愛知の橋,建造物

東部(2022.2調査)

長篠橋は上路スパンドレルブレースドアーチで,支間67m,橋長80m×幅員5mです.愛知県新城市長篠にあり,1934年の完成になります.国道257号線,豊川に架かっており,現役で使用されています.このタイプの橋は深い峡谷に架けるのに適しています.木が生い茂っていてよい撮影ポイントが見つからなかったですが,斜面を下って少し撮影できました.

 

牛渕橋も上路スパントレルブレースドアーチです.1930年の完成です.斜面を降りて中間橋脚まで行くことができました,そこに高岩の地蔵さんがありました.橋長111.6m×幅員5.5mです.愛知県新城市乗本舟津にあり,いまでも十分使えています.

NEXCO中日本第二東海自動車道 豊川橋は波形ウエブPC橋であり,牛渕橋の近くに建設されました.今ではよくある構造形式ですが,複合構造橋梁の代表的な構造形式として開発当初は種々の課題があり,1990年頃より実験などの研究がなされました.

旧黄柳(つげ)橋は愛知県新城市乗本にあるコンクリートアーチで,1918年竣工です.アーチリブと桁が離れているオープンアーチであり,珍しい形式です.現在は歩道橋として使用されており,国の登録文化財に指定されています.横に近代的なコンクリートアーチ橋の新黄柳橋が架けられており,道路橋の主役はこちらになっています.

大井平公園にある「風のつり橋」は,主塔の高さが著しく異なった珍しい吊橋です.主塔高は13mと3.5mです,橋長86m,幅員2mの木床版です.豊田市稲武地区にあります.

稲武大橋は豊田市稲武地区の中心市街地にある鋼製上路スパンドレルブレースドアーチ橋で,中馬街道(飯田街道)に在しています.1926年建設です.車道部分は幅5m,橋長は26mです.

中東部豊田市周辺(2022.2調査)

 

豊田大橋は黒川紀章建築都市設計事務所が設計を行いました.豊田スタジアムのすぐ横で一級河川矢作川に架かる,豊田市駅と豊田スタジアムを繋ぐ道路橋です.橋梁形式はニールセンローゼで中間橋脚に憩いの場があり,市民がそこに行くことができます.支間長は78.5m(単純桁)+140.0m+140.0m(ニールセン)+58.0m×2(2径間連続)です.

久澄(きゅうちょう)橋は,豊田市にあり矢作川に架かる橋下路アーチ単弦ローゼ2連です.1994年完成で,橋長274m,最大支間長96m,幅員25mです.豊田大橋のすぐ近くの白浜公園,千国公園に位置します.垂直材が扇のように内側から外に開いているのが特徴的です.

平成記念橋は矢作川に架かるニールセンローゼ橋です.支間長158mであり,豊田大橋の近くにあります.並行してパイプトラスの水管橋があります.

ひらち跨道橋は勘八インター西交差点近くにあるパイプアーチ構造の橋です.1993年完成です.インター施工に伴って付けられた橋梁であると思います.

その近くに,馬場瀬跨道橋があり,パイ型ラーメン構造の橋です.耐震補強が目立ちます.

NEXCO中日本東海環状道路 勘八橋は上路ローゼ橋です.片側はバランスドアーチになっています.

橋長は305m,幅員は24mであり,豊田市勘八町にあり矢作川を渡河しています.2004年完成です.

NEXCO中日本伊勢湾岸自動車道路 豊田アローズブリッジは矢作川橋と呼ばれていました.波形ウエブPC複合斜張橋であり,中央径間中央にピアがあります.主塔は曲線玉ねぎ型をしています.全長820m,主塔の高さは110m,幅員約43mです.2005年に完成しています.

香嵐(こうらん)橋は,豊田市足助町飯盛 香嵐渓にあります.長さ30mの赤い吊橋です.足助八幡宮の観光地が近くにあり,そこから巴川の上流に位置します.木床版が適用されています.塔の高さが低くて床版橋の様によく揺れます.

殿橋は岡崎市乙川に架かる12径間単純RCT桁連続化構造で,県道483号にあります.1926年完成の橋です.親柱に風格があります.

南部(2022.2,2022.3調査)

東海市の大窪公園と加家公園を連絡するアーチ橋です.ユニークな形をしています.力学的にどうであるかは不明ですが,歩道橋としてのアプローチについては,ソルフェリーノ橋のように優れた点があります.

また,東海市の大窪公園と大池公園を連絡するウェーブブリッジは,アーチリブが曲がっています.このアーチは橋梁の構造部材ではなく橋脚として利用しているものなので,景観をよくしようと思って考えた飾りになります.

