの赤いアーチ橋は,四季を通じて庄川峡の風景を楽しむことが出来ます.設計は大日本コンサルタント,施工はエム・エム ブリッジと宮地エンジニアリングのJVです.

利賀大橋
利賀大橋
利賀大橋
利賀大橋
利賀大橋
利賀大橋

 

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