岩国・周防大島(2018.5,2019.1,2023.9調査)
錦帯橋(きんたいきょう)は,岩国市の錦川に架かる木造アーチ橋です.1673年に岩国第3代藩主 吉川広嘉(きっかわひろよし)によって建造された,長さ193.3m,幅5mの5連アーチの太鼓橋で,日本三名橋(東京都中央区の日本橋,長崎市の眼鏡橋,岩国市の錦帯橋)の1つに数えられています.現在の橋は2004年架橋の4代目で,国の名勝にも指定されています.
岩国徴古館に,ものつくり大学の北條研究室にて制作した錦帯橋模型が展示されています.












岩国城は,初代岩国藩主 吉川広家(ひろいえ)によって1608年に造られた山城です.眼下を流れる錦川を天然の外堀に,標高約216mの横山の山頂に築城されましたが,一国一城令により1615年に取り壊されました.現在の天守は1962年に再建されたもので,眼下に錦川と錦帯橋を望むことが出来ます.


守内(しゅうち)橋は岩国市の錦川鉄道 錦川清流線 守内かさ神駅近くの錦川に架かる沈下橋です.橋長約130m,幅3mのコンクリート製で,対向車とすれ違うことは出来ませんが,地元の方に欠かせない生活道となっています.



周防(すおう)大島大橋は,柳井市大畠(本州)と周防大島町小松瀬戸(屋代島)を結び,大畠瀬戸最狭部に架かる国道437号の橋です.1976年7月に大島大橋有料道路として開通(1996年6月に無料開放)した橋長1,020m,主径間325mの3径間プラットトラス橋です.大畠瀬戸は国内屈指の急流であり,橋脚に受ける潮流抵抗を避けるため,世界初となる多柱式基礎の上に連続トラスを設置する構造が採用されています.1976年度 土木学会田中賞作品部門を受賞しました.
2018年10月22日,ドイツの海運会社が所有する貨物船エルナ・オルデンドルフ(総重量2万5431㌧)が大島大橋に衝突し,橋の下弦材や対傾構など16カ所以上が変形,送水管と通信ケーブルなどを切断する事故が発生しています.




山口・周南(2019.1調査)
松室(まつむろ)大橋は周南市金峰の錦川上流部に架かる鋼橋です.1920年に日本橋梁が施工した橋長41.5m,支間長30.3mの下路曲弦ポニーワーレントラス橋で,建設当初の位置にあり,現役の車道用の鋼製単純トラス橋としては国内最古のものになります.錦川第一発電所(1924年竣工)を建設するための資材を運ぶために架けられました.国の有形文化財や近代土木遺産などに登録されています.






笠戸(かさど)大橋は、下松(くだまつ)市洲鼻(本州)と笠戸島を結ぶ県道174号のランガートラス橋です.橋長476.2 m,深紅に塗装されたランガートラス部は156mで,下松市のシンボルとなっています.1970年の完成で,島内全域に上水道の供給が始まり生活環境が改善したほか,産業や観光開発が進み,住民の暮らしが格段に向上したそうです.富士車輛が施工しました.



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