愛知健康の森にあるフォレストブリッジは,逆台形断面でV字に開いたアーチリブの中路式ローゼ橋です.美しさもあって機能性も感じます.

衣浦大橋は1956年に完成した下路曲弦トラス橋です.高浜市碧海町にあります.横に新橋が架設されており,2022年にさらに新たな箱桁橋が台船により架設されました.

潮風橋は三角パイプトラスで1995年完成の3橋構造です.半田市の潮風の丘緑地にあります.構造がユニークで,頑張って現場溶接しています.

 

伊勢湾岸・東部(2022.2調査)

東海大府,名和高架橋
第二東名高速道路 少数主桁橋設計・施工指針を策定する際に活動しました.幅員11~12m(3車線)を3本主桁として,主桁間隔を5~6mにしており,横締めプレキャストPC床版を設置しています.床版の継手は当時ループ鉄筋を用いています.1995年頃から1998年頃に建設されています.主桁の継ぎ手は現場溶接を行っています.

 

名港東大橋は東海市新宝町から名港潮見IC間,橋長700 m,中央径間410mの鋼斜張橋です. 1998年3月から供用されました.残念ながら,逆光でシルエット撮影になりました.

名港中央大橋は金城ふ頭と潮見ふ頭に跨る橋長1170 m,中央径間590 m,幅員37.5mの鋼斜張橋です.また,名古屋港を航行する大型船の航行を考慮して海上面47mの空間を確保しています.1996年完成.

名港西大橋は金城ふ頭から飛島ICの間,橋長758 m,中央径間405 mの鋼斜張橋です.構造が他の2大橋と異なって上下線に分離しており,上り線は有料道路名港西大橋として1985年3月20日に暫定2車線対面通行で供用されました.一方,下り線は1998年3月からの供用です.

トゥインクルは伊勢湾岸自動車道が三重県桑名市内の木曽三川を渡る双子の橋,湾岸木曽川橋および湾岸揖斐川橋に付けられた愛称です.ともに世界初のPC・鋼複合エクストラドーズド橋であり,前者は弥富木曽岬IC-湾岸長島ICに,後者は湾岸長島IC-湾岸桑名ICに位置しています.PC桁部分はプレキャストセグメントを用いています.写真は湾岸揖斐川橋です.

御葭(みよし)橋は,蟹江町須成川西下433に位置する可動橋です.昔は動いたのですが,いまはワイヤーが外されており,祭りの時に跳開するという噂です.赤い三角トラスが目につきます.1983年建設.

尾張大橋は1933年に開通した全長878m,14連ランガートラス橋です.メンテナンス工事中でした.

 

北部(2022.2調査)

 

木曽川橋は一宮市と岐阜県笠松町を結ぶ橋梁です.国指定重要文化財に相当するとして「日本の近代土木遺産」に認定されています.増田淳が設計した橋長462.4mの鋼ブレースドリブ・タイドアーチ橋で,1937年に竣工しています.

名鉄名古屋本線木曽川橋梁は,7連トラス桁の下路曲弦ワーレントラス橋であり,支間は67.06mです.1934年完成です.木曽川堤駅近くから撮影しました.

渡橋は一宮市光明寺と岐阜県各務原市川島渡町の木曽川に架かる曲弦トラス橋であり,1964年に完成しました.橋長258m,幅員6mです.横に歩道橋専用の平行弦トラスも架設されています.

ツインアーチ138(ツインアーチいちさんはち)は一宮市にある高さ138メートルの展望タワーです.展望タワーの名前と高さは,「一宮の三八市」にちなみ138メートルとしたとのことです. アーチ式タワーとしてはアメリカのゲートウェイ・アーチ(高さ189m、ミズーリ州セントルイス)に次ぐ高さであり,姉妹タワーとなっています.なお建設の際には,頭部を地上で作った後にジャッキアップして下部を順次継ぎ足していくリフトアップ工法(別名:タケノコ工法)が使用されました.

裁断橋は支間長23mの木橋で,1996年に完成しています.大口町堀尾跡公園にあり,五条川を渡河しています.本来,裁断橋は名古屋の熱田にあった精進川に架かる橋でしたが,現在は橋はおろか精進川自体も埋め立てられ,記念碑が建っているのみです.大口町ではそれを惜しみ,公園整備する中で,大口町の中心を流れる五条川に裁断橋を復原したのです.

犬山橋は犬山市と岐阜県各務原市との間の木曽川にかかる鉄道橋であり,橋長は223m(3×73.1m),幅員は16mの三連ワーレントラス橋です.鉄道橋と道路橋が並行して架けられています.以前は鉄道道路併用橋であり,1925年に完成しています.名鉄犬山遊園駅近くにあり,現在は鉄道専用橋です.

