米国(USA)の橋

 

ニューヨーク(2012.9,2017.3調査)

ニューヨークのマンハッタン島を一周する遊覧船があり,それに乗船するとニューヨークの主要な橋や自由の女神を見ることができます.

ブルックリン橋はアメリカで最も古い吊橋の一つであり,同時に鋼鉄のワイヤーを使った世界初の吊橋でもあります.14年の歳月をかけて1883年に竣工・完成しました.中央径間長486mあり,上流のウィリアムズバーグ橋ができるまで世界最長の吊橋でした。この橋は2層に分かれており,現在でも上層は人や自転車が歩いて渡ることが出来ます.下層は片側3車線の車道です.

ブルックリン橋
ブルックリン橋
ブルックリン橋
ブルックリン橋
ブルックリン橋(側径間は補修工事)

 

マンハッタン橋は,主径間長は448m,全長は2,089 mです.この橋は1909年に開通しました.レオン・モイセイフによる設計でたわみ理論をデッキ強度の向上に用いた最初の吊り橋で,近代的な吊り橋の先駆けとして20世紀前半の多くの長大吊橋のモデルとなりました.また,ワーレン・トラス設計を用いた最初の吊り橋でもあります.

マンハッタン橋

 マンハッタン橋

ウィリアムズバーグ橋は1903年に開通しました.スパンは約488mで開通当時はブルックリン橋を抜いて世界一長い吊橋でした.自動車と列車の両方を通す鉄道道路併用橋です.このような併用吊橋は,ニューヨーク市ではこの橋とマンハッタン橋だけです.

ウィリアムズバーグ橋

 ウィリアムズバーグ橋

クイーンズボロ橋は,1909年に完成したキャンチレバートラス橋です.最大支間は360mになります.真横にロープウエイが設置されています.

クイーンズボロ橋
クイーンズボロ橋

 クイーンズボロ橋

ルーズベルト・アイランド橋はトラスの昇開橋です.車両または徒歩によってルーズベルト島に出入りするには、本橋を利用する以外にはありません.1955年に開通しました.船舶の通行のために橋桁を上げると,水面から30メートルの高さになりますメインスパンは127メートルです.

ルーズベルト・アイランド橋

ルーズベルト・アイランド橋

トライボロー橋は最大支間420mの広幅員の吊橋です.1936年に開通しています.2008年からは正式名称がロバート・F・ケネディ橋と改められたが,従来どおりトライボロー橋,あるいはRFKトライボロー橋と呼ばれることが多い.

トライボロー橋

トライボロー橋

 

ヘルゲート橋は鉄道橋であり長さ310mの鋼ブレースドリブアーチ橋です.開通したのは1916年です.シドニーのハーバーブリッジと形式は似ていますが,完成はこちらが16年早いです.

ヘルゲート鉄道橋

 

ジョージ・ワシントン橋はハドソン川を渡河する長大吊橋です.1931年に完成しました.当時、中央支間長の長さで世界一 (1,067m) を誇っていましたが,1937年にゴールデンゲート橋 (1,280m) にその座を譲りました.

ジョージ・ワシントン橋
ジョージ・ワシントン橋

ジョージ・ワシントン橋

 

2017年3月に5年ぶりにニューヨークに行きました.やっぱり,刺激を受ける街です.ブルックリン橋のメンテナンスも終わり,綺麗になっていました.
夕方WTC9.11メモリアルに行くことができました.2012年に訪れましたが予約が必要とのことで入れませんでした.今回は待ち時間なしですっと中に入りました.この衝撃的な事件は2001年ですので16年経ったのですね.当時ライブで崩壊の瞬間を見て,その時,何が起こったのか理解できませんでした.曲がった梁柱などの鋼材,潰れた消防車,崩壊写真,ビデオ,遺品など展示を見つめている人が,沢山来ていました.

