ものつくり大学 INSTITUTE OF TECHNOLOGISTS

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スターリングエンジン
プロジェクト「MSEP」

こんにちは!MSEPです!

「ものつくり大学スターリングエンジンプロジェクト」(以下MSEP)は、毎年11月に行われるスターリングエンジンの大会「スターリングテクノラリー」への参加を目的とした学生プロジェクトです。
MSEPでは、スターリングエンジンや、それを応用したスターリングクーラーを設計・制作し、海外を含む大学生や高校生、社会人等(およそ200チーム)と競技大会にて競い合います。

模型スターリングエンジン(奥2つ)と
MMクラス用マシン(手前)

二輪型人間乗車クラス車輌

「スターリングエンジン」とは?

スターリングエンジンは、1816年にスコットランドの牧師「ロバート・スターリング」が発明した外燃機関で、エンジン内部の気体に温度差を与え、収縮・膨張させることで動作します。また、高効率な「カルノーサイクル」に近い「スターリングサイクル」で動作するため熱効率が高いエンジンです。乗用車等で用いられる内燃機関は燃料に制約がありますが、スターリングエンジンは外燃機関のため、石油はもちろん、バイオマス燃料や地熱、太陽光など、温度差を得られれば動作させることができます。また、内燃機関のように爆発を伴わないため、排気ガスはクリーンで動作音も静かです。

模型スターリングエンジン

このように、スターリングエンジンは、

  • 様々な燃料を用いることができる
  • 熱効率が高い
  • 排気ガスが綺麗
  • 静音性が高い
  • 爆発現象を伴わず、安全
  • 構造が簡単
という特性から環境にやさしいエンジンと言われています。

また、スターリングエンジンは、「高温」と「低温」の「温度差」を与えることで「動力」を取り出すことができますが、逆に「動力」を与えてあげると「高温」と「低温」の「温度差」を得ることができます(逆サイクル)。この特性を利用して極低温を生み出す冷凍機が、研究機関や企業で利用されています。


スターリングテクノラリー

躍動するスターリングエンジン

「スターリングテクノラリー」は、スターリングサイクル機器の性能とアイデアを競う競技会です。
青少年の工学に対する興味・関心の喚起とスターリング機器関連技術の発展・向上を目的としています。大会では、まず車検を受け、規則違反が無いか調べた後、合格したら「車検合格証」を貰うことができます。
車検後に各競技場所で競技に挑みます。どの種目でも主に性能が審査されますが、斬新な原理や機構、熱源を使用するエンジンにはアイデアを評価する「アイデア賞」があり、大会エントリーシートと共に提出する「アイデア説明書」にエンジンの独創性をアピールする必要があります。
「スターリングテクノラリー」では、スターリングエンジンを使用するのはもちろんですが、ほとんどの種目がエンジン単体ではなく、人間が乗る乗り物からミニ四駆のコースを走るものまで、エンジンを載せた「車両」で競うため、エンジン単体の性能だけではなく、車体も含めたバランスの良い設計が要求されます。

各種目の概要

(L)人間乗車クラス

スターリングエンジンを載せた車両に人間が乗り、一定の走行時間に定められた周回路を何周できるかを競います。他種目と比較してエンジンや車両が大きいため、1つ1つの部品の製作に時間が掛かります。また、加わる荷重も比較にならないくらい大きく、人間が乗車するため、設計は耐久性や安全性、振動軽減等に重きを置き設計をおこなっています。


RC(RC)クラス

エンジンを搭載した車両に無線装置を付け、規定の周回路を走り抜ける速さを競います。エンジンはミニ速度クラスよりも少し大きいくらいですが、車体はステアリング機構や減速機、上位チームの車両においてはサスペンションや変速機、クラッチ等、多くの部品で構成されており、まるで小さな自動車のようです。


(M)ミニ速度クラス

タミヤのミニ四駆程度の大きさの車両で、ミニ四駆規格でオーバル状のコースを1周するタイムを競います。走路が短く、競技自体は一瞬で終わるため、完走を目的とするならば一番簡単な種目です。しかしシンプルであるがゆえに他のマシンとの性能差が出しにくいため、上位を目指すならばシビアな設計・調整が必要です。


(MA)ミニ宙返りクラス

宙返り垂直ループ5つを含む、ミニ四駆規格の走路を周回して宙返りの回数を競います。宙返り垂直ループは、ミニ速度クラスで上位に入る程度の速いマシンでないと通過できないため、ミニ速度クラス用に製作して、調子の良かったマシンを持ち込むチームが多いです。中には燃料タンクとバーナーを搭載し、圧倒的な走行距離を誇る専用設計の車体もあります。


(MM)マイクロクラス

タカラトミーのチョロQ程度の大きさの車両で、チョロQ規格でオーバル状のコースを周回する回数を競います。車体がとても小さく、設計・製作には繊細さが要求されます。コースを1周以上走る事ができ、車体が一番小さい車両には、「マイクロ賞」が授与されます。


(HW)お湯熱源クラス

搭載した湯と室温との温度差により、走路(平坦な 5.5m 周回路)を走行し、走行距離を競う、2019年度新設競技です。


(C3/C100)クーラークラス

大気圧空気を作動ガスとするスターリング冷却器の競技種目です。エンジンの温度差や、省エネ度を競います。他の種目のようにマシンが走るわけではないため、地味に思われがちですが、優れた冷却性能があり、商品化もされているスターリング冷凍機が用いる、スターリングエンジンの「可逆サイクル」を再確認する重要な競技だったりします。また、温度センサー取付け部は0℃を下回る低温になることもあるため、他種目のエンジンとは違った設計思想が必要です。


沿革

2009年MSEP発足
2011年人間乗車クラス3位「MSE-1」
RCクラス4位「MSE-2」
2012年人間乗車クラス2位「MSE-NEO」
RCクラス4位、アイデア賞「MSE-RMS」
2013年ミニ速度クラス1位(大会新記録1.22[s])「T-KING」
ミニ速度クラス2位「StmW10-1」
ミニ速度クラス3位「森田朗一号」
RCクラス5位「MSE-SD1」
2014年人間乗車クラス3位「AUTO TRUCK」
RCクラス2位「StmFW-20」
RCクラス5位「おざわっち」
ミニ速度クラス1位「SEY1-SEED」
2015年人間乗車クラス1位、デザイン賞金賞「Chappie」
人間乗車クラス2位「Puff」
クーラークラス4位「しろくま1号」
2016年人間乗車クラス1位「M&S-LE200c-2 “Delta”」
人間乗車クラス3位「T&S-d100”Take”」
RCクラス1位「無号第七十六競技車乙型」
RCクラス5位「ロイヤルスコット」
ミニ宙返りクラス6位「SEY2-SPROUT」
ミニ速度クラス1位「MZP-SE01」
スターリングエンジン普及協会賞「無号第七十六競技車乙型」
2017年人間乗車クラス1位「M&S-LE200c-2“Ω”」
ミニ速度クラス4位「にちまき」
ミニ速度クラス5位「かっちゃん1号」
2018年人間乗車クラス1位「Σ」
ミニ速度クラス入賞5位「たいえびさん」
ミニ速度クラス入賞6位「Luxon-γ」
2019年人間乗車クラス1位「Teo」
ミニ速度クラス2位「月光 十八年式ニ型」
アイデア賞銀賞「試制Gボディ1号機」
2020年新型コロナウィルス感染症拡大のため不参加
2021年人間乗車クラス、ミニ速度クラス出場

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