県北(2010.4,2024.8調査)
秋田内陸縦貫鉄道は鷹巣から阿仁合を通り,角館までを結ぶ,県の内陸部を南北に縦貫する総延長94.2kmのローカル鉄道です.
比立内川(ひたちないがわ)橋梁は北秋田市の秋田内陸縦貫鉄道 比立内(ひたちない)~奥阿仁(おくあに)間に架かる橋長103.6m,主径間77.6mの単純上路トラス橋です.1989年4月1日に秋田内陸線が全通する際に開通した橋で,耐候性鋼材が使用されています.




幸屋(こうや)大橋は北秋田市の阿仁川に架かる橋長113.8m,主径間88.8mのスパンドレルブレースドアーチ橋です. 1988年完成,耐候性鋼材を使用しています.栗本鐵工所が施工しました.


鳥坂川橋梁は北秋田市阿仁の秋田内陸線 笑内(おかしない)~岩野目間に架かります.深い渓谷に緑色の橋桁が印象的です.反対側のほぼ同じ高さの旧道には1954年竣工の鳥坂橋が,国道105号線には2000年竣工の新鳥坂橋が架かります.


新鳥坂橋は橋長72m,主径間70.2mの上路ワーレントラス橋で川崎重工業が施工しました.耐候性鋼材を使用しています.

北秋田市の阿仁川を渡る大又川(おおまたかわ)橋梁は,萱草(かやくさ)~笑内間にある全長156mの上路トラス橋で,前出の比立内川橋梁とともに秋田内陸縦貫鉄道秋田内陸線の「運転士が選ぶ車窓スポット」にも選ばれています.



旧道の橋(通行止め)と国道105号線の萱草大橋(塗装工事中)が並行して架かっています.


小田瀬大橋は上小阿仁(かみこあに)村の小阿仁川に架かる国道285号線上のV型ラーメン橋です.橋長225m,主径間59.9m,1996年竣工,サクラダ・東日本鉄工のJVです.耐候性鋼材を使用しています.



鹿角(かづの)市にある綱文時代後期の祭祀跡と言われている大湯環状列石は,約4,000年前に作られた野中堂環状列石と万座環状列石の2つのストーンサークルから成ります.2つの環状列石の中心とそれぞれの内輪と外輪の間にある日時計状組石ら4点を結んだ線を延長すると夏至と冬至の太陽の運行を示しており,縄文人が季節の移り変わりを意識していたことがうかがえます.万座環状列石は直径52mで約6,500個の石が使われており,遺跡から約7km東にある安久谷川から採れる,濡れると淡い緑色になる英閃緑ひん岩(えきえいせんりょくひんがん)であることがわかっています.




県南(2010.4,2024.8調査)
玉川温泉大橋は仙北市の国道341号線と新玉川温泉を結ぶ道路橋です.渋黒川に架かる橋長172m,支間長120mのRC上路アーチ橋で,1996年の完成です.この橋から眺める紅葉は絶景だそうです.



宝仙湖は上流側の八幡平と下流側の田沢湖との中間にあるダム湖です.鮮やかなコバルトブルーの湖面は,上流にある日本一の強酸性で知られる玉川温泉に含まれるアルミニウムの粒子が,青い波長の光だけを反射しているからだそうです.
宝仙湖の中間地点にそびえたつのは標高858.6mの円すい形の男神山で,直下より湖を横断する橋が男神橋です.



湯淵(ゆぶち)橋は宝仙湖に沿って走る国道341号線に架かる橋です.1982年完成の上路ワーレントラス橋で,橋長263.8m,支間長102.6mです.




木滝沢橋は仙北市の国道46号線に架かる逆ランガー橋です.岩手県と秋田県を繋ぐ仙岩トンネルの岩手側になります.橋梁151.6m,1974年の完成で片山鉄工所が施工しました.


堀木橋は仙北市の国道46号に架かる橋長147.2m,支間長146mの下路トラスドランガー橋です.1973年竣工,川崎重工業が施工しました.




宝風(たからかぜ)橋は仙北市の国道46号に架かる橋長209.4m,主径間52.5mのラーメン橋で1973年に完成しました.日立造船の施工です.市の中心部である生保内周辺は,高温で乾燥した風により良い米ができるので,地元ではこの風を「宝風」と呼んでいます.


小保内橋は仙北市の玉川と小保内川が合流する場所,旧国道46号線(角館街道)に架かる曲弦プラットトラス橋です.





傍に東北電力 小保内発電所建屋(1939年竣工)があり,水車ランナーが展示されていました.


百目石橋は大仙市協和荒川に架設された橋長20.9mのスギ集成材アーチを主構造とするタイドアーチ橋です.1999年竣工です.この地にあった荒川鉱山は1700年に稼業され1940年に閉山になるまでの240年間,全国屈指の銅山として栄え,最盛期には人口が4,000人に達したそうです.







刈和野橋は大仙市の県道10号線に架かり雄物(おもの)川を渡る,橋長402.4m,主径間80.1mの5径間連続ワーレントラス橋です.1986年完成,川崎重工業と横河橋梁製作所の施工です.


岳見橋は大仙市神宮寺の雄物川に架かる県道30号線上の橋長430.5mの5径間単純曲弦トラス橋です.1960年完成,宮地鐵工所の施工です.






