山形の橋

  

最上(2024.8調査)

きごころ橋は金山町の中心部,金山川を跨ぐ金山大橋の歩道橋として2004年に架設されました.金山杉と金山職人の技が活かされた橋は,「木のこころ」と「気心知れた」から公募により命名されました.橋長58.6m,幅員3mであり,屋根があるため,使用されている木材の腐食は少ないようです.主桁は鋼構造です.

   

きごころ橋
きごころ橋
きごころ橋
きごころ橋
きごころ橋
きごころ橋

   

   

古口大橋は戸沢村の最上川に架かる4径間連続ワーレントラス橋です.橋長417m,支間長63m,1966年に瀧上工業の施工です.2004年に下流側に自転車と歩行者の専用道路として古口大橋歩道橋が併設されています.上流側に架かるのはJR東日本 陸羽西線の第一最上川橋梁です.

  

古口大橋
古口大橋
古口大橋と古口大橋歩道橋

   

   

第一最上川橋梁は,陸羽西線の津谷~古口間に架かる橋長254m,橋長62.4mの4径間単純ワーレントラス橋です.現在の橋は1973年架替えの2代目になります.

  

第一最上川橋梁
第一最上川橋梁
第一最上川橋梁

 

 

堀内橋は舟形町の県道36号線を通り,最上川に架かる橋です.橋長180.9m,支間長84m,幅員5.5mの3径間ゲルバートラス橋です.瀧上工業が施工しました.1956年の完成から65年以上が過ぎ,補修工事も行われてきましたが,幅の狭さや老朽化などにより架替え工事が進められており,隣に新しい橋脚が築かれていました.景観的に美しい中間支点部が上に尖ったゲルバートラス橋ですが,消えていくのはとても残念です.

 

堀内橋
堀内橋
堀内橋
堀内橋

 

村山(2024.8調査)

猿羽根(さばね)大橋は,尾花沢市の毒沢地区と国道13号を結ぶ3径間連続平行弦ワーレントラス橋です.橋長182m,支間長60.4m,1973年の完成で,日本鋼管が施工しました.

 

猿羽根大橋
猿羽根大橋
猿羽根大橋

 

大浦橋は大石田町にある最上川に架かる橋です.県道123号線が大浦と駒籠(こまごめ)地区とを結んでいます.橋長210m,支間長108.98mのトラスドランガー橋で,1981年の完成,川田工業・佐藤鉄工の施工です.渡し舟や後に設置された鉄製の吊橋で対岸の小学校まで通っていた児童が,この橋の完成により安心して登校出来るようになったそうです.

 

大浦橋
大浦橋
大浦橋
大浦橋

 

大橋(大石田大橋)は大石田町の県道121号線上,最上川に架かる橋長145.5m,支間長70.4mの橋です.1930年に櫻田機械製作所の施工で,国内現存最古のゲルバートラス橋ですが,治水対策として現在より60m下流に路面を5m高くしての架替えが計画されています.2025年度から新橋および取付道路の整備,2029年度には橋の撤去工事が始まる予定です.保存してほしいものです.

 

大橋
大橋
大橋 (上流側は変わった形の水管橋があります)
大橋
大橋

   

   

竜神の吊橋は,村山市の大槇地区と河島地区を結ぶ最上川に架かる歩行者専用の吊橋です.河島側にある村山市農村文化保存伝承館の完成に合わせて建設され,1993年3月に開通しました.橋長160mで,側径間は単純桁橋であり,中央径間のみ吊り構造です.橋名は、河島地区にある竜神を祭る八大竜王神社に由来しています.

   

竜神の吊橋
竜神の吊橋
竜神の吊橋
竜神の吊橋
竜神の吊橋
竜神の吊橋
竜神の吊橋

   

  

河北(かほく)橋は,河北町の北部と東根市を結ぶ県道25号線上に架かるランガー橋です.大きさの異なる2連の赤いアーチが目を引きます.橋長441.7m,最大支間長62m,1966年に石川島播磨重工業が施工しました.

   

河北橋

   

   

旧最上橋は,寒河江市の最上川に架かる3径間のコンクリート上路アーチ橋です.橋長97.6m,支間長32m,1940年の完成で2003年度の土木学会選奨土木遺産に選定されています.2003年12月に左沢バイパスの完成により新しい最上橋が完成した後も,重量制限を設けながら使用されています.

   

旧最上橋
旧最上橋
旧最上橋

   

  

最上川橋梁は,JR東日本 左沢(あてらざわ)線 羽前長崎~南寒河江間に架かる橋長334m,支間長46.685mの鉄道橋です.羽前長崎側の3連ワーレントラスは1905年製の福岡県 九州鉄道 筑豊(ちくほう)本線の遠賀川(おんががわ)橋梁より移設,寒河江市側ダブルワーレントラス5連は1885年製の東海道本線 木曽川橋梁を移設し1921年に竣工したものです.同じ橋梁が1923年に白鷹町の旧国鉄長井線(現:山形鉄道フラワー長井線)にも移設されていて,この二つの橋梁は双子の橋と呼ばれています.設計は英国人のC.ポナール,製造は英国のパテント・シャフト&アクスルトゥリー社で鉄道橋梁としては日本最古であり,2008年度,土木学会選奨土木遺産に選奨されています.

   

最上川橋梁
最上川橋梁
最上川橋梁
最上川橋梁
最上川橋梁

   

   

旧明鏡(めいきょう)橋は,朝日町の玉ノ井地区と和合地区を結ぶ橋長74.3m,支間長54mのコンクリート上路アーチ橋です.現在の橋は1937年に竣工した5代目で,後述の新明鏡橋の完成までは国道287号として使われており,現在も町道として現役です.開腹部のアーケード形状等のデザイン的に優れていることから2006年に土木学会選奨土木遺産に選定されています.

