中橋移設工事が始まります!

中橋は足利市中心部と東武伊勢崎線足利市駅を結ぶ橋として,1936年に開通しました.緑色の下路ブレースドリブタイドアーチ橋3連が主要部分です.橋長296m,幅員11m,アーチ部65.8m×3連から構成されています.中橋では水防上の理由から架け替えが計画されており,2025年1月末に3連のうち1連の移設を行い,2025年3月末には3連の移設が完了予定です.

既設のコンクリート床版を撤去しています.それでも1連のアーチ桁重量は250tonになります.750ton吊りのクローラクレーン2台の相吊りを行うという技術難易度の高い工事です.

このような歴史的な名橋が移設保存され,歩行者用として使い続けられることは,とてもよいと思います.中橋は地元足利市民にとって,美観も優れたシンボル的な存在ですので,栃木県の英断的な計画に感銘を受けます.また,この難工事を担当される巴・東綱橋梁JV殿の工事の安全を祈っております.巴コーポレーションに入社した研究室卒業生(藤井輝さん)が担当していることもあり,情報を頂きましたので,移設直前に見学させていただきました.

移設工事について,以下に説明されています.
 
  
  
中橋移設工事
中橋移設工事
中橋移設工事
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中橋移設工事

 

 

 

専門雑誌「橋梁と基礎」に「柔らかく合成する 鋼橋よもやま話」が掲載されました!

 近年,高速リニューアル工事でコンクリート床版の取替えが活発化しており,ものつくり大学ではNEXCO総合技術研究所と関連の各種共同研究を行っています.その代表的な研究として,鋼部材の炭素繊維強化ポリマー(CFRP)による補強工法開発や,弾性合成桁挙動解明があります.これらの研究では,完全な合成ではなくフレキブルな合成という共通点があります.その特徴などを記載した評論が掲載されました.

まず鋼部材とCFRPの接合で苦労した点や大きく進歩した技術を紹介しました.次に,コンクリート床版を有する鋼桁橋の設計において,長年の疑問である合成桁もしくは非合成桁の2つ設計方法しかないことに向き合い,弾性合成桁の設計方法が最も合理的であることを説明しています.最後に,構造物の新設や補修補強において,力学の知識がある技術者が美しいと感じるものを,設計・施工することが重要であることを述べています.

  

  

浅利川橋

  

ポリウレアパテ

   

せん断載荷実験

   

曲げ載荷実験

   

千鳥の沢川橋

   

フレキシビリティ定数とバネ定数の関係

Journal of Constructional Steel Researchに掲載されました!

このように本学で実施した実験成果を含めた内容が,世界に公表されて認知されることは素晴らしいことであると感じています.一緒に頑張った学生さんも喜んで頂けるものと思います.

以下に主な図を掲載します.