雁(かり)がね橋は横手市金沢中野に整備された平安の風わたる公園内の西沼に架かる三連の太鼓橋です.源義家が進軍中付近にさしかかると,上空を飛んでいた雁が列を乱したことから,敵の伏兵がいることを察知し難を逃れたといわれており,橋は飛んでいる雁をイメージしているそうです.橋長107mの鋼アーチ橋で,1991年の完成です.地覆部のコンクリートがアーチリブとして機能しているようです.







沼館橋は横手市雄物川町の県道48号線に架かり,雄物川を渡る橋長452.5m,主径間110.4mのランガー橋です.1973年竣工,川崎重工業が施工しました.



今泉橋は横手市十文字町の雄物川に架かる県道57号線上の4径間単純ランガー橋です.橋長422m,主径間65m,1962年竣工,横河橋梁製作所施工です.2003年10月~2006年3月の工期で床版取替工事が行われました.





銀山御幸(ぎんざんみゆき)橋は湯沢市上院内の国道108号線上に位置し,奥羽山脈を横断する山岳道路に建設されました.国内で初めて押し出し工法によって架設された5径間連続波型鋼板ウェブPC箱桁橋です.橋長210m,支間長45.5m.ドーピー建設工業施工で,1996年に完成しました.1995年度土木学会田中賞,2002年度土木学会デザイン賞を受賞しています.



御座石(ござのいし)神社は仙北市,田沢湖の北の湖畔に位置します.湖に張り出すように広がる平坦な岩場には朱塗りの鳥居が立っています.1650年に秋田藩2代藩主である佐竹義隆(さたけよしたか)が田沢湖を訪れ,この岩場に腰をかけて休んだことが社名の由来になっています.




県央(2024.8調査)
湯ノ又橋は五城目町内川湯ノ又の内川(うちかわ)川に架かる橋長13.5mの下路タイドアーチ橋です.1990年の竣工です.アーチは木造で下弦材は鋼製です.







馬場目川大橋は馬場目川に架かり五城目町と八郎潟町を結ぶトラスドランガー橋です.橋長106m,支間長105.3m,1983年竣工,石川島播磨重工業が施工しました.




まんたらめ橋は秋田市仁別の太平山自然学習センターまんたらめ内に架かる橋長40.2mの張弦ケーブルトラス橋です.2002年の完成で,木製の床版はカラマツを使用しています.まんたらめとはアイヌ語で「源・源流」という意味だそうです.




秋田市を流れる旭川の上流に位置する藤倉水源地は,市内への飲料水と防火用水供給のため,1907年に完成した堰堤(ダム)です.現在は取水を中止していますが,明治時代の水道施設全体が良好に保存されており,土木史上価値が高く国の重要文化財に指定されています.堰堤の上部に架けられている橋(藤倉ダムトラス橋)は,橋長30.6m,1911年に東京石川島造船所が製造した下路曲弦ワーレントラス橋で,明治期に建設された鉄製の道路橋として貴重な存在です.





秋田城史跡公園連絡橋は,秋田城跡歴史資料館と史跡公園を結ぶ歩道橋で,2022年4月に開通しました.橋長18.6mのイージースラブ橋(H型鋼を並べたSRC合成床版橋)です.秋田城の政庁西門やその一帯の復元事業で建設されました.



雄物新橋は秋田市の雄物川河口から2番目に架かる県道65号線の道路橋です.前橋は木橋でしたが,1963年に橋長415.9mの永久橋に架け替えられました.幅員が狭かったため1983年に中央の2径間を横取り工法により架け替えが行われています.ポニートラス,平行弦ワーレントラス,曲弦ワーレントラスとH桁橋からなります.日本橋梁が施工しました.腐食が激しいです.









雄物川橋梁は秋田市の雄物川に架かるJR東日本羽越(うえつ)本線 新屋~羽後牛島間の全長600mの鉄道橋です.1920年の完成で上路式プレートガーダー,平行弦ワーレントラスなどで構成されています.





旧水沢橋は,秋田市と由利本荘市を結ぶ主要幹線道路である秋田雄和本荘線上(県道9号)に位置し,雄物川を渡河する橋です.1959年に架設された旧橋は橋長245mの鋼4径間下路ゲルバートラス橋でした.幅員が6mと狭く,高さ制限と経年劣化による老朽化のため,2023年3月に上流側に橋長291m,幅員11mの4径間連続非合成鋼箱桁の新橋が開通しています. 旧橋は2025年3月までの工期で撤去工事が行われていました.



新波(あらなみ)橋は,秋田市雄和新波の国道341号線に架かる橋長255m,主径間90mのランガー橋です.雄物川を渡河します.1975年に川崎重工業が施工しました.





こまちスタジアム(秋田県立野球場)は,2003年開場の秋田市新屋にある野球場です.湯沢市が生誕の地とされている小野小町が名前の由来です.メインスタンドのネット裏は県特産の米を模した白い膜屋根がかかり,竿燈をイメージした4基の照明塔が個性的な球場です.2024年6月から総工費約6億7千万円の大規模改修が始まっており,使用再開は2025年4月の予定となっています.

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