茨城の橋

 

県北(2022.1調査)

竜神大吊橋は全長446m,中央支間は375mの歩行者専用吊橋であり,三島スカイウォーク支間長400mに次ぐ規模の長さになります.桁は横風にも強いトラスト補剛形式であり,ケーブルはパラレルワイヤーケーブルを採用した本格的な長大吊橋の形式で安全な設計になっています.主塔は恐竜をイメージさせる形です.1995年頃に完成間もないこの橋を見て以来ですが,健全そうでした.

竜神大吊橋

  

竜神大吊橋

   

恐竜をイメージした主塔

   

アンカレイジ

   

周辺には袋田の滝があります.冬には凍って氷瀑になります.

袋田の滝

   

  

高萩市にある渓谷でモミジの名所である花貫渓谷に,汐見滝吊橋があります.花貫川が周囲の岩を侵食することによって作られた渓谷で,小さな滝や数多くの淵が連なる渓谷の自然を満喫することができます.この橋は吊り床版橋であり,ワイヤーと床版で構成しており,構造部材としての桁が存在しない形式です.橋端部の親柱部分にケーブル定着部があります.

汐見滝吊橋(吊り床版)

   

汐見滝吊橋

  

汐見滝吊橋 親柱定着部

  

汐見滝吊橋 親柱定着部

   

  

花貫川第一発電所第三号水路橋は1918年に花貫川の水を利用して水力発電を行うための水路用に作られたコンクリートアーチ橋で,長さが77.4m,幅が2.1m,地上からの高さは22.4mあります.両側の山に向かって,2つのアーチを作っており,通称「めがね橋」と呼ばれています(国の登録文化財).

   

花貫川第一発電所第三号水路橋

   

花貫川第一発電所第三号水路橋

   

花貫川第一発電所第三号水路橋水路

   

 

央(なか)橋は常陸太田市春友町~町屋町にあるRCアーチ橋で,1937年に完成しています.戦前のこの時期は鋼材などの資源が少なく,コンクリートの橋の建設が増えました.久慈川水系里川を,旧国道349号が跨ぐ地点に架かる支間32.8mの下路式RC造アーチ橋です.アーチリブと桁が共に曲げ剛性を有し,それらを垂直材で結ぶいわゆるローゼ橋の初期の例であり,関東以北では貴重な遺構です.

   

央橋

   

央橋(路面はコンクリート舗装)

   

央橋(下面横桁にはCFRPによる補強)

   

  

那珂川大橋は国道123号線の常陸大宮市と城里町を結ぶ那珂川に架かる4連のランガートラス橋です.田中豊先生の設計であり,戦後すぐの1949年に完成しています.橋長282.4m,幅員5.5mです.

   

那珂川大橋

   

那珂川大橋

   

那珂川大橋(桁端部は支承部の補強を実施)

  

 

那珂川水管橋は斜張橋形式で三角断面トラス構造で補剛された桁に支持された水管橋です.珍しい構造形式です.主塔は逆Y型で,橋長492mになります.斜張橋形式の水管橋としては国内最大規模であり,設計は機能性,経済性だけでなく景観面にも配慮されています.

   

那珂川水管橋

   

那珂川水管橋 逆Y型主塔

   

県央(2022.1調査)

万代(よろず)橋は非常にきれいな青色の斜張橋です.橋長357.6mであり,1面吊りです.1994年に完成しています.国道349号線で水戸市内の那珂川に架かる橋の中で,一番新しく近代的なのがこの万代橋です.

   

万代橋

   

万代橋

   

万代橋

   

水府橋記念モニュメントは,茨城県道232号市毛水戸線の那珂川に架かる旧水府橋を公園に保存したものです.1932年(昭和7年)から80年以上使われていました.単純下路トラス三連橋(ワーレン型曲弦トラス56m×3連)で三菱造船所で製作されています.1998年(平成10年)8月の那珂川水害を受けて,架替え工事を進め,2013年(平成25年)新水府橋が開通しました.

   

水府橋記念モニュメント

   

水府橋記念モニュメント 格点部

  

水府橋記念モニュメント 橋門隅角部

   

  

東水戸高速道路の新那珂川大橋は橋長533mの斜張橋で,片側張り出し主径間側は284mです.A型主塔で1面吊り鋼床版箱桁で,中央分離帯含めた幅員は22.9mあります.

   

新那珂川大橋

   

  

県南(2025.2調査)

滝下橋は守谷市の鬼怒川に架かる3径間単純ワーレントラス橋です.橋長146.5m,支間長48m,1956年の竣工で幅員が狭く,大型車のすれ違いが困難で渋滞が発生しているため,大型車には国道294号や常総ふれあい道路への迂回をお願いしています.

  

滝下橋

   

滝下橋

   

滝下橋

   

小目沼(おめぬま)橋はつくばみらい市の小貝川に架かる沈下橋です.小貝川には沈下橋はいくつかありますが,木造の橋はここだけです.橋長は95.0m,地域の生活道としての重要な役割を果たしています.

   

小目沼橋

   

小目沼橋

   

   

小貝川水管橋は稲豊橋と常総橋の間に位置し,右岸側が守谷市同地,左岸側がつくばみらい市長渡呂で小貝川に架かります.3径間ニールセンローゼの水管橋で,住友金属工業が製作し,1996年に完成しました.

   

小貝川水管橋

   

小貝川水管橋

   

小貝川水管橋

   

利根川橋梁(常磐線)はJR東日本 常磐線の天王台(千葉県我孫子市)~取手(茨城県取手市)間に架かる鉄道橋です.1896年に単線で開業し1923年に複線化.1963年の河川改修により現在の位置に建設されました.老朽化により2013年に快速上り線,2014年に快速下り線が新橋梁に切替えられています.