ブルックリン橋
マンハッタン橋
WTC9.11メモリアル
WTC9.11メモリアル

WTC9.11メモリアル

 

サンフランシスコ(2016.1調査)

1937年建設されゴールデンゲートブリッジは,中央径間長1280mであり,約30年間世界一の長さを誇っていました.すごく立派なかっこいい橋ですね.今なお現役で使われています.通勤時間に合わせて中央分離帯を移動させる方法がわかりました.
また1936年に鉄道との併用橋として完成したサンフランシスコ・オークランドベイブリッジは,吊橋の2連がダブルデッキの道路橋として現役で使われています.トラス部分は自碇式吊橋に架け替えられ,2年前に開通しています.古いトラス橋の解体はまだ終わっていませんでした.
私の弟がたまたま現地駐在しているので,車で各所を案内してもらいました.本日は船で下から見ることができました.あいにくの曇天でしたが,大変勉強になりました.メンテナンスのことなど,取り組みを垣間見ることができました.軍艦島のようなアルカトラズ島も近くでみることができました.

ゴールデンゲートブリッジ
ゴールデンゲートブリッジ
ゴールデンゲートブリッジ
サンフランシスコ・オークランドベイブリッジ
サンフランシスコ・オークランドベイブリッジ 自碇式吊橋部
サンフランシスコ・オークランドベイブリッジ 自碇式吊橋部

 

ポートランド(2016.1調査)

ポートランドは日本と同じような気候ですが,早々と桜が咲いています.虹が出てとても綺麗でした.路面電車LRTが街中を走り,サイクリングロードが整備され,ジョギングしている人が多く,人と環境にやさしい人気上昇中の都市です.
ウィラメット川には建設後100年経過する大きな橋や可動橋が多く,橋の博物館のようです.跳開橋と昇開橋がそれぞれ3橋も架かっており,すべて100年近く経過しているもので,全体を覆ってメンテナンスしているものなどがありました.LRTや鉄道が走る橋が4つあり,そのうち3橋は可動橋です.昇開橋のトラス上弦材の上に家のようなものがあり,機械室&監視室があり,船舶の通行を見て,橋の操作をしています.

ポートランドの昇開橋
ポートランドのトラス橋
ポートランドの跳開橋
ポートランドの昇開橋
ポートランドの吊橋
ポートランドの跳開橋
ポートランドの昇開橋
ポートランドの中路アーチ橋
ポートランドのトラスドアーチ橋
ポートランドの跳開橋
ポートランドの昇開橋
ポートランドの斜張橋

 

シアトル(2016.1調査)

シアトルに来ています.ダウンタウンから,Argosy Cruises のLocksというコースに参加しました.ピア55を出発してチッテンデンの水門で4mの高低差を上がりユニオン湖までめぐる2.5時間でした.閘門を船で通過する時の様子は何度見ても楽しいものです.
またヨットが通過するために,鉄道の跳開橋が開く瞬間を見ることができました.

ここでもいろいろな橋や構造物を見ることができました.航空博物館前の変わったトラス橋もありました.相管溶接継手で3次元的な曲線の斜材なので製作は難しそうですね.

シアトルの鉄道跳開橋
シアトルの鉄道トラス橋
シアトル航空博物館のチューブトラス橋
シアトル航空博物館のチューブトラス橋

 

ピッツバーグの橋(2017.1調査)

ピッツバーグ都市部の橋梁の位置を図1に示す.また,これらの橋梁の名称,形式,完成年度,供用状態を表1にまとめて示す.

