ベトナムの橋

 

ダナン(2018.2調査)

ダナン工科大学から長岡技大に留学中の共同研究者であるVINH先生の案内で,ダナン市内で橋梁を調査しました.ハン川に架かるNguyen Van Troi Bridgeという斜張橋は側径間のケーブルを曲線的にグランドアンカーしており,中央径間のケーブル本数は30段を超える超マルチ構造です.ライトアップしている状況も素晴らしいです.

Nguyen Van Troi Bridge
Nguyen Van Troi Bridge
Nguyen Van Troi Bridge
Nguyen Van Troi Bridge
Nguyen Van Troi Bridge

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Nguyen Van Troi Bridge

Nguyen Van Troi Bridge

 

次にハン川を北に行くとドラゴンブリッジがあります.週末には火を噴いた後に水を吹き出します.その時車両の通行止めをされて,ドラゴンの顔の周辺には見物客で賑わいます.

ドラゴンブリッジ
ドラゴンブリッジ
ドラゴンブリッジ

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ドラゴンブリッジ

ドラゴンブリッジ
ドラゴンブリッジ
ドラゴンブリッジ

 

さらに北に行くとハン川橋という斜張橋があります.この橋もユニークで夜中に主塔を軸に回転して,大型船舶の通行を可能にしています.七色に輝くライトアップが見ものです.

ハン川橋
ハン川橋
ハン川橋

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ハン川橋

 

最も北の河口付近にはトゥアンフォックブリッジという中央径間405mの吊橋があります.この橋はコンクリートを主構造に採用しており,2009年開通ですが床版の損傷が激しい状況にあります.

トゥアンフォックブリッジ
トゥアンフォックブリッジ
トゥアンフォックブリッジ
トゥアンフォックブリッジ

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トゥアンフォックブリッジ

  

最後に,街中の鉄道や道路を跨ぐトランスリーブリッジは斜張橋に分類されますが,アーチ型の主塔からコンクリート桁を吊っている構造であり,ユニークな形をしています.またこの橋を囲むようにリング状のロータリー道路を構成しており,この橋梁でバイパス道路を構成し,立体的に交差点を構成して鉄道路線を跨いでいることになります.

トランスリーブリッジ
トランスリーブリッジ
トランスリーブリッジ

近年,発展著しいベトナム・ダナンの橋からも学ぶことが多くありました.VINH先生,案内ありがとうございました.

  

ホーチミン(2018.2調査)

モング・ブリッジ (Mống Bridge, or ‘Rainbow Bridge’ )はエッフェルの会社が約100年前に設計・施工したというものですが,現在,歩道橋として使われています.

モング・ブリッジ
モング・ブリッジ
モング・ブリッジ
モング・ブリッジ

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モング・ブリッジ

  

フーミー橋(Phú Mỹ Bridge)は2009年に完成したPC斜張橋です.ドイツ・フランス・ベトナムのコンソーシアム(ボーダーストーン,ビルフィンガーベルガー,フレイシネットインターナショナル,CC620)によって建設されました.フーミー橋は,橋長705メートル,メインスパンは380メートルで,川の両側の進入高架橋構造はそれぞれ約758メートルと638メートルの長さです.高さ145mの改良型H字型主塔と幅員27m主桁(6車線)です.各方向に2車線の車線,そしてバイクと歩行者専用の歩道用に別々の車線があり,新しい環状道路の一部を形成します.

フーミー橋
フーミー橋
フーミー橋

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フーミー橋

 

三井住友建設とCIENCO4共同企業体は,長大斜張橋(フオックカイン橋)の建設工事を行っていました.ベトナム高速道路開発投資総公社(VEC)から受注したもので,請負金額は約201億円です.フオックカイン橋は,ホーチミン市とハノイ市を結ぶ南北高速道路の一部です.ベンルック~ロンタイン高速道路案件のうち,11km区間については日本の政府開発援助(ODA)により実施されています.同斜張橋の規模は,橋梁延長2982m,総延長3186m.うち主橋の橋長が599mで,西側と東側のアプローチ橋の橋長がそれぞれ852mと679mになります.

フオックカイン橋
フオックカイン橋

  

ホーチミン市内の歴史的建造 (2018.2調査)

サイゴン中央郵便局は,1891年に当時のフランス領インドシナの郵便・電信施設として完成しました.鉄骨設計はギュスターヴ・エッフェルが手がけました.パリのオルセー美術館(当時駅舎)をモデルにしたといわれています.

