高速リニューアル現場見学会開催

土木学会複合構造委員会 床版取替における既設合成桁橋の設計・施工技術に関する研究小委員会(委員長:ものつくり大学 大垣賀津雄)の元メンバーで,中央自動車道多摩川橋の床版取り換え工事現場の見学会と討論会を開催しました.

この橋は建設当初,ジャッキアップダウンにより床版にプレストラスを導入した死活荷重合成桁橋として設計されています.この橋の主要部材である鉄筋コンクリート(RC)床版を,横締めのプレストレストコンクリート(PC)床版に取り換えるリニューアル工事を行っています.

「日経コンストラクション」のWebサイト版に,以前関連記事が掲載されています.

https://www.iot.ac.jp/news_all/20230608_4/

現在,コンクリート床版を有する鋼桁橋では,合成桁と非合成桁の2種類の設計法を用いています.しかしながら,非合成桁設計においても適度にずれ止めを設置しており,弾性合成桁であるといえます.高速リニューアル工事においてスタッドのバネ定数を設定して弾性合成桁設計できれば,合成効果も適切に評価することができます.また,合成桁のような密なスタッド配置を行う必要もなくなり,リニューアル工事のPC床版設計における鋼材の配置も合理的になります.

現在そのため,NEXCO総研,関西大学,大阪工業大学,ものつくり大学+高田機工にて,実験や構造解析によって検討を行い,弾性合成桁設計法の共同研究を行っています.

見学会での集合写真

床版取替における既設合成桁橋の設計・施工技術に関する研究小委員会で執筆した書籍

 

 

理事長室用の机を仕上げました

佐々木教授指導の下,ストラクチャー実習場に秘蔵されていました机の表面を仕上げて塗装を行いました.表面に焦げ目や傷が多数ありましたので,天板を縦方向に電ノコを入れて3分割し,表面を機械切削した後,鉋で仕上げて,吹き付けクリアを3層行っています.

今年度から木造の研究室?のようです.美しい仕上がりです.

 

理事長との懇談会

表面仕上げを行った木製机

 

学内の運搬(少し多い)

 

記念撮影

 

土木学会論文集に3件同時掲載

土木学会論文集,Vol.80,No.14複合構造特集号に,以下の3件の論文が掲載されました.

 

1)大垣賀津雄:CFRPによる鋼部材の補修・補強に関する現状と将来展望

 約20年間研究を続けてきた内容を取りまとめたもので,土木学会複合構造委員会からの招待論文になります.これまでの川崎重工時代の研究成果およびNEXCO総研殿,日鉄ケミカル&マテリアル殿,元長岡技術科学大学(現名古屋工業大学)の宮下先生らとの共同研究成果を含んでおります.過去,多くの学生さんが携わった研究内容も記載しています.

 

2)安田翼,大垣賀津雄,秀熊佑哉,石田学,鈴木永之,VINH PHAM NAGOC:鋼床版下面からの軽量樹脂モルタルとCFRP成形材による補強効果に関する確認実験

 NEXCO東日本殿との共同研究を4年間実施しており,過去3年間の研究成果を,大学院修了(現首都高技術)の安田翼さんがまとめました.過去,多くの学生さんが携わった研究になります.

 

3)櫻井俊太,大垣賀津雄,宮下剛,服部雅史,後藤源太,秀熊佑哉,VINH PHAM NAGOC:CFRPシートで補強された連成座屈領域のH形断面部材に対する座屈試験

NEXCO総研殿,日鉄ケミカル&マテリアル殿,元長岡技術科学大学(現名古屋工業大学)の宮下先生らとの共同研究であり,トラス橋斜材のCFRPによる耐震補強に関する研究です.本学で実施した正負交番載荷実験の内容を,日鉄ケミカル&マテリアルの櫻井さんがまとめました.

 

以上の通り,本学の研究成果が土木学会論文集に3件同時掲載されました.他大学でもなかなか見られないことであると思います.研究に携わった学生さん,協力頂いた関係各位,推薦頂いた土木学会複合構造委員会の方々に感謝致します.

 

 

以下は論文1)の掲載図です.

下地処理方法の確認実験供試体(鋼材:SS400)

曲げ載荷実験(応力とひずみの関係)

ずらし量とはく離荷重およびせん断応力比

CFRPシート接着端部の施工方法

腐食部を補修したトラス橋

試験車両走行時のひずみ波形

補修前後の最大ひずみ

(a)桁端支点部

 (b)桁端第1パネル

鈑桁橋桁端部付近の腐食状況事例

ポリウレア高伸度弾性パテ材

鈑桁橋桁端部の腐食部のCFRP補修工法

トラス橋下弦材格点部の載荷実験

トラス橋下弦材格点腐食部補修工法

(a)下弦材腐食状況      (b)下弦材当て板補修

トラス橋下弦材の腐食状況と当て板補修

トラス橋下弦材の腐食部補修短柱供試体

(a)CFRPシート貼付     (b)入隅処理    (c)AFRPシート巻付け

トラス橋下弦材の腐食部補修工法

(a)せん断載荷

(b)曲げ載荷

(c)曲げ+せん断載荷

 (d)曲げ載荷(横倒れ)

鈑桁のCFRPシート補強による耐荷力確認実験

(a) フランジ面         (b) 腹板面

H形断面斜材の交番載荷実験

H形断面斜材のCFRPシート定着補強部

H形断面梁の正負交番曲げ載荷実験

以上は論文1)の掲載図でした.

 

以下は論文2)の掲載図です.

