ものつくり大学 INSTITUTE OF TECHNOLOGISTS

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高大連携詳細

埼玉県立岩槻商業高校コンピュータ部、本学にて3D体験

2023.06.30

【3年ぶりの開催】
岩槻商業高校コンピュータ部の生徒が開校記念日を利用して本学を訪れ、3DCAD・3Dプリンターの操作体験を行いました。

この取組みは、コロナによる中断を経て3年ぶりとなります。2007年度より2019年度まで高大連携事業の一環として、情報メカトロニクス学科の松本宏行教授を講師に、「コンピュータを活用したものづくり」の講義が行われてきました。岩槻商業高校の地元・岩槻は人形の街として有名です。同校の生徒がオリジナル人形のデザインを担当し、松本研究室が作品化したオリジナル人形の制作を行う取組みが進められてきました。

2023年6月5日、初夏を思わせるすっきりと晴れ渡る朝、藤森雅彦校長先生、藤波直美先生、池田果歩先生引率のもと、16名の生徒がものつくり大学を訪れました。本部棟での事前説明、PCパスワードを交付された生徒たちは、さっそく製造棟の教室に移動し、3Dで造形をする SOLID WORKS というアプリケーションの操作方法や3Dプリンターの使い方の講義に参加しました。大学の授業3時限分に相当します。

「生徒さんたちはPC操作の覚えが速く、順調に進めることができました。『PCを用いたものづくり』について生徒さんにとって興味関心を持ってもらえたようで良かった」と松本宏行教授は講義での印象を語っています。「商業科でIT系の演習(データ処理、会計)は多く体験していると思います。さらに、3DCAD・3Dプリンターなどのものづくりに繋がる分野にも見聞を広める契機になればと思います」。

【大学の迫力を体感】
種子島のロケットコンテストで優勝経験を持つアシスタント学生の助力もあり、岩槻商業高校コンピュータ部の生徒さんたちは、3DCAD・3Dプリンターを体験しました。何より大学で学ぶことがとにかく楽しくて仕方がない学生たちの表情、充実ぶりは引率の先生方にもひしひしと伝わったようです。

「ものつくり大学さんに、素敵な機会を与えていただきました。施設設備はもとより、学生さんが存分に使いこなせるまでの場を提供する大学の姿勢、そんな日常の一コマを、全身で感じました」と藤波先生は語ってくださいました。

松本教授の丁寧で温かな指導もまた、生徒さん達には魅力的だったようです。作品に込められた想いや、積み重ねられた作業工程の層の暑さなど、通常大学で行われる知識、技術、環境が惜しみなく提供される「迫力」は、ふだん味わえるものではありません。参加してくれた生徒さんの感想には「松本先生から3Dプリンターの素材の変化や研究成果などをお話いただけて、有意義な経験をすることができました。いろいろな先生方と話ができてためになったし、大学内でわからないことがあったとき、学生さんが優しく教えてくださって助かりました」といったものがありました。

【その場に足を運ぶことで見えてくるもの】
やはり大学に足を運ぶことで見えてくるものがあるようです。
「今まで見たことのなかったものや聞いたことのなかったものを実際にやってみることができて、どんどん新しいことができるようになっていく感じがとても楽しかった」。これは参加してくれた生徒さんの一人のコメントです。

「柔軟性の高い先生方をはじめ、関わる大学スタッフみなさまの懐の深さ、大きさによるものと感じます。先生方のお話も、お仕事(生き甲斐に見えました)かつ人間愛にあふれていて、うんうんと思わず声に出してしまうくらい頷きながら聞き入ってしまいました。学校とと違った、生徒の一面を見ることができ感謝しております」と藤波先生。

本来学ぶことは楽しいものです。ものをつくりながらその楽しさを存分に味わい、自分の持つ可能性を一段と引き上げられるのも、ものつくり大学ならではでしょう。中には、「学食のメニューがたくさんあって驚きました。食堂も広いし、学校が何倍も広くて、やはり大学はすごいと思いました。ものつくり大学に行ったことで、頭の中のファイルが一つ足された気分です」と語る生徒さんもいました。

大学の施設や先生方の指導に直接触れることで、生徒たちは自身の可能性を広げるきっかけを得たようです。このような体験をしていただくのに、オープンキャンパスに勝る機会はないでしょう。
本学の迫力に触れていただく上でも、まずは機会をとらえて来学していただきたいと願っています。楽しさから時間を忘れてしまう一日となるのは間違いありません。

《原稿》
教養教育センター 教授
井坂 康志

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