新大橋は隅田川にかけられた明治の5大鉄橋の1つです.1912年(明治45年)7月19日にはピントラス式の鉄橋として現在の位置に生まれ変わりました.竣工後間もなく市電が開通し,アールヌーボー風の高欄に白い花崗岩の親柱など,特色あるデザインが見られるアメリカのカーネギー社製です.戦後,修理補強を行いながら使われていましたが,1977年に現在の橋に架け替えられ,明治村に移築保存されています.

六郷川鉄橋は東京都大田区西六郷から川崎市かけて多摩川に架かる東海道本線の鉄道橋です.複線ポニーワーレントラス(ピン結合) 30.175mであり,お雇い外人の英人土木技師ボイルの設計で,全長は約500m,錬鉄製トラス桁6連からなる構成されており,明治10年に建設されました.明治45年に東海道線の複々線化に際してこの鉄橋は外され,単線用に改造されて御殿場線の酒匂川に架けられた後,昭和40年に役目を終えました.日本最古の鉄道橋として博物館明治村(保存展示)されています.

城嶺(しろがね)橋は1937年に竣工したコンクリートの三連アーチです.春日井市にあるJR中央本線定光寺駅から庄内川を挟んで対岸の瀬戸市に架かる橋で,駅から定光寺への参拝路になっています.

鹿乗(かのり)橋は春日井市-瀬戸市の庄内川に架かる県道53号春日井瀬戸線の橋で,明治時代に作られた11のスチールアーチ橋のうち現存するひとつです.1910年にメラン工法により建設され,全長73m,幅員4.5mで,1947年に木製橋板が鉄製に取り替えられました.1951年3月に鋼鉄製のアーチ部分老朽化のため,コンクリートで巻き立てて補強しています.

 

名古屋市内(2022.3調査)

向野(こうや)橋は,JRの鉄道路線を跨ぐ黄金色の陸橋です.中村区長門戸井町1丁目にあります.元々1899年に京都鉄道が米国から輸入したもので,保津川に架けられていたものを,1930年に移設したものです.幅員5.5m,下路式曲弦プラットトラス(ピントラス)85.3mあり,19世紀のトラス橋で国内最大支間になります.2002年から歩行者・自転車専用橋になっています.

名古屋港駅にあるポートブリッジは,3連アーチ構造(合計5つのアーチ)です.真ん中のアーチから中央で桁を吊っています.桁を跨いだアーチが3つ連なっています.水族館側にステンレスで化粧したアーチもあります.橋の全長は180mです.中央のアーチ以外は橋を支えているわけではなくモニュメントになります.

中川橋は名古屋港中川運河の最下流に位置する,赤いブレースドリブ下路タイドアーチです.1930年完成したもので,支間長47.3m×幅員17m日立造船で建造されました.1991年現在は鋼床版に改築済です.

名古屋港跳上橋は1927年に昭和初期に名古屋港内に設けられた鉄道可動橋(跳開橋)で,日本に現存する数少ない近代土木遺産です.1.2号地間運河可動橋とも呼ばれています.63.4m×4.7mの単線で,山本工務店にて建造されました.

正徳橋は庄内川の堤防を走っているとキラキラと輝くラチストラス橋です.石川島播磨重工業にて建造されました.歩行者・自転車専用橋です.スルー型ポニートラスです.

かの里東の交差点にある橋梁はラーメン橋ですが,支点部をくり抜いて,交差点に架かる歩道橋を通しており,ユニークな形状をしています.

名古屋市内(2021.11調査)

 

納屋橋は名古屋市内堀川に架かる広小路通りにある,1913年建設された鋼製のアーチ橋です.名古屋市内中心であり,扁平アーチは外側だけ残し,内側には桁橋が1981年に建設されています.欄干は1921年のものを用いています.

岩井橋は名古屋市中区大須1丁目にあるアーチ橋で,1923年に建設されています.現存する鋼アーチ桁橋では,日本で2番目の古さを誇っており,側面にはアングル材を巧みに曲線加工した飾り板が施されています.建築家・武田五一が設計に関与し,関場茂樹が技師長を務めた日本橋梁株式会社が製作しています.デザイン自体の評価,優秀さがあります.橋長30.0m,幅員29.5mです.

モード学園スパイラルタワーズはスパイラル状(螺旋)のデザインが評価され,2008年度グッドデザイン賞を受賞しています.このスパイラル状のデザインは,「時代の最先端を行くエネルギーをもつ学生が,切磋琢磨し絡み合いながら上昇して,社会へ羽ばたいていく様」を表しているといわれています.

 

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