ものつくり大学 INSTITUTE OF TECHNOLOGISTS

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研究・産学官連携

2023年度 ものつくり大学社会人教育プログラム


上田惇生記念講座「ドラッカー経営学の真髄」

上田惇生名誉教授は、ものつくり大学の英語名称「Institute of Technologists」の名付け親であり、「現代経営学の父」と呼ばれるドラッカーから、最も親しい友人、日本での分身と呼ばれていました。また、ドラッカー学会初代代表を務め、「プロフェッショナルの条件」等「はじめて読むドラッカー・シリーズ」四部作、「エッセンシャル版マネジメント」をはじめ、ドラッカー著作のほぼすべてを翻訳しました。
2019年1月にご逝去された上田惇生名誉教授の功績を讃え、生前に交流のあった経営者、研究者、コンサルタント等を講師に招き、ドラッカー経営学の最も中心的な部分を語ります。

上田 惇生(1938 ~ 2019年)
1938年埼玉県生まれ。64年慶応義塾大学経済学部卒業。日本経団連広報部長、ものつくり大学名誉教授、立命館大学客員教授、ドラッカー学会初代代表等を歴任。『プロフェッショナルの条件』等「はじめて読むドラッカー・シリーズ」四部作、『エッセンシャル版マネジメント』をはじめ、ドラッカー著作のほぼすべてを翻訳。ドラッカー自身からもっとも親しい友人、日本での分身とされた。ドラッカー経営思想の普及によりベスト・リスクマネジャー・オブ・ザ・イヤー2001(リスクマネジメント協会)受賞、埼玉県知事表彰「文化功労章」受章。

  • 期間 2023年6月27日 10時 ~ 9月30日
  • 対象 ミドルマネジメント・ 中間管理者
  • 形態 オンデマンド講座(時間や場所の制限なく、期間内であれば何度でも視聴できます)
  • 定員 100名
  • 受講料 30,000円(税込)
    ※サポーター(協賛団体)は、15,000円(税込)
  • 配信日 6/27(火)、7/4(火)、7/11(火)、7/18(火)の全4回
  • 受講申込み 2023年4月1日 ~ 9月30日
  • パンフレット(PDF: 3 MB)


第1回(6/27)「人と業績」 
講師:井坂 康志


人は老いて死ぬまで、多くの人々との出会いの中を生きていきます。出会いとは多くが偶然でありながらも、最も有効な教育者でもあります。とりわけ私にとって最も偉大な先生が、上田惇生先生でした。2001年以来、上田先生の翻訳やエッセイ、私の質問に答える形で語った様々な知恵の中から万華鏡のように浮かび上がる世界について語りたいと思います。ドラッカーは現在も読み継がれ、読み手の心の中に生き生きとした心象を呼び起こしています。『マネジメント エッセンシャル版』は今なお年に1万5000部も読まれています。このように上田先生の翻訳が共感を持って読まれ続けるのはなぜなのでしょうか。エピソードを交えて、読者を魅了してやまないその美しい言語世界を語りたいと思います。

ものつくり大学教養教育センター教授/ドラッカー学会共同代表
1972年埼玉県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業、東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得退学。博士(商学)。著書に『ドラッカー入門 新版』(ダイヤモンド社)、『P・F・ドラッカー マネジメント思想の源流と展望』(文眞堂、経営学史学会奨励賞受賞)等がある。


第2回(7/4)「ドラッカーに学ぶ人間学」 
講師:佐藤 等


これまで公認会計士としての経験を生かして多くの企業や専門家と接してきました。多くの人々と関わりながら、ドラッカーの研究を続け、「いかに生きるか」という問い、ドラッカーの人間学がどれほど人や社会の営みを豊かにするかを見てきました。人生と仕事において何が大切なのか。人が生を享けて死を迎えるまでに何を成し遂げられるのか。上田先生とドラッカーのなかには、そのような本質的な問いが存在しています。二人の語ったことを真摯に振り返りつつ、マネジメントが本来持つ深い意味をお伝えしたいと思います。