図1  ピッツバーグ都市部周辺の橋梁の位置
NO 名称 形式 (主径間長) 供用状態 完成年
McKees Rocks Bridge ブレースドリブ中路アーチ(229m) 道路+歩道 1931
②  Ohio Connecting Railroad Bridge 下路分格トラス(155m) 鉄道貨物 1915
③   West End Bridge ブレースドリブ下路アーチ(240m) 道路+歩道 1932
④   Fort Duquesne Bridge ダブルデッキ下路ランガー(130m) 道路+歩道 1969
⑤   Roberto Clemente Bridge 自碇式吊橋(131m) 道路+歩道 1927
⑥   Andy Warhol Bridge 自碇式吊橋(135m) 道路+歩道 1926
⑦   Rachel Carson Bridge 自碇式吊橋(120m) 道路+歩道 1926
⑧   Fort Wayne Railroad Bridge 下路分格トラス(98m) 鉄道橋 1901
⑨   Veterans Bridge 多主鈑桁(120m) 道路+歩道 1987
⑩   David McCullough Bridge ブレースドリブ下路アーチ(133m) 道路+歩道 1923
⑪   31st Street Bridge 上路アーチ(110m) 道路+歩道 1928
⑫   33rd Street Railroad Bridge ワーレントラス(120m) 旧鉄道橋 1921
⑬   Fort Pitt Bridge ダブルデッキ下路ランガー(230m) 道路+歩道 1959
⑭   Smithfield Street Bridge レンチキュラトラス(2@ 110m) 道路+歩道 1883
⑮   Panhandle Bridge 下路トラス LRT 1903
⑯   Liberty Bridge 上路アーチ(2@137m) 道路+歩道 1928
⑰   South Tenth Street Bridge 吊橋(220m) 道路+歩道 1933
⑱   Birmingham Bridge 下路アーチ(185m) 道路+歩道 1977
⑲   Hot Metal Bridge 下路分格トラス(98m) 元鉄道 道路,歩道 1887

ピッツバーグのダウンタウンは2つの川が1つに合流する3角形の土地であり,図1に示す通り,その周辺は小高い丘になっている.そのため,古くから川沿いの工業地帯やダウンタウンと丘の上の住宅地を結ぶため,インクラインが10線程度設置されていた.現在ではそのうち2線で営業している.急勾配のケーブルカーであり,その様子は図2に示すとおりである.南側の丘の上からピッツバーグダウンタウン風景は図3の通りである.また,西側のオハイヨ川,北側のアレゲニー川,東側のモノンガヒラ川の橋梁群の写真をそれぞれ図4-6に示す

図2 インクライン
図3 ダウンタウンの風景
図4 西側のオハイヨ川の橋梁
図5 北側のアレゲニー川の橋梁
図6 東側のモノンガヒラ川の橋梁
図7 ①McKees Rocks Bridge
図8 ②Ohio Connecting Railroad Bridge
図9 ③West End Bridge
図10 ④Fort Duquesne Bridge
図11 ⑤Roberto Clemente Bridge
図12 ⑥Andy Warhol Bridge
図13 ⑦Rachel Carson Bridge
図14 ⑧Fort Wayne Railroad Bridge
図15 ⑨Veterans Bridge
図16 ⑩David McCullough Bridge
図17 ⑪31st Street Bridge
図18 ⑫33rd Street Railroad Bridge
図19 ⑬Fort Pitt Bridge
図20 ⑭Smithfield Street Bridge
図21 ⑮Panhandle Bridge
図22 ⑯Liberty Bridge
図23 ⑰South Tenth Street Bridge
図24 ⑱Birmingham Bridge
図25 ⑲Hot Metal Bridge

ダラス(2018.3調査)

ダラスでトランジット時間があり,トラムで市内へ.マーガレット・ハント・ヒル橋はトリニティ川に架かっています.サンティアゴ・カラトラバによりデザインされ, 2012 年に開通しました.アーチ型の122mの主塔から鋼桁の中央を吊っており,そのためケーブルが著しく交差して見えます.主径間長365m,橋長570mであり,主桁も1箱桁でストラットを用いた大胆さが見えます.

マーガレット・ハント・ヒル橋
マーガレット・ハント・ヒル橋
マーガレット・ハント・ヒル橋

 

マーガレット・マクダーモット橋 (Margaret McDermott) もカラトラバの設計で2013年に完成しています.スレンダーなアーチが橋の脇にくっついており,そこから桁側面部を吊っています.力学的には疑問点がありますが,スッキリした感じです.

マーガレット・マクダーモット橋

 

ダラス市内の歩道橋や高層ビルです

ダラス市内の歩道橋
ダラス市内の高層ビル

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