ものつくり大学・大学院
2020年度新入生へお祝いの言葉

まず初めに、現在日本全国に拡大しつつある新型コロナウィルスで、亡くなられた方に謹んでお悔やみ
申し上げますとともに、罹患されている方、辛い日々を過ごされている皆様に心よりお見舞い申し上げ
ます。また、日夜最前線で対応している医療関係をはじめとする皆様に心からの敬意を表します。

新型コロナウィルス感染予防対策で入学式が中止になり、
新入生の皆さんに直接お祝いの言葉を伝えることができないことは誠に残念ですが、
当ホームページにてお祝いのメッセージをお伝えしたいと思います。

新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。
令和という新しい時代の最初のものつくり大学への新入生の皆様をお迎えするにあたり、
ものつくり大学を代表して、心よりお祝い申し上げます。
また、これまで新入生を支えてこられたご家族の皆様、関係者の皆様に心よりお祝い申し上げます。

ものつくり大学は、21世紀の始まりである2001年の開学から、今年で20年目を迎えます。
基本的技能と「ものつくり魂」を基盤に据え、そこに科学・技術の知識とマネジメント能力を加え、
新時代を切り拓く感性と倫理観を備えた人材の育成を目指すことを設立の趣旨としました。
この度、皆さんが、「ものつくり」の道を志して、ものつくり大学への進学を選ばれたこと、
あわせて、この20年目の節目に皆さんをお迎えできたことを大変嬉しく思います。
是非、今後もその高い志を持ち続けてもらいたいと思います。

私は長年にわたり、自動車の設計というものつくりの仕事に携わって参りました。
若いころは、上司や先輩から、「設計者は常に自分が設計するものの造り方を知り、ものに触れ、
現地現物で学べ」と教えられ、実践を心掛けておりました。
自分で設計した部品を手に取りながら、ひたすら改良に思い悩むという経験が、私のものづくり
の原点であったと思います。

皆さんは、これから本学の総合機械学科、建設学科、大学院研究科で、それぞれの分野全般にわたる
知識に加えて、実践的な技術・技能を身につけていただきます。
本学キャンパスには、実験や実習のための充実した施設、設備が整えられています。
まさしく、現地現物に立脚したものづくりを学ぶ環境です。

そのような環境の中で、ものつくり大学では、全国でもトップクラスの少人数教育を行うとともに、
皆さんの適性や希望に合わせた様々なコースを用意しています。またカリキュラムの半分以上を
実験・実習・演習が占めており、実践的で長期にわたるインターンシップもあります。

他の大学では見られない、このような実学重視の教育内容は、行政や実業界から高い評価を得ており、
本学の卒業生、修了生は、日本のものづくりを代表する企業で活躍し、成果を挙げてきています。
私たち実業界を始め、多くの人が、新入生の皆さんに注目していることを常に心に留めていてください。

今、世界は、ＩＣＴ、ＩＯＴ、ＡＩなどのデジタル革新が「社会のありよう」を変えるという、
大変革の時代にあります。このような大きな変革に、柔軟に対応できる人材、すなわち、「現実にもの
に接し、ものの命を体感、体得することから問題を発見し、自ら解決方法を見いだす」という、
ものつくりの基本的技能を基盤に据え、そこに科学・技術の知識とマネジメント能力を併せ持つ、
時代の変化にも柔軟に対応できる人材になって頂きたいと思います。

加えて、皆さんには、高い専門能力を磨いてもらうと同時に、人間として大切な高い倫理性と
豊かな教養もしっかりと身に付けて、「ものつくり」を通して、将来の豊かな社会に貢献できるよう
大きく成長してもらいたいと思います。

新入生の皆さんは、これから始まる学生生活を非常に楽しみにされていると思いますが、
充実した有意義な生活を送るために、なによりも安全と健康には留意してください。

皆さんの更なる成長と、4年後、夢に向かって大きく羽ばたく姿を心より楽しみにしております。

結びとなりますが、重ねて新入生、ご家族の皆様にお祝いを申し上げ、お祝いの言葉といたします。

令和２年４月３日

学校法人ものつくり大学会長　市橋　保彦　（日野自動車株式会社　代表取締役会長）

—————————————————————————————-
※本日、4月3日（金）に予定しておりました本学入学式は、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、中止をいたしました。
つきましては新入生の皆様に贈る言葉として、本日予定しておりました学長および会長のお祝いの言葉、新入生誓いの言葉を掲載いたします。
本学教職員一同は、新入生の皆様のご入学を心から祝福しております。

関連情報

学長 赤松 明より 2020年度新入生へお祝いの言葉

2020年度新入生代表より 誓いの言葉