   

利根川橋梁(常磐線)

   

利根川橋梁(常磐線)

   

利根川橋梁(常磐線)

   

  

小貝川水管橋は,龍ヶ崎市川原代町中郷と取手市押切間に架かる4径間ランガー形式の水管橋です.

   

小貝川水管橋

   

小貝川水管橋

  

小貝川水管橋

   

   

高須橋は取手市の県道208号線に架かり小貝川を渡る3径間単純ワーレントラスです.1971年の完成,横河橋梁製作所の施工です.橋長171m,支間長56mです.

   

高須橋

   

高須橋

   

大正橋は稲敷市の沼里川と小野川との合流地点に架かるローゼ橋です.付近は稲敷市リバーサイド公園として整備されています.1995年架橋の現在の橋は橋長57.7m,支間長56.6m,横河ブリッジ施工です.

   

大正橋

   

大正橋

   

大正橋

   

並木大橋はつくば市の県道55号(学園東大通り)を跨ぎ,並木4丁目と梅園(うめぞの)1丁目を結ぶ歩道橋です.研究学園地区の入口を示すランドマークとして1978年に造られました.橋長80.9mの斜張橋になります.

   

並木大橋

   

並木大橋

   

並木大橋

   

   

県西(2022.1,2024.12,2025.2調査)

鬼怒川水管橋は常総市坂手町の鬼怒川に架かる5径間ニールセンローゼの水管橋です.橋長376.4m,住友金属工業の製作で1991年に完成しました.

   

鬼怒川水管橋

   

鬼怒川水管橋

   

鬼怒川水管橋

   

豊水橋は常総市水海道元町と同市豊岡町の境にある鬼怒川に架かる国道354号の道路橋です。橋長330.3m,支間長75.3m,幅員8mのワーレントラス橋は現橋が3代目となります.橋名は豊岡と水海道から1文字ずつとったもので,現在は「ほうすいきょう」と呼ばれることが多いですが,本来は「とよみつばし」とのことです.

   

豊水橋

   

豊水橋

   

豊水橋

   

美妻(みつま)橋は常総市中妻の県道123号線の鬼怒川に架かる5径間単純ランガー橋です.橋長294m,支間長58m.1961年竣工,横河橋梁製作所の施工です.

   

美妻橋

   

美妻橋

   

美妻橋

   

美妻橋

   

   

鬼怒川横過水管橋は,常総市の鬼怒川に架かる橋長508mの4弦パイプトラスの水管橋です.2005年5月完成です.日本ファブテック施工です.

   

鬼怒川横過水管橋

   

鬼怒川横過水管橋

   

鬼怒川横過水管橋

   

2015年9月9日から11日にかけ,台風や台風から変わった低気圧の影響で,10日に常総市若宮戸で鬼怒川が氾濫し,同市三坂町で堤防が決壊しました.近くに「水害復興の碑」がたちます.

   

水害復興の碑

   

  

大形(おおがた)橋は下妻市の県道56号線で鬼怒川を渡河する橋長300m,支間長85mのランガー橋です.竣工は1993年です.

   

大形橋

   

大形橋

   

祝橋は下妻市比毛の小貝川に架かる国道125号の橋です.橋長221m,支間長99.8mの単弦ローゼ橋で小貝川ふれあい公園に接しています.1915年に初代木橋が架けられ,大正天皇の即位の礼が行われたことから,それを祝って祝橋と名付けられました.2000年の完成です.

   

祝橋

   

祝橋

   

砂沼(さぬま)大橋は下妻市にある周囲6kmの農業用の水源として造られた人口の溜池に架かる,全国でも珍しい全長395mのY字橋です.橋の中央広場にはシンボルであるブロンズ像「飛翔」が置かれており,童謡「ふるさと」やご当地ソング「砂沼夜曲」が流れる仕組みになっています.

   

砂沼大橋

   

砂沼大橋 ブロンズ像「飛翔」

   

霞ヶ浦用水 小貝川水管橋は,霞ヶ浦用水を小貝川を越えて送るために設けられた水管橋です.直径約2mのパイプ2本で構成されたラーメン橋で,橋長は260m,主径間92.1mです.筑西市辻に位置し黒子橋上流に架かります.1993年に住友重機械工業の施工です.

   

霞ヶ浦用水 小貝川水管橋

   

霞ヶ浦用水 小貝川水管橋

   

霞ヶ浦用水 小貝川水管橋

   

霞ヶ浦用水 小貝川水管橋

   

霞ヶ浦用水 小貝川水管橋

   

三国橋は渡良瀬川に架かる橋で,埼玉県加須市向古河から茨城県古河市桜町を結びます.通過する路線は国道354号と栃木・群馬・埼玉・茨城県道9号佐野古河線です.同県道は日本にある都道府県道において,4つの県を通過する唯一の都府県道です.橋は全長547mの3径間連続平行弦ワーレントラス橋で,1968年に川田工業が施工しました.初代の橋が今より上流にあり,下総国(茨城県),下野国(栃木県),武蔵国(埼玉県)の三国を跨ぐことから,三国橋と命名されました.慢性的な交通渋滞緩和のため下流に国道354号バイパスとして新三国橋が建設されています.

   

三国橋

   

三国橋

   

新三国橋は国道354号の三国橋のバイパスとして2000年に建設された,埼玉県道368号飯積向古河線と東武日光線,渡良瀬川を跨ぐ,渡良瀬川の最下流の橋になります.橋長685m,支間長135.4mの5連のバスケットハンドル型ニールセンローゼ橋です.アーチの外側は水色,内側が灰色,桁の側面が灰色,床版下面の横構は水色と赤で塗り分けられています.

   

新三国橋

   

新三国橋

   

新三国橋

  

新三国橋

   

 

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