サイゴン中央郵便局
サイゴン中央郵便局
サイゴン中央郵便局

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サイゴン中央郵便局

サイゴン中央郵便局

  

別名『聖母マリア教会』とも呼ばれるサイゴン大教会は,19世紀末に建てられたネオ・ゴシック様式の素敵な教会ですが,ちょうど補修工事中でした.

サイゴン大教会

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サイゴン大教会

サイゴン大教会

 

ホーチミン市人民委員会(ドンコイ通り周辺) は,1908年に建造されたフランスコロニアル風の歴史的建築物です. 現在は,ホーチミン市人民委員会の本部として使われています.

ホーチミン市人民委員会
ホーチミン市人民委員会

  

優雅なバロック様式の通称『オペラハウス』と呼ばれる市民劇場です.なんとも美しいその外観の作りは,ベトナムがかつてフランスの統治下であった事を思い起こさせてくれる建造物です.

オペラハウス

 

ハノイ(2014.1調査)

ロンビエン橋は,ベトナムの首都ハノイにある1700㍍の橋で,植民地時代の1902年にフランスが建設したトラス橋です. エッフェルによる設計との評で,破壊と改修を繰り返し,築100年を超える橋だそうです. 鉄道橋ですが左右はバイクと人が通れます.
大河紅河に架かるこの橋をベトナム戦争時,米軍は最大の攻撃目標としました.たちまち破壊されますが,ハノイ市民は粘り強く戦い抜き,超大国アメリカを駆逐したシンボルとして,この橋は今もハノイ市民の誇りとなっています.腐食も激しいのでメンテナンスが必要です.

ロンビエン橋
ロンビエン橋
ロンビエン橋

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ロンビエン橋

  

フランス統治時代を象徴する建物がハノイ大聖堂(Nhà Thờ Lớn,聖ジョセフ大聖堂)です.東南アジアの教会とは思えないほど壮大で美しい景観にビックリですね!2本の塔を持つハノイ大教会,塔の高さは31.5m,外壁には白い石材も多く使われているそうですが,メンテナンスがきちんとされていない為かかなり黒ずんでしまっている様です.この教会はフランス統治の始まった1882年の直後に建設が始まり,1886年に竣工しました.その後,1990年に現在のネオゴシック様式に改装されました.

ハノイ大聖堂

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ハノイ大聖堂

 

ベトナムの首都ハノイには,フランス統治時代に建てられた西洋建築が多数存在します.その中でも,パリのオペラ座「ガルニエ」を模して造られたとされる市民劇場NHÀ HÁT LỚN HÀ NỘI(オペラハウス)は,馬蹄形の客席を持つ本格的なオペラ劇場で,現在でも連日公演が行われている様です.

オペラハウス
オペラハウス

 

ニヤッタン橋建設現場 (2011.2,2019.1調査)

IHIインフラシステムズ・三井住友建設共同企業体(出資比率は55:45%)が,ハノイ市北部の紅河で建設中のニャッタン橋(日越友好橋)長大複合斜張橋の現場を見学しました.

  • 発注者はベトナム運輸省であり,受注代価約500億円.日本のODAでSTEP方式.
  • 本橋の設計は日本のコンサルタント(長大・大日本コンサルタントJV)です.
  • 構造形式は6径間連続斜張橋.支間長150m+4@300m+150m.
  • 基礎工は鋼管矢板基礎.主塔はA型RC構造.上部工はプレキャスト床版合成桁.
  • 取付け橋はPCの連続桁であり,IHIの子会社であるPC橋梁が施工する.
  • 工期は2009年10月~2012年9月末までの3年間.
  • コンクリートは専用バッチャープラント船を用いて,河川上で練混ぜを行っていました.
  • 鋼管矢板は新日鉄やクボタからの調達であり,日本からの海上輸送を行っています.
  • 主塔立ち上げ用の専用クレーンは,ノルウェーからの調達.
  • 2011年夏に上部工工事が開始される.IHIはパイロット桁を愛知県知多工場で制作し,その他ほとんどの鋼桁はハイフォン(ハノイ市東150km)に専用工場を2010年に稼動させて製作中.
ニャッタン橋
ニャッタン橋
ニャッタン橋

2019.2,三井住友建設殿のご案内により,ニヤッタン橋を見学させていただきました.3回目のハノイです.建設中のPC高架橋の現場も見学させていただきました.東南アジアの至る所で同社のプロジェクトが進行中で,活躍している様子がわかりました.また,三井造船の関連工場を見学させていただき,3日前に行ったスリランカのPJの鋼桁を製作している状況を確認させていただきました.

2019.01に完成したニヤッタン橋を見学
SM社マイジックの現場を見学
タンロンのM造船工場を見学

 

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