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建設学科・小野泰教授らの活動が「2019年日本建築学会教育賞(教育貢献)」を受賞しました

2019.04.23

技能工芸学部建設学科・小野泰教授らの活動『木造耐力壁ジャパンカップの開催』が、「2019年日本建築学会教育賞(教育貢献)」(主催:一般社団法人日本建築学会)を受賞しました。
「日本建築学会教育賞(教育貢献)」は、建築教育の発展に貢献した教育プログラム・機材等の業績に対し与えられます。

受賞題目
「木造耐力壁ジャパンカップ開催による木質構造設計の学びの場の創出」
受賞者
稲山正弘(東京大学大学院教授)
小野 泰(ものつくり大学教授)
岩崎敏之(静岡文化芸術大学准教授)
中里 想(日本建築専門学校教員)

受賞理由 [(一社)日本建築学会ホームページより引用 https://www.aij.or.jp/]
 本教育活動は、参加チームが創意工夫して設計し加工してきた実大木造耐力壁をイベント会場で組み立て、2チームの壁を並べて設置し、両者の桁を油圧ジャッキで繋いで、どちらか一方の壁が破壊するまで対戦させるイベントを開催するものである。トーナメント方式で壁を戦わせて水平耐力の最も高い壁に「強度トーナメント優勝」が授与されるが、「ジャパンカップ優勝」は耐震性(荷重変形包絡線の面積で評価)とデザイン性の合計点を総合コスト(材料費+加工費+施工費+環境負荷費)で割った値(コストパフォーマンス)が最も高い壁に授与される。
 本イベントは、「水平耐力が高く、粘り強い木造耐力壁を、材料・加工費や施工費などのコストをできるだけ上げずに達成させ得るか」といった総合的な構造設計能力を問うように、教育上の創意工夫が行われている。このイベントにより、参加者は自ら考案した耐力壁の荷重変形特性、破壊性状、施工性・解体のしやすさ、コストバランスを確認するとともに、新たな知見を得ている。また、他チームの創意工夫された様々な耐力壁の破壊性状を観察することにより多くのことを学んでいるなど、教育上の効果が認められる。
 木造耐力壁の最大耐力は接合部の破壊によって決まり、その破壊性状は様々且つ複雑で、材料や施工のばらつきにも左右される。従って、適切な構造設計を行うためには材料特性や破壊事例などについて実験を通した経験から体得することが必要である。学校の授業や構造設計業務では、この経験を得る場を設けることは容易でない。本イベントは1998年から2017年までの20年間の長きに渡って開催され、この経験を積む場を提供してきた。参加チームは教育機関が多く、参加校は大学、大学院、専門学校、職業能力開発大学校、企業内訓練校など多岐に渡っている。2018年は引き継ぐ形式で「壁-1グランプリ」として新たに開催された。
 以上、本教育活動は、20年の長きに渡って「木造耐力壁ジャパンカップ」を開催し、実体験に基づく木造構造設計の学びの場を数多くの学生及び木造建築技術者に提供してきたことが高く評価できる。

関連情報
(一社)日本建築学会ホームページ
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