   

旧明鏡橋
旧明鏡橋
旧明鏡橋

   

   

新明鏡橋は国道287号和合バイパスとして,2005年11月に開通しました.橋長115m,支間長103.5mのコンクリート上路アーチで明鏡橋としては6代目にあたります.

   

新明鏡橋

   

   

庄内(2024.8調査)

山居(さんきょ)橋は,酒田市の新井田川に架かる橋長54mの鋼桁木装橋です.床板,高欄,桁隠しなどの外観はすべてヒバ材が使用されており,1993年に観光ゾーン整備のひとつとして復元されたものになります.

山居倉庫は1893年に旧藩主酒井家によって建てられた米穀倉庫です.当時,米は舟で運搬されることが多く倉庫近くの川には船着場が設けられていました.12棟からなる倉庫群のうち,9棟は2022年9月まで米倉庫として使用されており, 2021年3月に国指定史跡に認定されました.復元された小鵜飼舟が敷地内で保管されています.

   

山居橋
山居橋
山居橋と山居倉庫
山居橋
山居橋と山居倉庫
山居橋
山居橋(部分的ですが腐食が気になります)
復元された小鵜飼舟
復元された小鵜飼舟

 

 

酒田みらい橋は,酒田市の新井田川に架かるダクタル(高性能繊維補強コンクリート)を用いた国内初の橋です.橋長50.2m,支間長49.4mのPC箱桁歩道橋です.2002年度土木学会田中賞を受賞しています.前田製管・大成建設・太平洋セメントの共同事業です.竣工10年目の検証調査で高い耐久性が確認されています.

近くに,三角トラス水管橋がありました.

  

酒田みらい橋
酒田みらい橋
酒田みらい橋
酒田みらい橋
酒田みらい橋
近くの水管橋
近くの水管橋

  

  

宮野浦橋は,酒田市の京田(きょうでん)川に架かる橋長126.5m,支間長72mのコンクリート斜張橋です.1999年完成,住友建設が施工しました.H型主塔が景観に映えます.

   

宮野浦橋
宮野浦橋
宮野浦橋
宮野浦橋
宮野浦橋
宮野浦橋

第二最上川橋梁は,庄内町の最上川に架かるJR東日本 羽越本線の鉄道橋です.北余目~砂越間にある全長624.2m(上り線),608.8m(下り線)の橋梁で,酒田線(現・陸羽西線)の津谷~古口間に第一最上川橋梁が既に存在していたため,当橋梁は第二橋梁を名乗っています.

下り線と上り線がそれぞれ単線の並列で架設されています.下り線がプレートガーダー3連,ワーレントラス8連,ポニーワーレントラス1連,上り線は左岸側に短いプレートガーダーが1連多く架かっています.上り線の10連目だけは曲弦トラスとなってます.

 

第二最上川橋梁
第二最上川橋梁
第二最上川橋梁
第二最上川橋梁
第二最上川橋梁
第二最上川橋梁

 

 

庄内橋は,酒田市の県道117号線の最上川に架かる6径間単純曲弦ワーレントラス橋です.橋長465.4m,支間長60mです.1958年の完成から60年以上経過し,老朽化が著しいことから架替え工事が行われており,新橋は橋長464mの鋼7径間連続細幅箱桁橋の予定です.

 

庄内橋
庄内橋
庄内橋
庄内橋
庄内橋

 

 

最上川橋は,酒田市の国道345号線の最上川に架かる橋長358m,支間長70.8mの5径間単純曲弦ワーレントラス橋です.架設にあたり上流にある清川(きよかわ)橋と架橋場所をめぐる争いが起き,2つの橋を同時に着工することで決着した過去があったそうです.1964年の完成です.

 

最上川橋
最上川橋
最上川橋
最上川橋

 

 

清川橋は最上川に架かり,庄内町と酒田市を結ぶ県道361号線を通す3連のランガー橋です.同時に着工した最上川橋より遅い1969年3月に完成しました.どちらも宮地鐵工所の施工です.

 

清川橋
清川橋
清川橋
清川橋

 

 

両田川橋は,三川町の赤川に架かる橋長345.4m,支間長60mの3径間単純曲弦ワーレントラス橋です.1962年に完成しています.

 

両田川橋
両田川橋
両田川橋
両田川橋

 

 

蛾眉(がび)橋は,鶴岡市の県道333号線上の赤川に架かる4連の曲弦ポニーワーレントラス橋です.橋長308.2m,支間長40m.初代は1873年に架設された木造橋で,遠くから見ると中央が低く人の眉毛のように見えたことから蛾眉(まゆげ)橋と呼ばれたと言われています.現在の橋は1938年に完成,東京鐵骨橋梁製作所が施工しました.

 

蛾眉橋
蛾眉橋
蛾眉橋
蛾眉橋
蛾眉橋

 

 

置賜(2024.8調査)

長井線最上川橋梁は,山形鉄道フラワー長井線 四季の郷~荒砥間に架かる橋長318m,支間長46.7mのワーレントラス橋で,荒砥鉄橋とも呼ばれています.前述のとおり,旧東海道本線に架けられたものを山形鉄道フラワー長井線とJR左沢線に分けて移設されました.その際,200フィートあった径間を150フィートに短縮・改造しています.

 

フラワー長井線 最上川橋梁
フラワー長井線 最上川橋梁
フラワー長井線 最上川橋梁
フラワー長井線 最上川橋梁
フラワー長井線 最上川橋梁 説明板

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