鋼床版下面からの補強工法

樹脂モルタルの充填状況

2次注入施工法

定点繰返し載荷状況

定点載荷解析モデル

載荷位置およびひずみゲージ位置

50kN定点載荷実験

無補強と補強後の定点載荷によるひずみ比較

CFRP成形材による補強構造

CFRP成形材

載荷位置と応力評価領域

CFRP成形材による補強鋼床版解析モデル

振動疲労実験装置

熱履歴実験の状況

振動疲労試験応力範囲(パテ材なし No.1)

静的載荷状況

載荷位置およびゲージ位置 

グースアスファルト打設時の熱履歴

加熱試験状況

打音検査の状況

解析モデル

Uリブ直上載荷の50kN載荷時のひずみ(載荷位置1~6)

以上は論文2)の掲載図でした.

 

以下は論文3)の掲載図です.

実験供試体 (単位:mm)

載荷状況

計測位置

供試体の破壊状況

荷重-フランジ圧縮ひずみ関係 (CASE1,CASE7)

荷重-鉛直変位の関係

荷重-供試体中央の腹板面外変位関係 (P/Py0≦1.0)

腹板面外変位分布図

(a) 全体座屈           (b) 局部座屈

耐荷力曲線

(a) 全体座屈              (b) 局部座屈

耐荷力曲線 (既往の研究との比較)

「第14回橋の会」IN東京大学

6月13日,数年ぶりに対面で「橋の会」が復活いたしました.橋梁と基礎の編集委員や欧州複合橋の調査参加メンバーで構成されています.東大名誉教授の藤野先生(城西大学学長)が会長を務められております.また,恩師の長岡技術科学大学名誉教授の長井先生が副会長の一人です.

当日は添付の通り,トップバッターで弾性合成桁に関する話題提供を行いました.今回は懇親会も開催され,久しぶりにお会いする方々から,有意義な情報交換をすることができました.まとめ役をしていただきました横河ブリッジの方々に感謝いたします.

 

開会あいさつ(藤野会長)

 

元川崎重工の方々 左から友田さん(日本工営),長井先生,奥井先生(埼玉大学),大垣

 

懇親会の様子

 

 

 

 

第14回 「橋の会」 参加予定の方々(△の方を含みます)
(敬称略,五十音順)
藤野陽三 城西大学
長井正嗣 長岡技術科学大学 名誉教授
西川和廣 前土木研究所
春日昭夫 三井住友建設
明橋克良 ㈱ワイ・シー・イー
安仁屋宗太 ㈱イー・エー・ユー / eau
新井進太郎 JFEエンジニアリング㈱
飯村 修 (独)交通安全環境研究所
石井博典 ㈱横河ブリッジホールディングス
伊藤壮一
伊東 昇 首都高メンテナンス東東京㈱
猪熊康夫 清水建設㈱
今西修久 ㈱エイト日本技術開発
柄川伸一 西尾レントオール㈱
大石龍太郎 オリエンタル白石㈱
大垣賀津雄 ものつくり大学
大田孝二 NPO法人、道路の安全性向上協議会
岡 裕幸 ㈱アイ・エス・エス
緒方辰男 NEXCO総研
奥井義昭 埼玉大学
椛木洋子 ㈱エイト日本技術開発
川井 豊
栗原康行 JFEスチール㈱
近藤 治 開発技建㈱
齋藤公生 鹿島建設
齊藤大輔 JFEエンジニアリング
佐野泰如 横河ブリッジ
白水晃生 横河ブリッジ
聖生守雄 日之出水道機器㈱
髙木千太郎 アイセイ(株)、一般社団法人日本構造物診断技術協会
武田大輔 ㈱アイ・エス・エス
田嶋仁志 IHIインフラシステム
橘 吉宏 フルテック
谷倉 泉 一般社団法人 日本建設機械施工協会 施工技術総合研究所
寺田典生 大豊建設
利根川太郎 ㈱横河NSエンジニアリング
友田富雄 日本工営㈱
長山智則 東京大学
並川賢治 首都高メンテナンス東東京㈱
奈良 敬 大阪大学
二井昭佳 国士舘大学
野上邦栄 東京都立大学
姫野岳彦 ㈱川金コアテック
深谷茂広 ㈱ 長大
藤原 博 川金コアテック
古川 聖 ㈱横河ブリッジ
本間淳史 NEXCO東日本㈱
増田陳紀 東京都市大学
三浦章三郎 ㈱エス・エフエンジニアリング
水口和之 東日本高速道路㈱
水口知樹 ㈱横河ブリッジ
南 邦明 (独)鉄道建設・運輸施設整備支援機構
森脇昌二 建設図書
安井 亨 ㈱エイト日本技術開発
柳原正浩 IHIインフラシステム
山崎伸介 日鉄エンジニアリング㈱
山田 均 横浜国立大学
吉田好孝 クリテック
綿引 透 JFEエンジニアリング㈱
渡辺泰充 渡辺塾 主宰

建築再生展でMONO BASEを展示

6月12日~14日に東京ビッグサイトで開催された建築再生展2024において,ものつくり大学のMONO BASE他を展示しました.MONO BASEは本学の施設整備部会キャンパス整備WGが企画し,情報メカトロニクス学科,建設学科および職員が共同で作り上げている学生工房です.完成間近です.本展示会では工房のレイアウトや打合せコーナーの机等のデザインを建設学科大竹研究室の学生がまとめており,本展示会での説明も行っています.今後,学生さんが楽しく自由にものづくりを企画し,制作できる場所になることを期待しています.

 

デザインを担当して説明している学生さん

 

MONO BASEのレイアウト模型

 

MONO BASE 紹介

 

MONO BASE 工房としての機能紹介