ものつくり大学 INSTITUTE OF TECHNOLOGISTS

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学長 赤松 明より 2020年度新入生へお祝いの言葉

2020.04.03

2020年度 ものつくり大学・大学院 新入生諸君

ものつくり大学に入学された諸君、入学おめでとう。ものつくり大学は、皆さんを心から歓迎します。これまで皆さんの学業を支えてこられた保護者の皆様、ご家族の皆様には、心から敬意を表します。

2020年度は、新型コロナウイルスの影響で入学式を開催することができず、入学生、保護者の皆様、関係者の皆様には、多大なご迷惑とご心配をおかけしております。本学も、入学生の皆さんを大いに歓迎し、その心意気をお見せすべく、様々な企画を考えておりましたが残念ながら、それをお目にかけることが叶いません。新型コロナウイルスの感染が収束するまでは、何かと不自由な環境下で、大学生活をスタートしなければなりません。この間、ウイルスに感染しないよう、次の3つの集団感染拡大要素を避けることを必ず守って毎日を過ごして下さい。
①密閉空間を避けること
②手の届く距離に多くの人がいる空間を避けること
③近距離での会話・発言がある空間を避けること
また、学内の新型コロナウイルスのリスクに関する掲示や資料を必ず熟読しておいて下さい。

さて、ものつくり大学は、本学の名誉総長で我が国を代表する哲学者の故梅原猛先生によって命名されました。本学の校歌にも歌われています、ものづくりは縄文の時代から、我が国の誇りと言える優れた伝統であり、古来の大和(やまと)言葉は濁点をふらないということから、ものつくり大学と命名されました。そして、ものつくり大学の基本的な教育方針は、王陽明がおこした学問である陽明学の基本思想の一つである知行合一にあるとされ、真の知識は、実践によって裏付けられていなければならないとされています。このことは、ものつくり大学の教育理念に記されているよう理論と実践が車の両輪のように一体化した教育を行うということに他なりません。そして、梅原先生は、ものつくり大学こそ、ものづくり文化を担う大学であるとされました。

一方、英語名 Institute of Technologistsは、「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」で、多くの方々がご存じの社会生態学者の故ピーター・F・ドラッカー先生によって名づけられました。ここで言う「テクノロジスト」とは、単に理論がわかるだけでなく、高度な技術の腕も併せ持っている人のことを言います。ものつくり大学は、このテクノロジストを育成することを目的としています。また、本学の図書館にあります、1999年発刊のドラッカー先生著作、ものつくり大学名誉教授故上田淳生先生翻訳による「明日を支配するもの」のなかに、テクノロジストこそ、先進国にとって唯一の競争力要因である」また「テクノロジストについて体系的で組織だった教育が行われているのはごくわずかの国でしかない。従って今後数十年にわたり、あらゆる先進国と新興国においてテクノロジストのための教育機関が急速にふえていく」と記されています。

このように、ものつくり大学は梅原先生のおっしゃる知行合一、ドラッカー先生の言うテクノロジストの育成を教育目標にしています。そこで、ものつくり大学は、実学を重視し、従来のように理論から入るのではなく、まず現実のものに接することで問題を発見し、解決方法を見出して、自ら企画・制作するというプロセスを大切にする人材を育成することを目的として2001年に創立されました。そして、今年で20年目を迎える、まだまだ新しい大学です。ものつくり大学は、我が国のものづくり文化をになう大学だからこそ、従来の工学系大学とは全く異なった発想で、ものづくりを学ぶことができます。

本日、皆さんは、ものつくり大学技能工芸学部およびものつくり大学大学院ものつくり学研究科の新入生となりました。学部生は4年後、技能工芸学士として、大学院生は2年後、ものつくり学修士として、自信と誇りを持ってテクノロジストとし社会に巣立っていくことでしょう。今は、「将来こんな人間になりたい、あんなことを成し遂げたい」という希望で胸が膨らんでいることと思います。その希望を卒業後も修了後も、持ち続けてほしいと思います。

ところで、私は、大学卒業後、40数年の長きにわたり大学人として教員生活を過ごして来ました。しかし、未だに問題が起こったときに挫折してしまいそうな時があります。そのとき、今の私を支えているのは、若い頃に経験した、一瞬の達成感を味わったことがあってのことだと思っています。新入生の皆さん、若いときには挑戦あるのみです。多くの挑戦と失敗ができるのは、若い皆さんに与えられた特権です。

将来の目標や夢を実現するためには、必要な専門力と人間力を身につける必要があります。あるときには、夜を徹してでも、人と話したり意見を聞いたりしなければなりません。切磋琢磨する同期の仲間、課外活動などで生活を共にする先輩や後輩などです。この仲間とのコミュニケーションが、大学生活に大きな影響を及ぼします。そして、この仲間が、将来の自分と最も関わりのある人達に成るはずです。

今日から始まる、大学生活では、何をするにも、自分で判断し、自分で実行しなければなりません。高校時代は、保護者の皆様や先生から、これをしなさい、あれをしなさいと指示され、その指示を待って実行すればよかったのですが、これからは、そうはいきません。既に多くの皆さんは、選挙権を持っています。このことは、社会から皆さんが自ら判断でき行動できると評価されているということです。そして、今何をしなければならないかを常に考え、楽しく、有意義な4年間または2年間を過ごしてください。
私たち教職員は皆さんを支援します。

令和2年4月3日

ものつくり大学学長 赤松 明

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※本日、4月3日(金)に予定しておりました本学入学式は、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、中止をいたしました。
つきましては新入生の皆様に贈る言葉として、本日予定しておりました学長および会長のお祝いの言葉、新入生誓いの言葉を掲載いたします。
本学教職員一同は、新入生の皆様のご入学を心から祝福しております。

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