プラハ(2023.8調査)
ヴィシェフラド鉄道橋はプラハ市街地の南端にありヴルタヴァ川(モルダウ川)を渡る鉄橋で1872年の完成です.現在の橋は1901年の複線化により架替えられた3連の曲弦トラス橋で,両側に歩道が設けられています.





パラツキー橋は1878年の完成で,ヴルタヴァ川に架かる橋では3番目に古い橋になります.7連の石造アーチ橋で橋名は政治家であったフランティシェク・パラツキーに因んでいます.アーチ部は青い花崗岩,スパンドレル部(アーチ上で床を支える壁)は赤の砂岩,高欄部は白い大理石を使用していてチェコの国旗を表しています.1950年に改築され橋長は228.8m,幅員13.9mになりました.



イラーセク橋はヴルタヴァ川に架かり新市街地区とスミチョフ地区を結んでいます.1933年のチェコスロヴァキア共和国建国15周年に合わせて開通した6径間コンクリートアーチ橋で,橋長310.6m,幅員21.0mです.橋名は歴史家のアロイス・イラーセクに因んでいます.



軍団橋は1901年に完成した橋長340.0m,幅員16.0mの9連の石造アーチ橋です.パラツキー橋と同じ3色の石材が使われていて,ひとつ目の橋脚の所に塔が建てられています.この橋の完成で路面電車がヴルタヴァ川を渡河出来るようになりました.



カレル橋はヴルタヴァ川に架かる1402年に造られた橋長516.0m,幅員9.5m,16連の石造アーチ橋です.欄干には計30体の彫刻が並んでおり,ゴシック様式の橋とは異なる様式で作られている像も多くあります.橋の両端には,それぞれ大きな橋塔がそびえており,旧市街側の「オールドタウンブリッジタワー」はゴシック様式の建築物の中でも最高傑作として有名です.マラー・ストラナ側は「レッサータウンブリッジタワー」と呼ばれています.














マーネス橋は1914年に完成した橋長186.3m,幅員16.0mの4径間コンクリートアーチ橋で,車道と路面電車の併用橋でヴルタヴァ川を渡河します.装飾が少なくすっきりとしたデザインです.画家のヨセフ・マーネスに因んで名付けられました.





チェフ橋はプラハのヴルタヴァ川に架かる橋では最も短い橋長169.0mの3径間鋼アーチ橋です.アールヌーヴォーの装飾が美しい橋です.橋名は作家のスヴァトブルーク・チェフが由来です.







シュテファーニク橋は1951年に完成した橋長263.0mの3径間コンクリートアーチ橋です.ヴルタヴァ川を渡り最大支間長は65mで,装飾が全くないシンプルなデザインです.橋名はチェコスロヴァキアの独立運動を率いた中心的人物であったミラン・ラスティスラフ・シュテファーニクに因んでいます.





フラーフカ橋はヴルタヴァ川に架かりシュトヴァニツェ島を跨ぎます.1911年の架橋時は北側がコンクリートアーチ橋,南側は鋼製アーチ橋でした.1962年に架替えられましたが,外壁のレリーフは復元されています.建築家のヨーゼフ・フラーフカに因んで名付けられました.




ネグレリ高架橋はプラハ・マサリク駅から北へ,ヴルタヴァ川の中州にあるシュトヴァニツェ島を跨ぎプラハ・ホレショヴィツェ駅を結ぶ鉄道橋です.1850年の完成で土木・鉄道建設技師であったアロイス・ネグレリが建設を主導しました.老朽化のため2017年~2020年にかけて改修工事が行われています.



車や歩行者が利用するフラーフカ橋は,カルリン地区の西寄りに架かるため,東寄りの人は渡し船を利用して対岸へ行っていましたが,シュトヴァニツェ歩道橋の完成により渡舟は廃止となるようです.




トロイスキー橋はプラハの北部ヴルタヴァ川に架かる扁平なニールセンローゼ橋です.アーチスパン200mの鋼製主構造ですが,高強度PC桁とPC横桁を組み合わせた複合橋梁です.約200本のハンガーロッドで床組みを支持しています.車道2車線と中央に路面電車用線路があり,両側に歩行者と自転車用歩道があります.





プラハ市内のビルを結ぶ渡り橋



チェコ南部(2023.8調査)
ジャコフスキー橋はヴルタヴァ川の上流,南ボヘミア地方にあるチェコ最大の貯水量を誇るオルリークダムに架かる鋼アーチ橋です.橋長542.91m,支間長379.6m,高さ50mは1967年の建設当時,世界最大でした.2017 年に改装され塗装も綺麗にされています.



ポドルスキー橋はオルリークダムに架かる橋長510.0mのコンクリートアーチ橋です.1942年の完成です.



ピーセク石橋は南ボヘミア地方ピーセクという街にある1348年に建設されたゴシック様式の石橋です.ヴルタヴァ川の支流であるオタブァ川に架かります.カレル橋よりも古くチェコ最古の石橋になります.




南ボヘミア地方チェスキー・クルムロフという小さな街にあるチェスキークロムロフ城の第4と第5の中庭を繋ぐ3層構造の回廊がプラーシュトヴィ橋です.上から見ても下から見上げてもその大きさは驚きです.








チェコ北部(2023.8調査)
スカイブリッジ721はチェコ北部のポーランドとの国境近くに2022年に建設された世界最長の歩行者用吊橋です.名前の由来でもあるように全長721m,谷底からの高さは最大95m,標高は1,116mになります.地面からストームロープで押さえ込んで,安定化を図っていました.近くには木造のスカイウォークというらせん状の通路もあり,風景を堪能できます.










⏎ BRIDGES 世界の橋・建造物 に戻る
⏎ HOME フロントページ(ものつくり大学 橋梁・構造研究室)