ドラッカー学会共同代表/実践するマネジメント読書会®創始者/公認会計士・税理士
1961年函館市生まれ。2003年から続く学びの場ナレッジプラザ創設メンバーにして、ビジネス塾・塾長。ドラッカー教授の教えを広めるため、各地でドラッカーの著作を用いた読書会を開催している。著書に『実践するドラッカー』(ダイヤモンド社)、『ドラッカーを読んだら会社が変わった』、『ドラッカー教授 組織づくりの原理原則』(日経BP 社)、最新刊『ドラッカーに学ぶ人間学』(致知出版社)がある。


第3回(7/11)「ドラッカーが大切にしていたこと」 
講師:八木澤 智正


2000年代初頭、私はカリフォルニアのクレアモント大学院大学ドラッカー・スクールに留学し、そこで獲得したものをもってその後の時代状況と人生に対峙してきました。ドラッカー・スクールでは、現代を生き抜く上で強靭かつしなやかな思考を学ぶことができたと考えています。では、ドラッカーの講義とはどのようなものだったのでしょうか。彼は何を語り、時代をどのように読んでいたのでしょうか。知られざるドラッカーの名講義の内実をお伝えしたいと思います。

ドラッカー学会理事・事務局長
2004年、米国クレアモント大学院大学・ドラッカースクール・オブマネジメント修了。学位:MBA・教育学修士。ドラッカーに師事した最後の日本人学生の一人。20年近くに渡ってドラッカー・スクールで学んだマネジメントを実践に活かし、新製品の上市・マーケティング・コングロマリット経営戦略・規制緩和・グローバル人材開発・投資家対応・新規事業創出などに取り組み、成果をあげてきた。現在、製薬企業の経営企画部で事業戦略・組織開発に従事。


第4回(7/18)「乱気流の時代のセルフマネジメント―何をもって憶えられたいかを考える」 
講師:国永 秀男


膨大な体系となっているドラッカー・マネジメントの中でも今回はセルフマネジメントについてお話ししたいと思います。とりわけ、「何をもって憶えられたいのか」という問いを中心に取り上げます。私たちが今生きている社会は、どのような歴史的変遷を経て、この現代に至っているのか。主に産業革命以降の産業社会の成り立ちについて、なぞっていきます。さらには、ドラッカー教授が断絶の時代と名付けられたほどの変化の先にある社会を、今、垣間見えてきたさまざまな技術革新、AIを始めとするIT 変革なども交えお話しいたします。こうした視座において、自分自身と社会との関係を考える一助にして頂けることを願っております。

株式会社ポートエム代表取締役/ドラッカー塾講師
1962年生まれ。経営コンサルティング歴30年超。生前、ドラッカー教授を毎年訪ね、直接アドバイスを受ける。「正しいマネジメントの導入こそがエクセレントな企業をつくる」と主唱し、経営理念の確立やトップマネジメントチームの構築あるいは経営戦略の策定まで、経営者と膝詰めで作り上げる親身な指導に定評がある。1999年、経営を学ぶ場を提供するため、(株)ポートエムを設立。Eラーニングなど最新の手法を駆使し、実際に経営に携わる顧客のためにマネジメントを体系的に学ぶための支援を続けている。




