第1回ものつくり大学高校生デザインコンテスト
結果発表
審査結果
このコンテストは、高校生に身近にある好きなものなどから「カワイイ」と感じるものを掛け合わせた「デザイン」することの楽しさを体感してもらう機会を提供することを目的に開催いたしました。応募期間が短いにも関わらず、たくさんのご応募をいただきました。誠にありがとうございました。
1.デザインコンテスト審査結果の概要
- 応募期間中に、124作品の応募がありました。
応募期間が短かったにも関わらず、多数の応募をいただきました。 - 委員や学生を含めて投票を行いました。獲得した票が多いものから最優秀賞・優秀賞・奨励賞を検討しま した。
- 入賞作品は下表のとおりです。各賞の賞状および景品は応募者の所属校へ送付します。
- 次年度もコンテスト形式で実施します。
入賞作品一覧
部門 | 受賞 | 作品タイトル |
---|---|---|
アイデア | 最優秀賞 | 普段使い可! Way!?作業用エプロン |
優秀賞 | upplen | |
奨励賞 | 青虫えんぴつ立て | |
奨励賞 | アイスお守り猫さん | |
奨励賞 | カワイイくまケーキのファッションデザイン画 | |
奨励賞 | デジタル×アナログ時計 | |
奨励賞 | 雨デモ 透ケテ 見エル 可愛イ ビニール傘 | |
ものづくり | 最優秀賞 | わたし、糸 |
優秀賞 | 釜無の煌めき~硝子の妖精たち~ | |
奨励賞 | 長夜燭火 | |
奨励賞 | 甘いホッチキス | |
奨励賞 | ケリー牛乳 | |
奨励賞 | ハリネズミティッシュケース | フォト | 最優秀賞 | 季節の楽しみ |
優秀賞 | 道端に咲く彼岸花 | |
奨励賞 | チューリップ | |
奨励賞 | 浴衣アイドル「Tint2」 | |
奨励賞 | 白い花 | |
奨励賞 | *梅* | |
奨励賞 | いつもの通り | |
奨励賞 | うちの猫 | |
奨励賞 | 可愛い!! |
2.デザインコンテスト講評
全体総評
この度は、第1回ものつくり大学高校生デザインコンテストに応募総数124点(40校)のご応募をいただき、誠にありがとうございました。厳正なる審査を行いました結果、各部門で最優秀賞1作品、優秀賞1作品、奨励賞を選出いたしました。「カワイイ」の言葉に続く物事は、今や無尽蔵に拡張する文化として国際的にも認知されるようになりました。そのような背景から今回のコンテストでは皆さんの周囲の「カワイイ」から発想豊かに表現された作品が数多く集まり、様々な視点で「カワイイ」を捉えていることが伝わってきました。特に、各部門の最優秀賞の作品には可愛さに加え美しさや明確なコンセプトがあり、目を見張るものがありました。本コンテストにご応募下さった高校生の皆さん、ご指導頂いた先生方、誠にありがとうございました。
高校生デザインコンテスト委員長 江原 聖直
授賞作品講評
ものづくりの作業をしていると、どうしても作業着を着なくてはならない場面に直面します。また、作業を少し離れる時に着替える時間や場所がなく、そのまま作業着で過ごすことが多くなります。カワイイと機能性の両立することの難しい作業着のデザインにおいてとても難しかったと思います。着てみたい!と思わせる魅力的なデザイン。作業場を離れるときには道具の入ったポーチや汚れたパーツを取り外せる便利なデザイン。アイデア部門の最優秀賞にふさわしい作品です。
5つの特長を強調した魅せ方の工夫がされていました。実際に使用するときの具体的な状況を考えている点が素晴らしいと思いました。さらに、カラーバリエーションを含めた製品展開を考慮している点も優れています。
糸という素材を用いて、少女の実体ではなく中空の空間を形にしたという点が、儚くも美しい表現として結実しています。宙を飛ぶ赤い糸もまた、空間をまとうことでその儚さを強調し、内部がないことで却って少女の心情表現にまで到達しているといえるでしょう。手法としては岩崎貴宏さんのアートを思い起こさせる、見る人にどうやって作ったのか考えさせるような、繊細な超絶技巧も目を見張るものでした。
山梨県南アルプスの釜無川支流である流川と塩沢川の源流に釜無水源の森があります。釜無川付近に住まう人々は、田植えの時期に日照りの影響が大きく村人たちは流川を遡行し、山頂から雨乞いをし、命水を得るために大きな願いを込めてお祈りを続けてきました。本作品は、願いのこもった釜無川の水流をトンボ玉やガラス玉等の妖精に例えて制作してくれました。また、古の人々の気持ちが現代風にかわいく表現されています。ガラス玉等を加工する等、一工夫あれば更に高評価を得たと思います。
現代は、大概の人がスマートフォンを持ち、何かがあるとスマホを傾けスナップを撮る。そして、それらの写真は記録としてSNSで拡散されていく。最優秀賞に選出された「季節のたのしみ」は、最も高得票を得た作品であり、レンズ焦点によるボケの領域の美しさは本来の写真表現としての技術力、桜という季節の移ろいを切り取った時間性、そして被写体への愛情が相まって素晴らしく、カワイイ作品となっている。
今回のコンテスト課題の難しさは、「カワイイ」をそれぞれの作者でいかに定義するか、という点にあります。フォト部門優秀賞「道端に咲く彼岸花」の作者は、彼岸花の高彩度の赤と独特の形態に「カワイイ」を見出したのでしょうか?その斬新な視点と、浅い被写界深度が醸し出している、儚げな世界観を評価しました。
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