ザグレブ(2019.8調査)
クロアチアのザグレブの橋の一部を紹介します.ここは旧ユーゴスラビアです.市内のサヴァ川にかかる2つのアーチ橋を見ましたが,いずれもリベットでした.疲労に強いリベット橋復活は面白いと思います.
上路アーチは支間100mのリバティブリッジです.全橋長800mあります.1959年に完成した上路の少し扁平なローゼです.アーチリブもリベットで大断面の箱桁を集成しており,珍しいです.平和を求めたユーゴスラビアで建設されました.


サヴァ川にかかるヘンドリックス橋はみず色の下路ローゼ鉄道橋です.夜のライトアップが美しいことで有名です.プレートガーダーのスルーデッキ集成桁からアーチリブに繋がります.アーチリブの区間は桁高を下げています.リベットで作られた長大橋です.
この鉄道橋は,1939年に建設されました.橋自体のみず色彩およびかつて何度となく書かれた「ヘンドリックス」という落書きで有名な文化財です.この落書きは,伝説的なギタリスト名前をしのんで書かれたものです.まさにそうした落書きによって街では有名になり,また完全にザグレブ市民たちによって熱狂的に愛される存在となると同時に,日常会話の中では「ヘンドリックスの橋」という名で呼ばれるようになりました.装飾を施された夜間照明によって,ライトアップされた姿がこの街の新名所になりました.




これらの2つのアーチ橋の間は土手沿いに公園が広がっており,各種モニュメントがユニークです.
手の形
走る銅像
しずくの連続
???
女性の脚
世界一短いケーブルカーに乗りました.ロトゥルシュチャク塔からのマルコ教会の屋根が美しい.




ドゥブロヴニク(2019.8調査)
クロアチアのドゥブロヴニクに来ました.1周2kmの城壁に囲まれた街全体が世界遺産です.1667年の大地震で城壁以外の建物は崩壊したそうです.1991年に始まったユーゴスラビア崩壊に伴う戦争の傷跡も感じられません.城壁の中のアパートを借りて泊まっています.ケーブルカーでスルジ山に登り,戦争博物館の屋上から写真を撮りました.
リュブリアーナからセルビア航空でベオグラードを経由してたどり着きましたが,各地とも戦争の面影はなく,世界各国から観光に来ています.


ドゥブロヴニクのフラニョ・トゥジマン橋は2002年に完成した合成桁斜張橋です.短径間側のケーブルはまとめてグランドアンカーしています.ケーブルの制振対策を確認するため,バスターミナルから大型客船を左手に見て500mほど橋に向かって歩き,右にカーブするところの細い路地を登っていくと,アンカレイジにたどり着いて,橋面に出れました💮.
山側の制振装置のケーブル間のロッドがボキボキに折れていました.ボルトなので疲労進展した後に脆性破壊したのでしょうか?グランドアンカーしているケーブルは相互間の位相のずれが激しい?ためなのかわかりませんが,最下段のケーブル以外は制振できていないですね.海側のロッドは大丈夫でした.日本でもグランドアンカーしたケーブルが桁に当たって損傷した事例を見たことがあります.






トゥロギール(2019.8調査)
クロアチアのトゥロギールは街全体が世界遺産です.スピリットからジベニクとトゥロギールの2つの世界遺産を,日帰りでバス移動できます.トゥロギールは長崎の出島のような小さな島で,古い中世の街並みが残されています.その西南端のカメルレンコの砦から街が一望できます.


トゥロギールの街に入るためには2つのルートがあります.1つは3連の石造アーチです.限定的ですが車両も入れます.もう1つは歩行者専用の木製アーチ橋があります.支間長25mの2ヒンジアーチで,スプリンギング部分は鋼製の鋳物でヒンジを構成しています.橋の完成は2007年(調査中)です.錦帯橋のようにアーチリブに沿って路面があります.アーチリブは複数の木製梁部材をステンレスロッドで縦横に締付けて構成しています.高欄の笠木は木製ですが支柱はスチールです.










南東端からチオヴォ島に渡るところには跳開橋もありました.

ジベニクの聖ヤコブ大聖堂は,ゴシックとルネッサンスが融合した様式の建造物であり,世界遺産に登録されています.聖ミカエル要塞からの景色も大変よかったです.





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