【上田惇生記念講座開講に寄せて】

井坂康志 ものつくり大学教養教育センター教授/ドラッカー学会共同代表

 上田先生との出会いの衝撃は、今なお記憶に鮮明である。それは2001年3月8日のことであった。上田先生は偉大な思想家ドラッカーの翻訳者として、同時にものつくり大学開学に果敢に挑戦する実践者として、私の眼前に忽然と立ち現れた。上田先生の志と行動は、長期的経済停滞に苦吟する日本において、とりわけ強力な指南力を示し続けていると思った。
 以来、約20年にわたる上田先生との対話の旅が始まった。その旅は、28歳だった私にとって、何より心楽しむものであり、また若輩の私が何者かを知る上でかけがえのない導きの旅でもあった。それは、一人の青年が世の中に目を開くうえで誰しも通る道なのかもしれない。その導師はほかならぬ上田先生であった。
 第一に、上田先生との旅は私を小さな逼塞した生活から引っ張り出し、それまで見たことも聞いたこともない広やかな世界を見せてくれた。そして、それらの持ついきいきとした魅力と大切さを身をもって教えてくれた。その後上田先生と交わした対話の多くは私自身のライフワークとなっている。上田先生の口癖は、いつしか私の口癖となっている。
 第二に、上田先生は私にとってのみでなく多くの人々にとって、強みの上に人生を築くうえでの喜びを如実に伝えてくれる稀有な激励者であり続けた。上田先生はその意味で、先生の言葉をそのまま借りて言えば、「ささやかに、しかもにぎにぎしく」ことに対処すべきであって、強みにのみ注視する価値をその風通しの良い、あたたかなお人柄をもって示してくださった。
 第三に、上田先生は私にとって、知と行の持つ融合的価値とその尊厳を教えてくれた実践家として卓越した模範であり続けた。ものつくり大学、ドラッカー学会設立の出発点は、上田先生が苦労の後に獲得した訳語「真摯さ」の実質的展開を主題としていた。このことを通じて、私は現実的課題を見る人間主義的ヴィジョンを欠くならば、どれほど巨大な成果を上げたところで、社会は腐敗していくことを学んだ。
 今から振り返ってみると、上田先生の存在は、強みや真摯さなどのドラッカーによる固有の意味と価値を日本社会において具現化していく課題について、かけがえのない光を投げかけ続けておられたと思う。
 「上田惇生記念講座」は、私にとって、今は亡き上田先生との対話の継続という意味合いを持っている。多くの方々に数々の触発と激励を惜しまれなかった上田先生との日々を思い起こすとき、私はものつくり大学の研究室でひざを突き合わせ、貴重な語らいを交わすことができたことに感謝の念を新たにしている。
 2019年1月初旬、忽然と天に召されてしまった上田先生にこのささやかな講座を捧げることをお許しいただきたい。

主催 ものつくり大学ものつくり研究情報センター/教養教育センター
協賛 ドラッカー学会 等



発起人の言葉(五十音順)

井上 渉 様
㈱日刊工業新聞社取締役/編集担当兼編集局長

業績と功績は、今なお多くの人々に影響を与えています。上田記念講座は、そのお人柄と偉大な実績に触れるかけがえのない機会であり、今後のビジネスリーダーにとって大きな示唆を与えることでしょう。

小川 秀樹 様
㈱埼玉新聞社相談役

ドラッカーは、社員や顧客などすべてのステークホルダーを大切にする経営の考え方を説きました。今こそ人間中心のマネジメントを学ぶ絶好の機会です。


白根 武史 様
トヨタ自動車東日本㈱/シニアエグゼクティブアドバイザー

上田惇生先生は、日本を代表するドラッカー研究者であり、卓越した翻訳家としても知られている。その思想や功績を後世に伝えることを目的とする本講座の設置を心から喜びたい。また、本講座がテクノロジスト育成の一助となり、グローバルに活躍できる人材が巣立っていくことを期待したい。

寺島 実郎 様
多摩大学学長/日本総合研究所会長

この講座は、ドラッカーの所説を理解し、実践するための包括的なプログラムとして強い期待を寄せている。発展を祈念したい。

野上 武利 様
さいたま市教育委員会委員、埼玉県経営者協会シニアアドバイザー

「知りながら害をなすな」の励行(実践)こそドラッカー哲学修学者の責務であり矜持だ。

原 敏成 様
埼玉県経営者協会会長

ものつくり大学教授陣によるオンライン授業を通じて、マネジメント・スキルをより高次元で発展させたいリーダーやエグゼクティブ、起業家にとって意味ある講座と考えます。

細井 保雄 様
行田商工会議所会頭

この講座は、地域リーダー、中小企業経営者、公共部門のリーダーや政策決定者をはじめ、故郷の発展に興味の ある人々にとっても価値あるものとなっています。関係者には受講をお勧めしたいと思います。

宮本 洋一 様
学校法人ものつくり大学名誉会長、清水建設㈱代表取締役会長

この講座は、経営者やエグゼクティブ、中堅管理職を対象にしており、ビジネスのみならず人と社会にとって必要 な知識の提供を目的とする点で価値あるものとなっています。本講座を推薦したいと思います。



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